クーバのラウール・カストロ国家評議会議長は12月18日、全閣僚と政府高官らを前に演説、「クーバは対米国交正常化達成に際しても独立を失わず、独自の経済・政治・社会制度を選ぶ権利を失うこともない」と強調した。
議長はまた、「いかなる者もクーバに独立の大義を捨てさせようと企図してはならない。クーバ人民が、過去半世紀に亘って闘ってきた原則と理想を捨てることはあり得ない。独自の制度を選ぶ権利は、いかなる内政干渉もなしに尊重されねばならない」と述べた。
この発言は、バラク・オバーマ米大統領が17日の国交正常化合意1周年に際し、来年内の訪玖希望を新たに表明、米国の願うクーバ民主化促進のため訪玖を役立てたいとの意志を打ち出したのに対する牽制だ。
議長はさらに、「クーバは主権と独立を相互に尊重しつつ、過去の玖米関係史と異なる両国関係を構築する用意がある。クーバは正常化達成を前に、米国が過去の対玖政策をすべて破棄することに執着する」とも述べた。同時に、経済封鎖解除、グアンタナモ基地返還、「キューバ調整法」廃止などの重要懸案に変化がないことを指摘した。
正常化合意1周年を機に在米クーバ系社会で実施された世論調査では、56%が正常化に賛成。経済封鎖解除には53%が賛成している、との結果が出た。
一方18日、イタリアMSCの豪華クルーズ船(最大乗客数2600人)がハバナ港に入港した。この船はジェノヴァを11月下旬出航、クーバの他、ジャマイカ、ケイマン、コスメルなどカリブ海の観光地をめぐる。