米政府(財務省、商務省)は9月17日、大統領権限で可能な範囲の対玖経済封鎖緩和策を発表した。米海運会社は、米玖両国間の直接航路にかぎって認可される。
訪玖が許可された者は、クーバ国内で銀行口座を開設できる。米国人にクーバでの合弁などによる電気通信、インターネットの事業を始めることができる。米国からクーバへの通信機器輸出枠を拡大する。
報道、農業、建設、郵便、電気通信、旅行代理店などの分野には、クーバ国内での事務所や倉庫の設置を認める。その事務所などは、在玖・米国人を雇用することができる。
米国人によるクーバへの送金金額および、訪問者の携行金額の制限を廃止する。米玖両国人は、相互に司法サービスを受けることができる。在米クーバ人外交官は、国際移動が許可される。
これらの措置は21日発効する。フランシスコ法王は19日から玖米両国を歴訪するが、これを前にした緩和策だ。
この発表を受けてクーバのラウール・カストロ国家評議会は、バラク・オバーマ米大統領に電話し、今回の措置の深化および、経済封鎖の完全撤廃を求めた。両首脳はローマ法王来訪についても話し合った。
米政府はこの電話会談について、両首脳は両国国交正常化に果たした法王の役割に触れるとともに、関係強化のため双方、もしくは一方が政策を主導する必要性について話し合った、と公表した。
一方、チェ・ゲバラの娘アレイダ・ゲバラ医師(チェ・ゲバラ研究所長)は17日ローマ法王来訪について、共産党は我々党員にローマ法王歓迎やミサに出るよう盛んに働き掛けているが、私は完全に反対だ、と述べた。
アレイダは、アルヘンティーナ軍政時代に3万2000人の市民が殺害された事実を踏まえて、「そのとき現在の法王はどこにいたのかしら」と言い、亜国出身の法王の過去に触れた。だがアレイダは、法王は私の家を訪れることになっており、私は彼を普通の訪問者として迎える、と語った。ゲバラはアルヘンティーナ人だった。
しかしアレイダは、「私はミサには行かない。信仰の自由の問題だ」と述べた。法王は、ハバナの革命広場で20日、オルギン市で21日、サンティアゴ市郊外の聖母コブレ寺院で22日、それぞれミサを執り行う。