▼▽▼米州諸国機構(OEA=オエア、英語でOAS)加盟34カ国が対象の、第6回米州首脳会議は、コロンビアのカルタヘーナで4月14、15両日開かれる。主役の一人、バラク・オバマ米大統領は13日、ヒラリー・クリントン国務長官を伴って現地入りした。
▽もう一人の主役はベネズエラのウーゴ・チャベス大統領だが、14日には癌再手術後の放射線治療のため、またもハバナに行く予定で、出席が危ぶまれている。チャベスは13日、2月下旬の手術後4度目のハバナ行きを発表したが、首脳会議出席については「私でなく医師団が決める問題」として、出欠の明言を避けた。
▼チャベスが出席するとすれば、14日の会議開会式に合わせて短時間だけ、という見方が拡がっている。
▽今会議は準備段階で、OEAを1962年1月追放されて以来、復帰していない社会主義キューバのラウール・カストロ国家評議会議長を招くか否かで紛糾してきた。エクアドールのラファエル・コレア大統領は、開催国コロンビアのフアン・サントス大統領が「加盟国内の合意が得られなかったためキューバは招待されない」と発表した後、首脳会議欠席を表明した。
▼会議の議題に、キューバ出席問題のほか、グアテマラが提案している「麻薬合法化」問題、アルゼンチンが訴えているマルビーナス諸島領有権問題などの難題を加えるか否かで最終合意が依然為されておらず、一部首脳の出欠問題と併せて波乱含みだ。
▽ラ米・カリブ33カ国は昨年12月初め、ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC=セラック)を設立した。うちキューバを除く32カ国はOEA加盟国であり、米州首脳会議への参加資格を持つ。CELAC発足でOEAが空洞化する可能性が指摘されてきた。
▼別の見方をすれば、OEAはCELACという巨大な<獅子身中の虫>を抱えているわけで、カナダとともにCELACに加盟できない北米の米国が、米州でキューバを除外したまま主導権を握るという時代は過去のものとなった。
▽オバマは11月に大統領選挙を控えており、キューバに対し<甘い態度>を示せば、米国内のキューバ系や右翼系の有権者を怒らせることになり、一層難しい対応を迫られている。