2014年1月28日火曜日

国際司法裁が一部チリ経済水域をペルーに与える裁定下す


 ハーグの国際司法裁判所は1月27日、チレとペルーが6年間争ってきた領海線画定訴訟でペルーに有利な判断を下した。

 提訴した側であるペルーのオヤンタ・ウマーラ大統領は、「要求の7割方が認められた。ペルーは経済水域を(チレから)5万平方キロ獲得する」と述べた。

 また、チレのセバスティアン・ピニェーラ大統領は、「チレには異論がある。だが12海里領海は従来通り守られた。経済水域を部分的に失うが、漁業資源は確保される」と語った。ミチェル・バチェレー次期大統領も「落胆」を表明した。

 裁定は、両国国境から緯度に沿って西に80海里進み、そこから南西に新しい経済水域の境界線が、チレ海岸から200海里の線まで進む。チレは従来の経済水域西北海域の三角形の部分を失うことになる。

 一方、「海への出口」を求めて同裁判所に昨年提訴したボリビアは、今回の裁定がどのような影響を及ぼすか、調査を開始した。エボ・モラレス大統領はCELAC首脳会議出席のためハバナ滞在中だが、28日にも声明を発表する方針。

 領海問題は1879年の太平洋戦争に起因する。当時のボリビア領アントファガスタ州での硝石開発をめぐり開発権を得ていたチレが開発権料を値上げしたボリビアに異議を唱え、戦火を開いた。

 ボリビアは同盟国ペルーとともに応戦する。だがチレが勝ち、アントファガスタ州をボリビアから奪い、ボリビアは以来、内陸国になっている。ペルーは南部のアリーカとイキーケの割譲を余儀なくされた。

 ハーグの法廷は2015年以降にボリビア・チレの係争で裁定を下す。今回の秘智間の裁定は、領海線が変化し得ることを示し、ボリビアに有利に働くとの見方が出ている。