2014年2月16日日曜日

ベネズエラ大統領が「平和集会」で武闘を戒める

 カラカスで2月15日、政府主催の「反ファシスム」平和行進・集会があり、数万人が参加した。2月初めから全国の主要都市で続いてきた大学生らによる反政府行動、とりわけ死者3人と多くの負傷者が出た12日の首都での暴動事件を受けて実施された。

 ニコラース・マドゥーロ大統領は集会で演説し、12日の事件を煽動したとして野党指導者を糾弾する一方、チャビスタ(チャベス派=現政権支持派)に対しても、武装して暴力に訴えるのを止めるよう厳しく戒めた。

 大統領は14日には、国内「平定計画」案を発表している。人民の武装解除、犯罪集団解散、警察巡視強化、テレビによる暴力・憎悪助長報道の規制、暗殺を画策する麻薬組織の取り締まりなどが骨子。

 12日の流血事件に関しては、クーバ、ボリビア、アルヘンティーナ、ニカラグアなどがベネスエラ政府を支持。これに対し、米国、米州諸国機構(OEA)などは、3人を殺した犯人の追及を求めた。またチレ、コロンビア、欧州連合(EU)は、「異なる政治勢力間の対話」を求めた。

 政府は12日の暴力状況のビデオ映像を公表したが、首都の検察庁前、首都チャカオ区でのバス駅前では、若者集団による破壊活動が進行する様子が記録されている。検察庁正面やバス駅は、一部が破壊された。

 
 外国の一部極右日刊紙は、エジプト警察が路上で女性に暴行を加える写真を掲げて12日の事件を伝えるなど、ベネスエラ政府攻撃の宣伝運動を展開している。

 エリーアス・ハウア外相は15日、「外国メディアに煽られて<犬の戦争>を仕掛けようとしている輩がいるが、民主政府と街頭の人民が制圧する」と反駁した。