故ウーゴ・チャベス前大統領のかつての盟友ら42人が3月2日、公開書簡でニコラース・マドゥーロ現大統領に辞任を要求した。身内のチャビズモ(チャベス派)からの辞任要求で、マドゥーロ政権の混迷は一層深まることになった。
明後日5日は、チャベス歿3周年記念日で、5~6日に盛大な追悼行事が予定されている。書簡は3周年直前に発表された、チャベスが陸軍中佐だった1992年2月4日に起こして失敗した軍事クーデター(4F)に参加した元軍人らも書簡に名を連ねている。
書簡は、「ベネスエラは史上最悪の危機の一つに直面しており、政治・社会・経済・文化・倫理の危機的状況に鑑み、大統領が責任を果たせないならば早急に辞任するよう要求する」と厳しい。
「専横的政治が無政府状態、社会的没価値状態、庶民政治、国家制度解体状況をもたらしている」とし、「無能はもう十分だ」と辞任を強く促している。
これまで、国会で3分の2に近い圧倒的多数の議席を占める野党連合MUDがマドゥーロ退陣を要求してきたが、チャベス派内部からその要求が公然と出されたのは初めて。
書簡は、「憲法に基づき辞任がなされ、国民連合政権を樹立すべきだ」とも主張している。
また、マドゥーロが「鉱業・石油・天然ガス産業軍事会社」(CAMIMPEG)設立方針を打ち出したことに対し、書簡は疑問を呈している。政府は新制度、新省庁などの設立を相次いで決定してきたが、その多くは実行されず、されても機能せず、また、朝令暮改で消滅してきた。
大統領はチャベス死去3周年に際し演説する予定で、問題の書簡にどう回答するかに関心が集まっている。