クーバのラウール・カストロ国家評議会議長は12月20日、人民権力全国会議(国会)の閉会演説で、「対米関係改善のためクーバは理想を捨てるべきだ、と企図してはならない」と述べ、社会主義の理想を堅持することを強調した。
議長は、「我々は一度も米国に政治制度の変更を要求したことはない。米国は我々の政治制度を尊重すべきだ」と述べた。また、「米国はクーバが主権国家であることを理解すべきだ。クーバ人民は国民投票で社会主義憲法を承認し、社会主義の道を選んだ」と語った。
さらに、「クーバはあらゆる問題を話し合う用意がある。それには米国の国内問題も含まれる」と言い、米国の人権や民主に問題があるのを懸念していると述べた。
「解決すべき本質的な問題が残っている。それは経済・通商・金融封鎖だ」と指摘した。
「対米国交再開は、(ベネスエラなど)地域の同盟諸国と関係を忘れることを意味しない」と述べ、一部にあるクーバ・ベネスエラ「分断工作説」を牽制した。
ラウールは、今年のクーバ経済の成長率は1・4%だったと明らかにし、来年の目標として4%を挙げた。