パリクラブは12月14日、対玖債権利子分85億米ドルを棒引きすると発表した。1980年以来、クーバは返済できずにいた。クーバは債務元本26億ドルだけを18年かけて返済することになった。
最大債権国はフランスで、利子分40億ドルを帳消しにした。元本は4億7000万ドルで、うち2億4000万ドルはクーバが現金で返済し、残りはクーバ国内での開発投資資金に回される。
パリクラブの対玖債権国は日本、カナダおよび欧州12カ国の計14カ国。クーバは1986年に返済停止に踏み切り、91年末にソ連が消滅してからは返済不能に陥っていた。
米国は、対玖経済封鎖を敷いてきたため、債権国には含まれていない。その米国のバラク・オバーマ大統領は14日、来年の訪玖希望をあらためて表明、数か月内に決めると述べた。だが大統領は、反体制派とも会うとし、「私はクーバの現状維持を強化するため訪玖はしない」と強調した。
マクリ保守・右翼政権になった亜国のスサーナ・マルコーラ外相は14日、オバーマ大統領がマクリ大統領への祝電で訪亜の可能性を示唆した、と明らかにしており、訪玖と訪亜が同時期になる公算が出てきた。
米玖間での問題点の一つは、米国が1966年から施行してきた、クーバ難民流出を促す「クーバ調整法」の扱い。同法が有効であるため、国交再開後も米移住を願うクーバ人の密出国が絶えない。同法が、米領土に一歩踏み入れたクーバ人には1年内に定住許可を与える、としているからだ。
最近、6000人のクーバ人がエクアドールに渡り、そこから北上してコスタ・リカ(CR)に到着、だがニカラグアが入国および国内通過を認めないため、6000人はCR国内で足止めを食らい、「難民問題」化している。13日ハバナ入りしたCRのルイス・ソリース大統領は15日、ラウール・カストロ議長と「6000人問題」で話し合う。
玖米間では11日、航空郵便・小包輸送再開が決まった。8日からはハバナで、相互に主張する賠償問題について話し合っている。クーバは経済封鎖による被害8337億ドルの賠償を要求。米国は、米市民6000人が要求している、クーバ革命後に接収された米資産総額80億ドルの賠償を求めてきた。
イタリアのMSCクルーズ社は今月18日、クルーズ船をハバナに入港させる。米カーニヴァル社は、経済封鎖緩和の動きを横目に、来年5月のハバナ入港を目指している。日本のNGOピスボートも来秋の入港を予定している。
クーバ蹴球協会(AFC)は14日、近日中にクーバ人サッカー選手の在外活動のための交渉を開始する、と明らかにした。
クーバにとって深刻なのは、ベネスエラ政権党が国会で野党連合MUDに絶対多数議席を握られたことで、同国からの原油優遇供給が止まる可能性があることだ。MUDは対玖優遇供給停止を公約している。
一方、シンガポール法廷は14日、2013年7月パナマ運河カリブ海側のコロンで発覚した北朝鮮貨物船のクーバ軍旧式武器類の無届輸送事件の責任は、この貨物船を運航していた北朝鮮の海事会社OMMを顧客とするシンガポールのチンポー海運会社に帰するとの判断を下した。
同社は、OMMに対し、積荷をパナマ運河通航に際し、正直に申請するよう求める義務を怠ったという。またチンポー社は、国連や米国による北朝鮮への経済制裁を認識していたとされる。同社が、北朝鮮の核開発計画に関与した可能性もあるという。