2013年6月25日火曜日

ブラジル大統領が国民投票を提案


 ブラジルのジルマ・ルセフ大統領は6月24日、全国向け放送で、制憲議会開設の是非を問う国民投票実施を提案する、と発表した。6日以来20日間続いた政府批判の抗議行動を受けて、抜本的な政治改革をする以外に出口はないと判断した結果だ。

 大統領は政庁で、抗議行動の主要な組織者「自由通行=無賃乗車=運動」(MLP)代表団と会談し、次いで全国27州知事、26首都市長と会合した。その際、「街の声は経済界でなく市民が主要な決定者になるべきだと言っている」と報道陣に語っていた。

 1988年制定の現行憲法は、改憲は上下両院で5分の3の多数決で2度ずつ可決しないと不可、と規定しており、政府は憲法規定と絡む重要な改革を国会でしばしば阻まれてきた。

 大統領は、今回の抗議運動の最大の標的である「政治家らの腐敗」について、腐敗を重罪と捉え厳しく処罰する、と言明した。併せて、富裕層に有利過ぎる税制の改革、および運輸、保健、教育の3大公共サービス改革の4項目を打ち出した。

●●●伊高浩昭は、今25日夜22:30過ぎから、TBSラジオ「セッション22」で、ブラジル情勢について話します。