米政府は2月18日、バラク・オバーマ大統領が3月21、22両日、クーバを公式訪問する、と発表した。米大統領の訪玖は1928年のカルヴィン・コールリッヂ大統領以来88年ぶりとなる。オバーマ大統領はクーバ訪問後の3月23、24両日、アルヘンティーナを訪問する。
米国家安全保障副顧問ベン・ローズは18日、オバーマ大統領はラウール・カストロ国家評議会議長と会談するが、実兄フィデル・カストロ前議長に会う予定はない、と述べた。ローズはまた、大統領はラウール議長と人権問題も話し合うとし、クーバの反体制派代表らとも会う、と明らかにした。
米政府発表を受けてクーバ外務省のホセフィーナ・ビダル米国局長はハバナで記者会見し、クーバはオバーマ大統領を歓迎すると表明。訪問は、大統領のクーバの現実理解、両国間の対話拡大、相互協力に貢献する、と指摘した。
局長は、人権問題が議題になることについては、既に両国間で何度も話し合われてきた、と述べた。
88年前のコールリッヂ大統領訪玖は、ハバナで開かれた第6回汎米首脳会議出席のため。当時のクーバ独裁者ヘラルド・マチャード大統領と会談した。
米大統領の亜国訪問については、1997年にビル・クリントン大統領がバリローチェでカルロス・メネム大統領と会談している。また2005年11月、マルデルプラタ開催の第4回米州首脳会議にジョージ・ブッシュ大統領が出席した。
この会議では、ベネスエラの故ウーゴ・チャベス大統領、亜国の故ネストル・キルチネル大統領、ブラジルのルーラ大統領が組み、米国が提唱していた米州自由貿易地域(ALCA・FTAA)結成案を潰し、ブッシュは面子を失った。以来、亜国は米政府にとって
「鬼門」だったが、昨年12月、マクリ親米右翼政権が発足、米亜関係は緊密化しつつある。
問題は、玖亜両国歴訪の間の3月23日が、コロンビア政府とFARCの内戦終結協定調印日であること。コロンビアのJMサントス大統領は以前、オバーマが調印式に立ち会うと示唆していた。
サントスとオバーマは2月4日ワシントンで会談し、米国が4億5000万ドルのコロンビア援助を17年度予算で執行することを約束した。この会談でオバーマのコロンビア訪問がなくなったのかどうか、定かでない。
ハバナを発った米大統領機がコロンビアに立ち寄り、調印式後にブエノスイアレスに向かう可能性も残されている。