2015年9月7日月曜日

米連邦捜査局がガルシア=マルケスを24年間監視

 昨年4月メヒコ市で87歳で死去したコロンビア人ノーベル文学賞作家ガブリエル・ガルシア=マルケス(ガボ)は、1961年から24年間、米連邦捜査局(FBI)によって監視されていた。ワシントンポストが5日、解禁された米政府文書を基に報じた。

 ガボは1961年ニューヨークに行き、クーバ通信社プレンサ・ラティーナ(PL)支局を開いた。妻と長男ロドリゴを伴っていた。同年初め、アイゼンハワー政権はクーバと断交していた。

 当時のエドゥガー・フーヴァーFBI長官はガボの監視を命じ、FBIはガボが入国した時点から監視を始めた。ガボ一家はマンハッタンのウェブスターホテルに居を定め、毎月、部屋代200米ドルを支払っていた。FBIは、同ホテルなどガボ周辺に通報者9人を維持していた。

 だがガボは数ヵ月後には解任され、ハバナに戻った後、メヒコに去る。キューバの人民社会党(PSP、当時の共産党)がPLの編集権を握ったため、ガボらラ米人ジャーナリストの大方は排除された。

 ガボの長男ロドリゴは現在、映画人としてロサンジェルスに住むが、「当時、監視されていたという記憶はないし、監視される理由もなかったはずだ」と語っている。