コロンビア政府とゲリラ組織「民族解放軍」(ELN、兵力1500~2000人)の和平交渉第5段階は5月10日、ハバナで再開した。
交渉仲介国キューバのイバン・モラ代表は、2014年1月ハバナで開かれた第2回CELAC(ラ米・カリブ諸国共同体)首脳会議で、LAC(ラ米・カリブ)を平和地域にするという決議が採択されたことに触れ、和平合意達成に期待を表した。
JMサントス大統領は滞在中のベルリンで、次期政権が発足する8月7日までに和平最終合意に達するのは困難との見通しを明らかにしながらも、「次期政権に良い道筋を残してあげたい」と、ハバナ交渉の進展に期待を表した。
ELN首席代表のパブロ・ベルトゥラーンは、今年1月に終わった第1回停戦に次ぐ第2の、だが「堅固な停戦に漕ぎ着けたい」と表明。だが同代表は、2016年11月にFARCと和平合意した政府がその後、「合意事項を誠実に遂行していないことにELNは懸念を抱いている」とも口にした。
コロンビアでは今月27日、大統領選挙が、6月17日に決選投票がそれそれ実施される。世論調査では、極右アルバロ・ウリーベ前大統領の子飼いイバン・ドゥケ候補が決選で勝つ公算が大きいと見られている。
ベルトゥラーン代表は9日ハバナで、「選挙結果が気になる」と述べたが、「しかし和平交渉は選挙の争点ではない」と指摘した。
コロンビア政府のグスタボ・ベル首席代表も、新たな停戦を実施し、サントス政権末期までに最終合意に到達したい意志を表明した。コロンビアでは緑の党、民主軸、進歩主義党、自由党など中道・中道左翼陣営が和平交渉支持を打ち出している。
この和平交渉は17年2月に赤道国首都キトで始まったが、同年5月就任したレニーン・モレーノ赤大統領は先月、和平仲介国(交渉場所提供国)であることを止めた。
その結果、新たな貸座敷はFARC和平で実績のあるキューバと決まった。ELNはかつて、チェ・ゲバラの革命思想に共鳴するゲバリスト路線をとっていた。