2018年5月12日土曜日

 ハバナでのCEPAL(国連ラ米・カリブ経済委員会)総会が閉会▼「2030アジェンダ」、「SDGs」などを討議▼キューバ議長が「不平等文化」撲滅を呼び掛け▼ALBA外相会議がベネズエラとニカラグアへの支持・連帯を表明▼コロンビア大統領はベネズエラを酷評

 国連ラ米カリブ経済委員会(CEPAL)は5月8~11日、ハバナで第37回総会を開催、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」、同開発目標(SDGs)や、LAC(ラ米・カリブ)域内の不平等是正などを討議し、閉会した。

 キューバは向こう2年間、CEPAL議長国を務める。CEPAL下部機関である「南南協力委員会」と「LAC諸国持続的開発フォーラム」の議長も務める。
 会議には各国・地域の経済関係閣僚のほか、ラ米から玖、ベネズエラ、ボリビア、エクアドールなどの外相も出席。ボリビアのフェルナンド・ウアナクニ外相は、「市場全球化や多国籍企業の関与拡大が進む今、国家の立場強化が不可欠だ」と強調した。

 8日の開会式にアントニオ・グテレス国連事務総長らと共に出席したミゲル・ディアスカネル玖国家評議会議長は開会演説で、「域内の不平等文化を変えるのが重要だ」と指摘した。
 同議長は、「不平等は植民地時代に根差し、特に先住民族、アフリカ系、子供、女性に影響を及ぼした」とし、「帝国主義、新自由主義、および多国籍企業に有利なマクロ経済政策に起因する」と分析。「多国籍企業は、人種、国別、都会と農村などの差別を深刻化した」とも述べた。

 また、「我らのアメリカ(LAC)は統合に向けてCELAC(ラ米・カリブ諸国共同体)を結成した。その2014年のハバナ首脳会議はLAC平和地域化宣言を採択した。平和なしに発展はなく、発展なくして平和はない」と明言した。

 さらに議長は、「メディア独占が進行、それを通じて(特定諸国・勢力が)消費主義、我々の実情とかけ離れた意思や価値観を押し付けている状況を考察すべきだ」と語った。
 議長は「少数者の富裕より多数者の福利を」とのホセ・マルティの言葉を引用しつつ、LAC統合、連帯、経済開発に取り組んでいきたいと述べ、演説を締めくくった。

 会議最終日の11日、米州ボリバリアーナ同盟(ALBA)加盟9カ国の外相らは会合。「ラ米進歩主義政権に対する内政干渉の攻勢が強まっている」との共通認識を踏まえ、べネズエラとニカラグアへの連帯を表明。米政府がモンロー教義を「再活性化」させているのを糾弾した。

 一方、ハンガリー訪問中のJMサントス・コロンビア大統領は11日ブダペストで、「我々(反マドゥーロVEN政権諸国)は、20日のVEN大統領選挙もその結果も認めない。早期政権交代のため圧力をかけている」と述べた。

 サントスはまた、「VENでは政権交代があるだろう。それが早くきて、VEN経済が良い政権の下で早急に回復するのを期待する」と語り、「世界最大の原油埋蔵量をもちながら国民が飢え、難民がコロンビアに66万人も来ている。原因はVEN政権の腐敗と悪政だ」と非難した。

 サントスの「選挙を認めない」と「政権交代」に触れた発言は、選挙でニコラース・マドゥーロ大統領が再選された場合、トランプ米政権が一方的軍事介入に踏み切る可能性を示唆したとも受け取られ、ベネズエラやALBAに懸念が広がっている。