ベネズエラの世論調査会社デタアナーリシス社の大統領選挙候補者支持率調査の結果が4月8日、公表された。それによると、野党候補ヘンリー・ファルコン前ララ州知事が41・4%、次いでニコラース・マドゥーロ現大統領の34・3%だった。
同社は3月19~29日、全国で有権者800人を調査。この調査と集計が公平なものだとすれば、この趨勢が5月20日の投票日まで続き、投開票の公正さが保障されれば、ファルコン当選が可能なことを示唆する。他の3候補は低迷している。
この調査によると、マドゥーロ大統領の施政について66%が「極めて悪い」、「悪い」、9・1%が「悪いほうに進む」と回答。併せて75・1%が現政権に厳しい見方をしていることが浮かび上がった。
「良い・良い方向」と回答したのは22・3%だった。また6割は投票すると答えた。
ファルコンは、激昂するインフレをなくすため通貨を米ドルにすべきだ提案している。これに対しマドゥーロは、「ベネズエラを米国の植民地にしたいのか。通貨はボリーバル以外にない」と反駁している。
しかし、他の世論調査会社はコンスルトーレスがマドゥーロ支持率34・7%、ファルコン18・5%。インテルラテ社はマドゥーロ60%、ファルコン18%と発表している。政府は、デタアナーリシスの調査には党派性がむき出しになっている、と非難している。
一方、ベネズエラ外務省は声明を8日発表、「ルーラは宗教裁判所で異端審問にかけられた」と指摘。ブラジル政界と司法界を糾弾した。
またボリビアのエボ・モラレス大統領は、「コンドル作戦司法版が跋扈し、ラ米の進歩主義勢力が標的にされている」と述べ、ルーラ逮捕を非難した。
これを受けて、ベネズエラ政権党PSUV(ベネズエラ統一社会党)のディオスダード・カべージョ副党首は、「地域の進歩主義・左翼指導者が右翼勢力に追い落とされている」と前置きし、「地域の進歩主義勢力を強化せねばならない」と強調した。
「コンドル作戦」は、1970~80年代、米政府の主導で南米中・南部の軍事政権諸国が合同で展開した反軍政の左翼・進歩主義勢力と市民を殺戮した広域人道犯罪作戦。日本国籍保有の移住者や日系市民も犠牲になった。