ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は3月14日記者会見し、オバーマ米政権が共和党とマイアミ右翼勢力の人質となってベネスエラ政府打倒の先頭に立っている事実が明白になった、と米政府を糾弾した。
これはジョン・ケリー国務長官が13日、ベネスエラに対する<制裁>発動の可能性を示唆したのを受けたもの。米国は、反政府勢力が恣にしている破壊活動に言及せずベネスエラ政府の弾圧を取り上げ「人権」を理由に介入しようとしている。米国に<制裁>する権利はない、とラ米の大勢は見ている。
ラ米は、「主権絶対主義」で対応してきた。先の米州諸国機構(OEA)大使会議が29対3の圧倒的多数で、ベネスエラ政府を支持し、南米諸国連合(ウナスール)外相会議もベネスエラ政府の立場を慮った対応をしている。米政府は、外交上の強い欲求不満に陥っているわけだ。
米政府は、ラ米で最も緊密な同盟国コロンビアに対ベネスエラ戦略で協同を働き掛けてきた。同国のボゴタを主要拠点とするアビアンカ航空は13日、ベネスエラ便の便数削減、座席削減、路線停止措置を決めた。これについてマドゥーロは、「一度出て行った航空会社は我々の政権がある限りベネスエラに復帰できない」と述べ、非難した。
エリーアス・ハウア外相も14日、ケリーを名指しして、「貴殿をベネスエラ人民の殺害者として糾弾する」と発言した。
この裏には、米連邦議会(国会)に13日、民主・共和両党議員が、ベネスエラ反政府勢力に1500万ドルを提供する法案を提出した事実がある。ジュネーブ滞在中のルイサ・オルテガ検事総長は、「米国は騒乱に融資しようとしている」と非難した。
またミゲル・ロドリゲス内相は14日、反政府派狙撃手が12日、国家警備隊(GNB)大尉を撃ち殺した事件を挙げて、彼らの街頭行動は反乱段階に移行した、と指摘した。
一方、カラカス、バレンシア、メリダなど8市の商業会議所は14日連名で声明を発表し、「21世紀型社会主義は憎悪、分裂、怨恨を広めた。市民は政府に諫言する方法がないため、街頭行動に出た」と表明した。