2016年11月27日日曜日

フィデル・カストロ前議長の遺骨は12月4日埋葬へ

 クーバ政府は11月26日、前夜死去したフィデル・カストロ前国家評議会議長の国葬日程を発表した。フィデルの遺言により、遺体は火葬する。26日から12月4日までの9日間を国喪に服す。28日から2日間、ハバナの革命広場にあるホセ・マルティ記念館に遺骨は安置され、人民の弔問を受ける。

 30日、遺骨は国内を東部に向けて移動、12月3日サンティアゴデクーバのアントニオ・マセオ広場で告別式が挙行される。4日、同市内の聖母イフィヘニア墓地に埋葬される。この墓地にはホセ・マルティ廟や、革命の戦いで死去した殉死者ら英雄たちの墓がある。葬儀委員会は、ラウール・カストロ議長以下、革命体制の最高指導部で構成されるもよう。

 サンティアゴ市は歴史的に反逆者や革命家が生まれた地であり、フィデルの生まれ故郷や、フィデルが革命戦争の指揮を執ったマエストラ山脈に近い。

 フィデルは8月13日、90歳となり、その後、イラン、ポルトガル、日本(安倍首相)、中国、アルジェリアの首脳を自邸に迎えた。最後に面談した外国首脳は、11月15日のヴェトナム元首だった。

 世界中から弔意が寄せられている。ラ米関係を挙げれば、最重要同盟国ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は、「フィデルは任務を完遂した。安らかに平和に飛び去ってください。私たちはあなたとチャベスの旗印の下で尊厳と自由を人民のために取り戻す任務を遂行してゆく」と述べた。

 ボリビアのエボ・モラレス大統領は、「フィデルへの最良の敬意表明は、世界人民の団結を図ること。彼が帝国主義と資本主義に抵抗しことは決して忘れない」。エクアドールのラファエル・コレア大統領は、「巨人が逝ってしまった。フィデルは、もう一つのよりよい世界が可能なことを示した。大なる祖国を築くことこそが最良の敬意表明となる」。

 ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領はクーバに連帯し、9日間の国喪を宣言。「フィデルはクーバ革命を指導しただけでなく、クーバに留まることなく、世界各地で約束を果たすべく、諸国人民の解放に尽力した」と強調した。1979年7月オルテガらが勝利したニカラグア・サンディニスタ革命を支援したのもフィデルだった。

 ホセ・ムヒーカ前ウルグアイ大統領は、「フィデルは時代の息子だった。キホーテ(ドン・キホーテ)級の大きな存在だった。世界最大の強国と対峙しつつ、長らく歴史を生きたからだ。当時(米帝国に対し)勇気、決意、抵抗力を持つことは並大抵のことではなかった」。

 コロンビアのゲリラ組織FARCのロドリーゴ・ロンドーニョ最高司令は、「フィデルは常にコロンビア内戦を政治的に解決するよう働きかけてくれた。新最終和平合意は最良の敬意表明となるだろう。フィデルの最後の呼び掛けである<人類は自殺しつつあり、道を正さねばならない。地球上で人類という種の生存を保障する方式を探らねばならな>の言葉を抱き続けたい」。