ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は4月13日、全国からミラフローレス政庁前に参集した支持者数万人を前に演説し、「寡頭勢力(オリガルキーア)はゴルペ(クーデター)によっても投票によっても政権に復帰することはできない」と述べた。
12年前の2002年4月11日、当時のウーゴ・チャベス大統領を追い出すクーデターが発生し、経団連会長ペドロ・カルモーナが暫定政権に就いた。だが13日、チャベスに忠誠を誓う陸軍主力部隊が反乱し、カラカス丘陵地帯のチャベス派人民が政庁に押しかけ、チャベス復権を要求した。
カリブ海の島に幽閉されていたチャベスは、13日から14日にかけての深夜、陸軍のヘリコプターで政庁に帰還し、政権に戻った。カルモーナはコロンビアに亡命した。
政府は4月13日を「尊厳の日」と定めた。また軍と人民がともに蜂起したことから、その後組織された「国家民兵隊」(MNB)の創設記念日にもなった。MNBは、「市民・軍人連携の象徴」とされている。
マドゥーロは、「12年前の4月11~13日は、21世紀ベネスエラの分岐点だった。親帝国主義のブルジョア資本主義モデルか、それとも反帝国主義の人道的・民主的な憲政モデルか、どちらに進むかの決定的な日々だった」と述懐した。
また、「寡頭勢力は歴史に学んでいない。チャベス死後1年足らずで、過去と同じようなゴルペ、サボタージュ、街頭暴力を仕掛けた」と、反政府勢力を強く牽制した。
一方、チャベス政権下で副大統領、外相、国防相を歴任したジャーナリスト、ホセ=ビセンテ・ランヘールは13日、「市民と軍人が連携し忠誠を意識しているかぎり、革命は継続可能だ」と指摘した。