今月23日以降に調印される可能性のあるコロンビア内戦終結協定の実施に備え、国連は2日、ボゴタで準備を開始した。国連のコロンビア駐在代表が明らかにした。
国連は1月25日の安保理決議に基づき、ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)に委ねて、和平協定調印後の政府軍とゲリラFARC(コロンビア革命軍)の相互停戦、FARC要員の集結、その武装解除、停戦監視・検証などの任務を遂行する。
CELAC加盟33カ国のうち、コロンビアと国境を接するベネスエラ、ブラジル、ペルー、エクアドール、パナマの5カ国は任務から外れる見通し。
この国連CELAC監視団は協定調印から30日以内にコロンビア各地に展開する。少なくとも1年間活動し、必要ならば任務は延長される。
和平交渉地ハバナでは2日、政府とFARCは交渉最終段階の会合を再開した。この会合は2月、FARC交渉団首席イバン・マルケスらがコロンビア北東部のラ・グアヒーラ州内のFARCキャンプでゲリラ部隊への交渉報告会を開いた際、マルケスが協定の承認は制憲議会開設をもって新憲法制定過程と併せて行なうべきだと演説したことからサントス政権を怒らせ、中断していた。
双方は2月27日ハバナで話し合い、会合再開で一致した。政府(検察庁)は2月29日、和平反対派のアルバロ・ウリーベ前大統領の実弟サンティアゴを殺人容疑などで逮捕したが、これもFARCとの了解事項。
イバン・マルケス首席は2日ハバナで、FARCは協定調印に漕ぎつける、と和平実現の意志を再確認した。
一方、JMサントス大統領はウリーベ兄弟ら右翼・保守勢力を念頭に同日ボゴタで、「政治的理由から和平に反対する者がいるが、国民投票で彼らを打ち破らねばならない」と強調した。政府は、協定は国民投票によって承認する、との立場をとり続けている。
この制憲議会か国民投票かという対立点は最終局面での重要な交渉課題の一つだ。FARCが武装解除と復員のため国内数カ所に集結した後、その安全をいかに保障するかも重要問題だ。
マリーア・オルギン外相は2日、ジュネーブでの国連人権理事会で演説、「和平交渉は最終段階にあるが、前例のない成果を挙げてきた。5つの議題のうち4つで合意済みだ」と述べた。
だが世論調査では、和平協定が3月23日の予定日に調印されるか否かで、76%が危ういと回答、20%が可能と回答した。調印日は23日以降にずれ込む公算が大きくなりつつあると見られている。だが依然、この日付は双方にとって努力目標だ。
別件だが、共和国銀行(中銀)は2日、10万ペソ札を3月31日に発行すると発表した。1960年代末のカルロス・ジェラス=レストレポ大統領(故人)の肖像が描かれている。
年内には、5万ペソ札(故ガブリエル・ガルシア=マルケスの肖像入り)、2万ペソ札(故アルフォンソ・ロペス=ミケルセン大統領)、1万ペソ札(故ビルヒニア・グティエレス=人類学者)、5000ペソ札(故ホセ・シルバ=詩人)、2000ペソ札(故デボラ・アランゴ=画家)も発行の予定。
10万、5万などの高額札発行は、年末実施予定のデノミネーション(通貨切り下げ)に備えての措置。