▼▼▼▼▼スペインの日刊紙ABCが1月23日、ワシントン通信員電として報じたところによると、ベネズエラのウーゴ・チャベス大統領は癌細胞が骨髄まで転移しており、医師団は、大統領が厳しい集中治療を受けなければ余命は9カ月しかないと見ている。
同紙は、「医師団に接近可能な諜報機関情報員が1月12日にまとめた報告による」としており、記事がワシントン発であることから、情報源がCIA関係筋である可能性が強い。
記事によると、大統領は昨年6月ハバナで手術を受けた際、前立腺癌で、腰部の骨と結腸に転移していることがわかった。前立腺は全摘出し、骨と結腸は化学療法で治療することにした。
だがその後、癌細胞は転移しつづけ、化学療法の効果が挙がっていないことが明らかになった。医師団は、転移は脊椎まで進んでおり、大統領が必要な集中治療を受けなければ余命は9カ月しかないと、昨年末に判断した。チャベスは、きつい集中治療を拒否しているという。
チャベスは10月7日の大統領選挙に4選をかけて臨むことにしているが、「余命9カ月」ならば、選挙までもたないことになる。
今月になって、チャベスは長時間の中継放送出演を再開するなど活動を活発に展開している。だが、それも「鎮痛剤と興奮剤を大量に投与されたため」という。
この種の諜報機関情報には<観測気球>としての狙いが多く、信憑性は何とも言えない。だが、チャベスの病状が「軽くない」なことだけは確かなようだ。
一方、チャベスの政権党「ベネズエラ統一社会党(PSUV=ペエセウベ)」は23日、大統領は元気であり、ABC報道は苦笑を禁じ得ないと、同報道を否定した。