ボリビア副内相(治安・警察担当)ロドルフォ・イヤネスが8月25日、鉱山労働者に殴打され殺された。全国鉱山協同組合連合(FEDECOMIN、150組合加盟)は、モラレス政権が施行した改訂労組法に反対、ラパス州内で自動車道を遮断するなどして抗議行動を展開していた。
組合側は同日、政治首都ラパスのあるラパス州南部のパンドゥーロでイヤネス副内相を拉致、人質とし、組合員が新たに死ねば殺すと公言していた。今回の闘争で組合員一人が死亡していたが、25日、また一人が死亡。組合側は副内相を拷問した末に殴り殺した。
警官隊と組合側は自動車道で対峙。組合側はさらに自動車道脇の丘の上に陣取り、時折ダイナマイトを投げていた。警官隊は催涙弾を数多く発射していたが、混乱の中でなされた発砲で組合員2人が死んだ。
副内相の遺体は26日未明、政府に引き渡された。警察は組合員約50人を逮捕、副内相殺害に関与した鉱夫らの特定を急いでいる。組合員らは民間資本との協働認可を求めていたが、政府が拒否したため、闘争に出ていた。
★ラ米短信 阪本順治監督、オダギリジョー主演の日本キューバ合作映画「エルネスト」の日本での撮影は8月24日終了、キューバ側チームは25日、帰国の途に就いた。
阪本監督ら日本側チーム約30人は28日ハバナに向かい、既に現地入りしているオダギリジョーらと合流。撮影は10月半ばまで続く。
この映画は、チェ・ゲバラの部下としてボリビア山中で戦い、1967年8月31日処刑された日系ボリビア人青年フレディ・マエムラ(前村)=ウルタードの半生を描く。フレディの姉、故マリー・マエムラ=ウルタード・デ・ソラーレスらが書いた『革命の侍』(松枝愛訳、2009年、長崎出版)を基にしている。
映画は、チェ・ゲバラ処刑50周年の2017年10月9日の時期に合わせて公開される。日本での場面以外は、台詞はすべてスペイン語。フレディ訳のオダギリジョーは西語の特訓を受けてきた。