2012年6月23日土曜日

パラグアイ大統領が<国会クーデター>で追放さる

▼▼▼▼▼パラグアイのフェルナンド・ルーゴ大統領は、6月22日、国会によって解任され、政権を下りた。前日、下院と上院で採択された弾劾決議に従った。来年8月15日までの1年余りの任期は、副大統領から22日昇格したフェデリコ・フランコ暫定大統領が務める。

▼来年4月、次期大統領選挙が実施される予定。富裕層を代表するコロラード党(共和国民協会)
の守旧派政権が復活する可能性が出てきた。

▼今回の<国会クーデター>は、60年以上政権にあった極右・守旧派のコロラード党が、ルーゴ政権の内政改革と進歩主義外交に我慢できず、なりふり構わず数の力で潰したもの。富裕層が最も恐れる農地改革をルーゴは志向していたが、このことが15日に北東部で起きた土地無し農民と警官隊の衝突事件であらためて浮かび上がり、富裕層はルーゴ追放の好機と捉え、国際世論を無視して弾劾措置を取った。

▼南米諸国連合(ウナスール)は21日アスンシオンに外相団を派遣して、事態を好転させるべく努めたが、外相団の目の前でルーゴは追放された。威信を傷つけられたウナスールは、緊急会議を開き、パラグアイへの集団的対応策を決める。

▼エクアドール、ボリビア、ベネズエラは新政権を認めないと既に表明している。アルゼンチンは「クーデターを認めない。近くウナスールとして対応を決める」との立場だ。亜国はブラジル、ウルグアイ、パラグアイとともに南部共同市場(メルコスール)を構成しており、立場は複雑だ。