2014年3月4日火曜日

ベネズエラ外相が国連人権理事会で政権打倒工作を糾弾

 ベネスエラのエリーアス・ハウア外相は3月3日、ジュネーブの国連人権理事会で演説し、「ベネスエラは、強国が政治的利益の推進手段として人権を用いるのに反対する」と述べ、「諸政府、諸国際機関が一方的に為す評価、圧力、判断を受け入れない」と強調した。

 外相はベネスエラが直面している暴力行為について、「合法政府を打倒するための攻撃だ。社会不安に起因するものではない。過去にも2002年(クーデター事件)、04年などの暴力があった」と指摘し、「国際社会は、政府打倒を狙う政治的、イデオロギー的な攻撃であることを理解すべきだ」と警告した。

 さらに、「強力なメディア工作を通じて我が国に心理戦争が組織的に仕掛けられている。内外民間メディアは、人権を主権国家政府を痛めつける道具として使っている諸政府の宣伝扇動機関になっている」と、メディアと欧米諸国などとの関係を糾弾した。

 抗議デモをする権利については、「絶対的なものではなく、平和的かつ丸腰(非武装)でなければならない。平和行動ならば民主的な人民参加の形態として促進され保障される」と語った。

 そのうえで、「最近の一連のデモにおける暴力事件は、訓練された暴力集団によって引き起こされている証拠がある。暴力集団は道路を遮断し、自動車や公共施設を破壊し、外国(人)を排斥しようとしている」と非難した。(この「外国(人)」はクーバを指す。)

 ハウアはまた、「ベネスエラは諸外国同様に治安や経済の問題を抱えている」と認め、「人権条約、メルコスールとウナスールの人権規約などを我が国は遵守する」と述べた。

 続けて「ニコラース・マドゥーロ大統領の政権は一貫して対話を促進してきた。平和国民会議(CNP)には広範な分野の人々が参加している。平和・平等を守るため尽力している我が国政府を支援するよう、国際社会に要請する」と呼びかけた。

 最後に、故ウーゴ・チャベス大統領が2012年12月8日に行なった最後の演説に触れ、「チャベス司令官は、いかなる状況下でも、憲法が定める新しい民主制度と、広範な参加を伴うベネスエラ型社会主義を建設するため、ボリバリアーナ革命を勝利に導かねばならない、と言った。これがマドゥーロ政権の立場だ」と説き、「それは平和に生きる人民の権利を保障することだ」と結んだ。