ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は9月3日、重要閣僚の交代を発表した。これまで経済政策の中枢を担ってきた石油相兼PDVSA(ベネスエラ国営石油会社)社長ラファエル・ラミーレスを外相に転じさせた。
ラミーレスは7月末の政権党ベネスエラ統一社会党(PSUV)大会で大統領が打ち出したガソリン価格値上げ方針など財政赤字是正策の策定に関与していた。財界は、ラミーレスの交代に違和感を示している。
新しい石油相には、故チャベス前大統領のいとこ、アスドゥルーバル・チャベスが就任した。PDVSAの新社長はエウロヒオ・デルピーノ。
ラミーレスは経済政策担当の副大統領でもあったが、経済・財務相ロドルフォ・トーレス将軍がその地位に就いた。
外相だったエリーアス・ハウーアは、コムーナス・社会運動相に転じた。コムーナスはコミューンで、地方自治体と並ぶ自治権を持つ。
執権副大統領は、故チャベスの女婿ホルヘ・アレアーサが留任した。カルメン・メレンデス国防相も留任。
この人事では、今後どのような経済政策になるのか、はっきりしない。
大統領はまた、外貨安定化のため、中央銀行内に7億5000万ドルの「外貨戦略基金」を設けると明らかにした。
一方、検察庁は、今年初めから8月末までに腐敗容疑で元公務員ら966人を逮捕した、と発表した。