ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は2月21日、ミラフローレス政庁で内外記者団と会見し、バラク・オバーマ米大統領に対話を呼び掛け、「この挑戦を受けてほしい」と述べた。
大統領は、「大使級外交を復活させ、現OEA(米州諸国機構)駐在大使ロイ・チャデルトンを駐米大使に任命する用意がある」と具体案を示した。
さらに、「あなたには、チャベス大統領を何度も倒そうとした前任者ブッシュと異なる行政の期間がまだ残っている」と指摘した。
マドゥーロはまた、「ラ米右翼は連携して反ベネスエラ攻撃を展開している。(チャベスがクーデターに遭った)2002年以来最悪のメディアを用いた策謀にさらされている」と語った。
大統領は、チレ、コロンビア、パナマの3大統領に対し、「米国務省の圧力に屈して反ベネスエラ発言をしている。ラ米分断工作に乗らずに、互いの違いを尊重し合おうではないか」と述べ、融和を訴えた。
政府は20日、パナマ外務省が内政干渉発言をしたとして駐巴大使を召還した。パナマも駐VEN大使を召還し、関係は冷え切っている。
ピニェーラ・チレ大統領に対しては、チレで学生抗議行動があった際、我々は干渉しなかった、と述べ、ベネスエラでは大学教育は無料だが、チレではそうでない、と指摘した。そのうえで、あなたの在任期間は(3月10日までと)限られているが、大統領として最後までラ米のために尽力してほしい、と付け加えた。
コロンビアのサントス大統領については、ベネスエラ在住コロンビア人が迫害されていると嘘を言っている、と批判し、迫害の事実はないし、我々はコロンビアに内政干渉していない、と強調した。
一方、エリーアス・ハウア外相は21日、ベネスエラ沖のカリブ海にあるオランダ領アルバ、ボナイレ、クラサオ(キュラソー)にあるベネスエラ領事館を閉鎖し、全要員を引き揚げると発表した。
これはアルバの領事館に現地人が車で突っ込む事件があったため。外相は、オランダ駐在大使を召還したことを明らかにし、オランダが安全を保障するまでは領事館は再開しない、と語った。
ラファエル・ラミーレス石油相は21日、国内で貯油所、石油配給基地が襲撃されていると非難し、そのような地域には石油の供給を打ち切ると述べた。石油相は、国営石油会社PDVSA(ペデベサ)総裁を兼ねている。