オンドゥーラスで11月24日実施された大統領選挙は、開票が大幅に遅れ混乱していたが、選挙最高裁(中央選管)が25日夜、政権党・国民党候補フアン・エルナンデス(45、保守・右翼)が当選したと発表し、一応の決着を見た。
開票率67・75%段階での得票率は、エルナンデス34・08%、事実上の対立候補シオマラ・カストロ(54、自由・再建党=リブレ、革新)28・92%だった。選挙最高裁はエルナンデス1位の趨勢は動かないとして、当選を認めた。
この国の大統領選挙には決選投票制度がないため、今回のような接戦の場合、得票1位と2位の候補が開票率の低い段階で一方的に「当選宣言」をするなど、問題が多い。開票の遅れは、不正操作の余地を疑わせる。極めて後味の悪い選挙だった。
やはり決選投票制度のないメキシコでは2006年、開票時に不正があり、負けたはずの政権党候補が「僅差で勝利」している。
エルナンデスは弁護士。ポルフィリオ・ロボ現大統領の子飼いで、国会下院議長を務めてきた。経済は新自由主義政策をとる。
カストロ候補は、09年にクーデターで政権を追われたマヌエル・セラヤ元大統領の妻で、夫の「敵討」を志していた。
カストロ陣営は、エルナンデスの勝利を認めず、投票所ごとの開票結果の開示を要求している。