コロンビア政府とFARCは8月24日ハバナで、内戦の最終和平合意に至り、ウンベルト・デラカージェ政府首席代表とイバン・マルケスFARC首席代表が合意書に調印した。
調印式では、中央にブルーノ・ロドリゲス玖外相、その両側に両首席代表と、和平交渉保証国のクーバとノルウェーの代表が並んだ。交渉同伴国のベネスエラ、チレ両国、交渉関与国の米国、欧州連合(EU)などの代表も出席した。
コロンビアではJMサントス大統領がテレビ演説し、和平合意文書を25日国会に送付、承認されれば10月2日(日)に国民投票にかけると述べた。
ハバナではFARCのイバン・マルケス司令が演説、「我々は最も美しい戦闘=和平という戦闘に勝った」と強調。2012年11月以来のハバナ交渉で、農村改革、政治参加、麻薬問題、内戦犠牲者(救済)、和平の5点で合意に達したと振り返った。
マルケスはさらに、和平を妨害する極右準軍部隊(武装組織犯罪集団)の取締りと解体でも合意したとし、準軍部隊が和平実現にとって癌であることを指摘。
米国に対しては、「長年、コロンビア内戦で政府側について対ゲリラ戦を支援してきたが、和平を支援し続けてほしい」と注文を付けた。また、もう一つのゲリラ組織「民族解放軍」(ELN)が和平に漕ぎつけるのを望む、と語った。
1960年以来続いてきたコロンビア内戦では、死者23万、行方不明者7万人、国内避難民650万人など夥しい数の被害者、犠牲者が出た。和平によって、ラ米・南米に残る「最後の冷戦構造」が終わることになる。
★ラ米短信 ブラジル国会上院は8月25日、ヂウマ・ルセフ大統領(停職中)の弾劾裁判最終審理過程に入った。31日までに判決が下る見通し。最高裁長官リカルド・レワンドウスキが弾劾法廷の裁判長を務めている。
▼ラ米短信 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は8月24日、2013年3月5日癌で死去したウーゴ・チャベス前大統領の人生を描く国産映画を製作する、と発表した。
米映画会社がチャベスの生き方を歪曲した映画を製作するのが確かであるのに鑑み、綿密な考証を重ねて国産する、と述べた。