ブラジルのセルソ・アモリム国防相は、1964年ゴルペ(軍事クーデター)50周年の3月31日、軍事政権時代に軍事施設内で起きた拷問と殺害に関する調査を開始する、と明らかにした。
国軍が組織的に関与した人道犯罪を自ら調査するのは初めてであり、画期的な決定と受け止められている。
軍政下の人道犯罪を究明してきた国家真実委員会は2月18日、政府に調査開始を要請したが、これに国防相は回答した。
問題の施設は、リオデジャネイロ州内一カ所、陸海空軍基地各一カ所、陸軍のサンパウロ、レシーフェ、ベロオリゾンチ3市内各一カ所の、計7カ所。
ブラジルには恩赦法があり、人道犯罪に関わった軍人、警官、極右民間人らは断罪を免れてきた。だが、恩赦法廃止を求める声が高まりつつある。国防相は世論と、ヂウマ・ルセフ大統領の強い意志に配慮して調査開始に踏み切った。