2014年10月6日月曜日

メキシコ南部ゲレロ州で28人の他殺体発見

 メヒコ中南部ゲレロ州内で10月4~5日、地中の穴に埋められていた28人の遺体が発掘された。9月26日に拉致された師範学校生の遺体と見られている。

 学生の拉致を命じたのは、同州イグアラ市警察の長官で、市警は9月25日、州内のアヨツィパン市にある農村師範学校の学生を襲撃し、6人を射殺、17人を負傷させた。

 次いで26日学生43人を拉致し、殺し屋集団に学生を引き渡し、全員を殺害するよう命じた。逮捕された殺し屋2人が自白した。

 学生たちは切り刻まれて惨殺され、ガソリンをかけられて焼かれ、穴に放り込まれた。焼死体となっているため、身元確認が困難を極めている。残る学生15人の所在ないし遺体の在り処は不明。

 市警の背後には、麻薬暴力組織「ゲレロ・ウニード」がおり、市警と組んで悪行を働いていた実態が明るみに出た。ゲレロ州当局との関係を指摘する向きもある。

 同師範学校生は左翼で、1970年代に州内で壊滅させられた農村ゲリラ2組織の指導者ヘナロ・バスケスとルシオ・カバーニャスを讃えていたという。

 首都メヒコ市の南のゲレロ州には、銀の町タスコ、イグアラ、州都チルパンシンゴ、太平洋岸の観光地アカプルコと繋がる観光路がある。だが麻薬組織が根を張り、血なまぐさい殺傷事件が絶えない。