2018年4月16日月曜日

 「米州人民サミット」が宣言で、米国の対メキシコ政策やシリア爆撃を糾弾▼11月末のG20首脳会議時にブエノスアイレスでの次期会合を呼び掛け▼べネズエラの首都の1地区で独自通貨が流通開始

  第8回米州首脳会議と並行してリマ市で4月10~14日開かれた「米州人民サミット」は14日、「最終宣言」を発表した。この会合は、ペルーの「全国闘争統一司令部」(CNUL)、およびペルー労働者総連合(CGTP)が主催した。

  宣言の要旨は次の通り。

 第8回米州首脳会議は、米州域内での覇権奪回を狙う新保守主義の意志の表れだった。人民サミットは、新自由主義に対抗するため社会的連帯を促進する目的を持つ。我々は:

 労働者の権利と労働条件を守る。

 社会福祉予算を減らす緊縮財政政策を糾弾する。

 年金制度の民営化に反対する。

 多国籍大企業に利し人民の利益に反する自由貿易協定と投資保護条約を糾弾。

 実際に耕作する先住民族と農民の土地権を守る。

 男性優位主義に反対し、性の違いに拘わらぬ平等主義確立のために闘う。

 社会的抗議活動を犯罪として扱うのを糾弾。

 資源抽出経済を糾弾。 

 資本と組んで愚民化を謀る宗教的原理主義と闘う。

 ラ米の進歩主義政治家を迫害するために司法制度を用いるのを糾弾。

 元伯大統領ルーラに連帯。マルティ、チェ・ゲバラ、フィデル、ラウール、英雄的キューバ人、栄光のキューバ革命に連帯。米国による対玖経済封鎖の破棄とグアンタナモ基地の返還を要求。

 べネズエラ・ボリバリアーナ革命に連帯。ニコラース・マドゥーロ大統領を支持。

 エボ・モラレス大統領率いるボリビア革命に連帯。ボリビアの「海への出口」問題の平和解決をボリビアとチリの人民に要請。

 エクアドールのラファエル・コレア前大統領が為した市民革命の成果の回復を求める。

 人種主義・外国人排斥主義者トランプ米大統領の国境の壁建設など対墨政策を糾弾。

 ハイチで疫病をはやらせ強姦し殺人を犯した国連派遣部隊を糾弾。

 長期刑に服したプエルト・リコのオスカル・ペレス=リベラに挨拶を送る。

 ホンジュラスの活動家ベルタ・カセレス殺害事件断罪を要求。不正選挙で「再選」されたホセ・エルナンデス大統領を糾弾。

 コロンビア和平とELNの和平交渉を支持。囚われている元FARC幹部の釈放を要求。人権活動家300人の最近の暗殺を糾弾、コロンビア政府に活動家保護を要求。

 マクリ大統領による新自由主義の強襲に抵抗する亜國人民に連帯。政治囚ミラグロ・サラ解放を要求。2017年に拉致され殺害された人道犯罪証人サンティアゴ・マルドナードのことを忘れない。

 米帝によるシリア爆撃を糾弾。域内各国の米大使館への抗議行動を呼び掛け。

 ブエノスアイレスで11月30日~12月1日開かれるG20首脳会議時に同市で再開しよう。「反G20女性フォーラム」開催を呼び掛け。

 本人民サミットを連帯確認、抵抗経験交換、闘争議題調整、進歩主義・左翼の人民・社会運動の統合化を図る場として認識する。

▼カラカスの中心区で地域通貨流通開始
  
 ベネズエラ首都カラカス市の中心リベルタドール地区のエリカ・ファリーアス区長は4月15日、同区内エル・パライソ地区の公設市場で、地域通貨「エル・カリーベ」(カリブ海)紙幣を流通させた。
 額面は5,10、20、50、100の5種類。1カリーベは、通貨1000ボリーバルに相当する。
 これを使用できるのは、同区、政権党PSUV、CLAP(供給・生産地区委員会)、漁業・農業省、食糧・都市農業省が認可する公設市場のみ。
 この日、エル・パライソ公設市場では、野菜、果物、鶏肉、牛肉、魚、米、玉蜀黍粉、清掃具、衛生用品などが販売された。
 エル・カリーベには、通貨ボリーバルの国外持ち出し取締り、超インフレ抑制、ボリーバル紙幣の札束携帯の簡素化に役立つと、ファリーアス区長は語っている。