2014年8月9日土曜日

ラ米知識人らがイスラエルと米国を糾弾

 ボリビアのラパスに本部を置く「人類防衛網(ネットワーク)」(REDH)は、イスラエル軍によるパレスティーナ・ガザ地区への侵攻と虐殺を前に、「イスラエルによるテロリズモと米帝国主義」を糾弾する声明を8月4日付で発表した。

 声明はまず、REDH創設者であるエボ・モラレス大統領が7月30日「イスラエルはテロリスト国家だ」と規定したことへの賛同を表明。パレスティーナ人民に連帯し、イスラエルの暴挙を支援している米国の帝国主義の役割を糾弾する、としている。

 米国は歴史的に偽善と冷笑主義をもってラ米、アフリカ、ユーラシアの人民を介入と制裁によって脅してきた、と指摘。欧州連合(EU)諸政府の共犯性と、米政府の言い分に従っている国際寡占メディアを糾弾している。

 その上で、「テロリスト国家イスラエルへのボイコット、投資打ち切り、制裁への賛同を求める」と呼び掛けている。また、パレスティーナにおける人種隔離、虐殺、壁建設、ユダヤ人不法居住地拡大を無くすこと、を要求している。

 さらに、イスラエル軍のパレスティーナからの完全撤退と、1967年戦争前の国境に国境線を戻すよう、訴えている。

 故ネルソン・マンデーラの「我々の自由は、パレスティーナの自由なしには不完全だ」との言葉を共有しよう、と呼び掛けている。

 両国家が話し合いによって、国際的に認知された国境線を定めて共存すべく訴える、と強調している。

 最後は、「イスラエルは倫理を失った。世界は、そんなならず者(カナージャ)国家を糾弾すべきだ」と結んでいる。

 声明には、ラ米を中心に北米、欧州、マグレブの知識人多数が署名している。ラ米はエボ・モラレス大統領を筆頭に、亜国人ノーベル平和賞受賞者アドルフォ・ペレス=エスキベル、ウルグアイ人作家エドゥアルド・ガレアーノ、メヒコ人教授パブロ・ゴンサレス=カサノバ、元オンドゥーラス大統領マヌエル・セラヤらが署名している。

 クーバ人は、ラス・アメリカス館長ロベルト・フェルナンデス=レタマール、歌手シルビオ・ロドリゲス、知識人・作家協会長ミゲル・バルネー、国立バレエ団長アリシア・アロンソらが署名している。

 このほか、チレ人作家マルタ・ハーネッカー、コロンビア人平和活動家ピエダー・コルドバ、米国系ベネスエラ人エバ・ゴリンジャー、エクアドール人映画監督パブロ・グアヤサミーン、メヒコ人作家パコ=イグナシオ・タイボらの署名もある。

 ハバナに本部のあるアジア・アフリカ・ラ米3大陸人民連帯機構(OSPAAAL=オスパアール)、カラカスに本部のある「国際3大陸連帯機構」、ブラジルの土地無し運動(MST)など団体も署名に加わっている。