2016年2月15日月曜日

モラレス・ボリビア大統領が国民投票敗北を覚悟か

 2019年の大統領選挙に出馬し連続4選を目指すボリビアのエボ・モラレス大統領が、そのための改憲の是非を問う国民投票で敗北する可能性が出ている。国民投票は2月21日実施されるが、一週間前の14日公表された各種世論調査では、4選賛成と反対が40%同士で拮抗しているのが一件、他は反対38%、賛成34%など、反対が上回った。

 これを受けてモラレス大統領は14日、「反対が勝てば、それも権利行使の結果だ。そうなればMAS(政権党・社会主義運動)は別の候補を立てることになる」と述べ、敗北がありうることを覚悟していることを示唆した。

 大統領の苦戦は、モラレス多選に反対するあるジャーナリストがこのほど、モラレスが影響力を行使して、愛人が重役を務める中国系のCAMC社に政府発注の仕事を与えた、という見方を明らかにしたこと。

 併せて、モラレスと、その愛人ガブリエーラ・サパタ弁護士(28)の間に男児一人が生まれていたことも暴露した。

 大統領府は、モラレスが2005~07年、サパタと愛人関係にあった事実と男児がいたことを認めたが、「男児が死んだのを契機に別れた」と発表した。

 ところが、2015年のオルーロ市のカルナバルを見物するモラレスにサパタが寄り添っている写真が新たに暴露された。世論調査では、「モラレスは真実を話していない」、「愛人に便宜を図った」と見る回答が圧倒的に多くなった。

 大統領は、この醜聞暴露の背後には米政府(CIA)がいると非難したが後の祭、支持率は急速に落ちてしまった。モラレスは独身だが、二人の女性との間に長女と長男が一人ずついる。

 モラレスが21日に敗れれば、昨年末の亜国での右翼政権登場と、ベネスエラ国会議員選挙での保守・右翼野党連合圧勝に続き、南米での左翼退潮を印象付けることになる。