2013年9月28日土曜日

鶴見俊輔著『旅と移動』を読む

 鶴見俊輔著『旅と移動』(河出文庫)を読んだ。ラ米ではメキシコが出てくる。1972年から73年にかけて、大学院大学の客員教授としてメキシコ市に滞在したときの体験や取材をまとめた文章である。

 先住民族ヤキの集落や、グアダルーペ大寺院などを訪れて、鋭い直観と知性の膨大な記憶をもって状況の深層をえぐり出している。

 当時20代末期だった私は、先生のすぐ近くで、実にさまざまなことを教えてもらった。言わば、教室のない授業だった。

 先生は91歳になっている。とても懐かしく、この本を読み、書評を書いた。だから、ここでは内容には触れない。

 ただ月並みに、読むことを薦めるだけだ。