コロンビア政府とゲリラ組織FARC(コロンビア革命軍)は8月29日午前零時、停戦に入った。1960年以来続いていた両者の間の内戦は歴史的な終焉を迎えた。
フアン=マヌエル・サントス大統領は政府軍にFARCへの攻撃を一切停止するよう命令、「新しい歴史が始まった。銃撃音は止んだ。FARCとの戦は終わった」と述べた。
ルイス・ビジェガス内相は、「コロンビアにとって過去100年間で最良のニュースだろう」と語った。
一方、FARC最高司令ティモチェンコはハバナで、政府軍に対する攻撃停止命令を発し、「戦争がもたらした痛みを今あらためて遺憾に思う。きょうから新しいコロンビア建国のため(政府と共に)尽力してゆく。政府軍が二度と人民に銃口を向けないことを!」と強調した。
FARC武装ゲリラ7500~8000人、および支援部隊8000人は既に全国7ブロックに分かれて集結しているが、今後22地域および6野営地に入り、武装解除に応じる。武装解除、武器弾薬引渡は180日以内に実施され、ゲリラの復員準備が整う。
国連に委託されたラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)の民・軍派遣団がFARC集結、武装解除に立ち合い、かつ検証する。
FARCは9月13~19日、南部のサンビセンテデカグアンで第10回ゲリラ幹部会議を開き、政府との和平協定を承認する。これを受けて10月2日、和平協定内容承認の是非を問う国民投票が実施される。
ゲリラ幹部会議には、ティモチェンコら幹部29人を含む代議員200人が出席する。また内外から招かれた50人も参加する。
元ゲリラ「四月19日運動」(M19)の最高幹部だったアントニオ・ナバーロ議員は、「最も重要なのはFARCの武装解除が始まることだ」と指摘した。
国内では、和平に反対するアルバロ・ウリーベ前大統領ら保守・右翼勢力が、国民投票で反対票を投じるよう運動している。
また、もう一つのゲリラ組織ELN(民族解放軍)は、政府との和平交渉開始への準備を進めている。