2014年3月6日木曜日

ベネズエラ大統領がパナマとの国交断絶に踏み切る

 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は3月5日、チャベス廟での式典で演説し、パナマとの外交関係断絶と経済・通商関係凍結を決定した、と発表した。故ウーゴ・チャベス大統領に報告する形をとった。

 大統領は、パナマのリカルド・マルティネリ大統領を「(帝国主義=米国の)さもしい下部(しもべ)」と扱き下ろし、「ここはボリーバルの国だ。敬意を払うべきだ」と、激しい言葉をパナマに投げつけた。

 パナマ大統領は米州諸国機構(OEA)にベネスエラ問題を討議するよう大使会議開催を求め、これにより6日ワシントンで開催されることになった。マドゥーロは、5日午前の演説で、これに反発していた。

 パナマ国内では、マルティネリが分不相応な外交主導権を発揮した結果だと、大統領を批判する声が出ている。両国貿易は、パナマ運河カリブ海側のコロン市にある自由貿易地域を中心に行なわれてきた。これが凍結される。

 ベネスエラは10億ドルの債務を抱えており、両国間で返済交渉が進められていた。交渉も中断を余儀なくされる。

 パナマでは5月、大統領選挙が実施され、7月1日新政権が発足する。それまで関係回復は困難との見方が有力だ。

 マドゥーロは予想外の断交を打ち出したことにより「強い大統領」との印象を内外に与える効果を狙った。