2014年3月16日日曜日

ベネズエラ大統領が米国に「高級平和委員会」設置を提案

 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は3月15日、カラカスでの軍民集会で演説し、米国に新しい両国関係を築くための「高級平和委員会」の設置を提案、ディオスダード・カベージョ国会議長に設置を任せた、と発表した。演説は、全国向け統一ラジオ・テレビ放送で中継された。

 マドゥーロは、これをバラク・オバーマ米大統領に呼びかける形で提案した。「大統領、人民から選ばれた、あなた同様アフリカ系の祖父母を持つ、この貧しい元バス運転手(マドゥーロ)は、<ゴルペ(クーデター)を認めるのか>と、あなたに問う」と切り出し、ベネスエラ反政府派幹部がワシントンで14日、米当局者と会った情報を把握していると述べた。

 続けて「平和のための話し合いを破壊するよう指示したのだろう。だが米国が介入してくれば、ヴェトナムよりもひどい状況になる。南米は米帝国の墓場になる」と、厳しい調子で警告した。

 そのうえで、「あなたに機会を与えよう。新しい両国関係、できればLAC(ラ米・カリブ)との21世紀の新しい関係を構築するため、委員会を設置しよう」と呼び掛けた。

 この委員会は、VEN米双方から高官1人ずつと南米諸国連合(ウナスール)代表1人の計3人で構成される。

 大統領はまた、「右翼学生指導部に対話を呼び掛ける。一時も早く政庁に来られたい」と、反政府行動の当事者に話し合いを求めた。同時に、野党連合MUDに無条件の対話をあらためて呼び掛けた。

 カベージョ国会議長は、大統領の要請を受けて、(2月12日以来の)一連の騒乱事件を解明し責任者を処罰するための「真実委員会」を18日設置する、と別途発表した。

 一方、ウナスール事務局長アリー・ロドリゲス(VEN人)は15日ブエノスイアレスで、「ベネスエラの石油資源がゴルペの陰謀の基にある。石油が欲しくてたまらない米国をはじめ諸外国も狙っている」と指摘した。また、「ウナスールは一致して民主防衛に賛成している」と強調した。