2012年7月6日金曜日

元アルゼンチン軍政首班ホルヘ・ビデラに赤子奪取で禁錮50年の判決

▼▽▼亜国法廷は7月5日、軍政期(4代7年=1976~83年)に軍当局が組織的に若い両親を殺害して奪った赤子を軍人や警官らに与えた事件で、最初の軍政大統領ホルヘ・ビデラ退役陸軍中将(86)に禁錮50年を言い渡した。

▼拷問所として使われた海軍機械学校(ESMA=エスマ)を運営していた海軍の長だったオスカル・バニェク退役提督に40年、ESMA諜報部長だったホルヘ・アコスタに30年、サンティアゴ・リベロ退役将軍に20年の判決がそれぞれ下った。軍政最後の大統領だったレイナルド・ビニョーネ退役将軍(85)は15年だった。

▼赤子をもらいうけた夫婦の夫には15年、妻には5年が言い渡された。

▼この軍政時代には、わかっているだけで3万2000人が殺された。奪われた赤子は500~600人で、うち101人の真の身元が判明している。

▼裁判は、赤子(孫)を奪われた祖母たちが77年5月結成した「五月広場の祖母たちの会」のエステラ・デ・カルロット会長(81)らが、執念の調査活動を踏まえて15年前に提訴したのを受けて開始された。

▼法廷は、35件を調査し、審理してきた。カルロットは、判決全体に満足の意を表した。

▼ビデラは他の事件で、既に陸軍基地内で服役している。「8000人程度は死ぬべき運命にあった」と記すなど、まったく反省していない。