ボリビア国民投票(2月21日実施)でエボ・モラレス大統領の2019年大統領選挙出馬が不可能になったことから、政権党MAS(社会主義運動)内部で後継者を探す動きが出始めている。
MASの元上院議員サンドラ・ソリアーノは2月27日、後継者はモラレスの長女エバリス・モラレス(23)にすべきだ、と表明した。エバリスは大学法学部で弁護士になるため勉学中。
父親大統領派の若者の政治運動「エボ世代」の中心的活動家でもある。26日で発生後1年5カ月経ったメヒコ教員養成学校生43人強制失踪事件の43人への連帯運動を展開中。また、ボリビアの太平洋岸領土回復の悲願実現を支持するチレ人との連携などを遂行している。
これに対し、MASの上院議員レネー・ホアキーノ(元ポトシー市長)は27日、「政治家として最高位を志す。私にはその能力がある」と表明した。ホアキーノは2009年の大統領選壺前、モラレスの対抗馬になろうとしたことがある。
ホアキーノはまた、野党勢力からは、サンタクルース州知事ルベーン・アコスタ(社会民主運動)、政治首都ラパス市長フェリックス・パツィ(第3千年紀)、実業家サムエル・ドリア(国民連合)、カルロス・メサ元暫定大統領、ホルヘ・キロガ元暫定大統領らが出馬する可能性がある、と指摘した。
一方、モラレス大統領25日、後継者は選挙前年の2018年に決める、と言明した。モラレスは今回の敗北について、「一つの戦(いくさ)には敗れたが、戦争全体には負けていない」と述べた。
モラレスはさらに、国民投票の投票動向に影響を及ぼしたインターネットによる「愛人醜聞情報」の伝達を念頭に、「社会メディアを尊重するが、嘘偽りの悪宣伝は規制すべきだ」と述べ、政府が規制措置の検討に入ったことを示唆した。
モラレスはコカ葉栽培労働者全国組織の最高指導者でもあるが、27日開かれた第15回ユンガス-チャパーレ(コカ葉生産)伝統地域特別連合会議」で演説、「大統領任期は4年近く残っているが、大統領罷免の是非を問う国民投票を実施してもいい」と述べた。この国民投票の実施可能性はないが、実施されれば勝つとの自信を示した発言で、敗北後の強がりだろうか。
内務省は26日、モラレスの元愛人ガブリエーラ・サパタを逮捕、「愛人の地位」を利用して、自身が重役を務める中国系企業CAMCが政府発注事業を獲得したか否かなどを取り調べている。
ボリビアには中国企業約70社が進出、鉱業、土建などに参入している。