コスタ・リーカ大統領選挙の決選投票は4月6日に予定されているが、2月2日の第1回投票で得票率30%で2位につけた政権党・民族解放党(PLN、保守)のジョニー・アラヤ(サンホセ市長)は3月5日、決選進出を辞退した。
その結果、得票1位だった野党・市民行動党(PAC、中道左翼)のルイス・ソリース候補(55)が無投票で当選することになった。選管が認定すれば、次期大統領となり、5月8日政権に就く。
世論調査では、ソリース64%、アラヤ21%で、アラヤは勝ち目がないと判断し候補を下りた。背景には、この国初の女性大統領として期待されながら失政が目立ったラウラ・チンチージャ現大統領の不人気や、オスカル・アリアス前大統領から続くPLNの親米保守政策が飽きられたことが挙げられる。
ラ米諸国の大統領選挙で決選前に候補が降りた例としては、2000年のラ・ドミニカーナ(ドミニカ共和国)大統領選挙で得票2位のダニーロ・メディーナ(現大統領)、03年の亜国選挙1位のカルロス・メネム元大統領が記憶に新しい。
ペルーでは1990年選挙1位のマリオ・バルガス=ジョサが2位のアルベルト・フジモリに決選前、支持率で引き離され、降りようとしたが厳しく批判されて決選に臨み、敗北している。
コスタ・リーカのPACは、過去2度、大統領選挙でオトン・ソリース候補が敗れているが、別のソリースが決選なしで政権に就く方向となった。