2014年2月24日月曜日

「産油国のパラドックス」に陥ったベネズエラ

 ベネスエラ政府を支持する年金生活者の群が2月23日、カラカス中心部を行進した。前日の女性行進に次ぐ、マドゥーロ政権の平和醸成策である。

 一方、20日設置された「反ゴルペ国家コマンド」(CNA)の代表ディオスダード・カベージョ国会議長(元陸軍中尉)は22日、国家警備隊がカラボボ州内で火炎瓶など多数の暴力用危険物資を押収し、2人を逮捕した、と発表した。

 押収されたのは、ビール瓶などを利用した火炎瓶360本、火薬16キロ、ガソリン200リットル、撒き菱420個など。

 今回の反政府行動の背景には、外貨不足による輸入不足がある。消費財と原材料の不足率は28%、食糧だけでは26%に及んでいる。

 絶えず入ってくる石油外貨は、対外債務返済、輸入、国内へのばらまき政策、腐敗によって枯渇状態にある。

 原油を生産し後は輸入するという経済構造が招いた「豊かなはずの産油国のパラドックス」に陥っている。ここから脱出するのは容易ではない。