★☆★☆★南部共同市場(メルコスール)は6月29日、亜国中西部のメンドサ市で第43回首脳会議を開き、ベネズエラの加盟を決定した。同国は、7月31日リオデジャネイロで開かれる特別首脳会議で正式に加盟する。
☆今首脳会議には、今月23日のパラグアイ国会によるフェルナンド・ルーゴ大統領の乱暴な解任という、軍事手段によらない<新手の柔らかなクーデター>を受けて、同国を除くアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイの3国大統領が出席した。会議は、パラグアイのメルコス-ル加盟資格を次期大統領選挙実施まで停止とする処分を決めた。
★ベネズエラの加盟は06年に決まっていたが、パラグアイ国会だけが加盟のための条約改定を批准せず、長らく加盟が阻止されてきた。ストロエスネル長期独裁時代に形成された大地主ら有産階級が牛耳る国会は保守・右翼色で埋まり、改革派のルーゴ大統領を一方的に追放した。だが、それによって地域市場の加盟資格停止となり、批准しないことによってベネズエラの加盟を阻む戦略は皮肉にも崩壊した。
☆首脳会議はまた、次期パラグアイ大統領選挙を監視する委員会を、南米諸国連合(ウナスール)が組織することを決めた。パラグアイに対する経済制裁は、同国人民に負担となるため科さないことを決めた。
★議長を務めたクリスティーナ・フェルナンデス=デ・キルチネル(CFK)亜国大統領は、「我々は一致して新手のクーデターを糾弾する。パラグアイの民主憲政秩序は中断した。メルコスールの民主条項に違反している。民主主義概念に二重基準はない」と明言した。
☆メンドサでは同日、ウナスール首脳会議も開かれ、パラグアイ問題でメルコスールと同じ方針を打ち出した。メルコスール3首脳のほか、チリ、ボリビア、ペルー、エクアドール、スリナムの5カ国大統領が出席した。ベネズエラ、コロンビア、ガイアナの大統領は欠席した。パラグアイは招かれなかった。