ブラジルのアニトニオ・パトゥリオタ外相は8月26日、ボリビア国会議員入国事件の責任をとり辞任した。後任は、ルイス・フィゲイレド国連大使。パトゥリオタは交代で、国連大使になる。
ボリビアのロジャー・ピント上院議員は公金横領などで昨年起訴され、うち一件で禁錮1年の実刑判決を受けている。他の訴訟は継続中だが、去年5月末からラパスのブラジル大使館に亡命していた。ボリビア政府は議員の出国を認めていなかった。
ところがラパスのブラジル臨時代理大使エドゥアルド・サボイアの一存で、議員は23日夜、大使館を脱出。大使館公用車でブラジルの外交官、武官らに守られて走行、25日ブラジル・コルンバーに入国した。
ブラジル上院外交委員会のリカルド・フェラーソ委員長に迎えられ、フェラーソが手配していた小型機でブラジリアに到着した。
外相がピントの大使館脱出を知ったのは事後であり、外相も大統領も事前に知らされることなく、脱出劇が遂行されたようだ。外務省は26日、サボイアを召還し、事実関係の調査を開始した。
今事件によって、ブラジル外交の失態が強く印象付けられた。ボリビア政府は、ピントの身柄送還を求めることにしている。