2012年5月19日土曜日

月刊誌『LATINA』創刊60周年、通算700号!

☆★☆★☆月刊誌「LATINA」が5月、前身の「中南米音楽」創刊から数えて60周年、通算700号に達した。18日刊行された記念特集号の表紙には楽譜、ト音記号、ポルトガル語などがデザインされていて、いかにもこの雑誌らしく洒落ている。定価は600円、時とともに値打ちが増すだろう。

★特集記事は、過去60年間のラテンを中心とする世界の音楽についての座談会、来日したアルティスタの写真で60年を振り返るラ米音楽史、日本でラテン音楽を作ってきた人物60人、印象深かったラテン音楽コンサート、世界音楽名盤700選など、好記事が満載されている。

☆「ラ米乱反射」を連載して76回目になった筆者(伊高浩昭)は、1952年4月のボリビア革命以後60年間のラ米情勢を綴った。これも記念特集の一環だ。いつもより2p多い6pになった。

★「印象深いコンサート」では、往年の日本人タンゴ女王・藤沢嵐子が登場する。ペロン大統領の前で、「ママ、恋人が欲しいの」を歌って本場アルゼンチンで大評判になった名歌手だ。まさに嵐のように、タンゴ旋風が巻き起こった。70年代初めのブエノスアイレスで筆者は、地元民からよく、「ランコは元気か」と訊かれたものだ。

☆アルゼンチン大統領の専用機の名前は「タンゴ#1(ヌメロ・ウノ)」。このほどアンゴラを公式訪問したクリスティーナ・フェルナンデス=デ・キルチネル大統領は、タンゴダンサー2組を随行団に加え、アンゴラのジョゼ・ドサントス大統領の前でタンゴの踊りを披露した。

★ラテンをはじめ世界の音楽情報を伝える「LATINA」だが、十八番中の十八番は亜国のタンゴだ。この特集号を手にしただけで、タンゴの音色が聞こえてくる。