2016年1月22日金曜日

ブラジルで「世界社会フォーラム」(FSM)始まる

 ブラジル南リオグランデ州都ポルトアレーグレで1月19日、FSM(世界社会フォロ=フォーラム)が始まった。この日、内外から参加している1万人が市内を行進、特にブラジル人らは「ゴルペ(クーデター)を起こさせるな」と叫んで気勢を上げた。

 これは、過去4回の大統領選挙で労働者党(PT)に勝てないできた保守・右翼野党が、ヂウマ・ルセフ大統領(PT)を国会で弾劾しようとしているのを「国会クーデターの陰謀」と捉え、糾弾したもの。

 FSMは、スイス・ダボスで1991年から開かれてきた世界の政財界支配層による「世界経済フォーラム」に対抗するもので、「オトロ・ムンド・ポシ-ブレ(もう一つの世界は可能だ)」を掲げて2001年、第1回会合がポルトアレーグレで開かれた。今会合は、その15周年を記念して開かれた。

 20日は開会式に続き、23日までの日程で分科会が始まった。ブラジルのミゲル・ロセト労相は開会式で、ルセフ政権支持を呼び掛け、ベネスエラの故ウーゴ・チャベス大統領の言動を讃えた。

 パラグアイ人らは、2012年6月起きた「グルグアティ事件」で不当に投獄されたままの農民たちへの支援と解放を訴えた。ブラジル人学生たちは、教育商業化に反対し、無料教育実現を要求した。

 FSMの今年の本会合は8月9~14日、カナダのモントリオールで開かれる。ポルトアレーグレ会合は、モントリオール会合の議題を決めるなど準備会合の意味も持つ。

 一方、ダボスではマクリ亜国大統領がキャメロン英首相と、マルビーナス(フォークランド)諸島問題などで話し合った。昨年までの12年間、新自由主義経済路線に反対したペロン派左翼政権の大統領キルチネル夫妻はダボス会合に参加しなかった。