マクリ新自由主義右翼政権が支配するアルヘンティーナで8月7日、生活苦、政治的圧迫感、弾圧に抗議する労働者ら市民が、労働者の守護聖人「聖カジェターノ」の日に因み、聖カジェターノ教会から、大統領政庁(カサ・ロサーダ)前の五月広場までブエノスアイレスを15km行進、同広場で抗議集会を開いた。
共催した「決起するバリオ(地区)」(BDP)、「階級闘争派」(CCC=トゥリプレ・セ)、「人民経済労働者連盟」(CTEP=セテップ)の発表では、10万人が参加した。
参加者は、「平和、パン、土地、住宅、働き口」と書かれた巨大な横断幕を先頭に、さまざまな訴えや要求を書いたプラカード、旗、チェ・ゲバラ像などを掲げ行進した。
人々はメディアのインタビューに対し、年金生活者の苦しさ、若者の失業の深刻さ、マクリ政権のペロン派左翼弾圧などで抗議の声を挙げた。ある高齢の労働者は、「反政府の世論がこれだけ拡がっていることを行動で見えるように示さねば」と、デモ行進の意義を強調した。
マクリ政権の司法当局からクリスティーナ・フェルナンデス前大統領が公金横領罪などで追及されているが、「市民連立」党首エリサ・カリオー下院議員は7日、ダニエル・シオーリ前ブエノスアイレス州知事が知事時代に公金を横領した可能性があると公言。新たな汚職問題として浮上しつつある。
シオーリはフェルナンデス前大統領の後継候補として昨年の大統領選挙にペロン派キルチネル路線から出馬。第1回投票で1位になったが、決選でペロン派右翼を取り込んだ前ブエノスアイレス市長マウリシオ・マクリに敗れた。
マクリは5日、リオ五輪開会式出席時、リオデジャネイロでテメル伯大統領代行、カルテス・パラグアイ大統領と会談、南部共同市場(メルコスール)輪番制議長にベネスエラが就任するのを阻止する方針で一致した。
これに対し、ベネスエラのデルシー・ロドリゲス外相は「3国同盟の陰謀は許さない」と非難、カラカスの外務省にメルコスール旗を掲げ「議長国就任」を演出した。だが就任に賛成しているのはウルグアイだけで、就任は認められていない。
亜伯パラグアイ3国は、加盟国に認められている拒否権をベネスエラから剥奪することも話し合った。ベネスエラが議長国になるのに反対する理由は、同国が域内関税取り決めに完全には参加していないこと、同国の人権や言論の自由が「危機に瀕している」ことなど。
だがブラジルは、ヂウマ・ルセフ合憲大統領を弾劾する「制度的クーデター」の真っ最中で、その首謀者の一人がテメル代行だ。またパラグアイでは2012年にフェルナンド・ルーゴ合憲大統領を、カルテスの政権党コロラード党が「国会クーデター」で追放している。さらにマクリは「パナマ文書」醜聞に関与、公務員大量馘首や左翼弾圧で評判が芳しくない。
こんな時、加盟国でないエクアドールのラファエル・コレア大統領は、「メルコスールにはアルファベット順に議長国が決まる制度があり、ウルグアイの次はベネスエラに決まっている」と述べ、反対する3国に疑問を呈した。