ブラジル大統領に現職のヂウマ・ルセフが再選された。10月26日実施の決選投票で労働者党(PT)のルセフは、開票率99%強の段階で得票率51・58%で、ブラジル民社党(PSDB)のアエシオ・ネヴェス(48・42%、上院議員)を破った。
決選はいつにない接戦で、選挙戦終盤にルセフが優勢になった。これに対しネヴェス陣営は、決選前日の25日までメディアを使ってルセフ失墜工作をする形振り構わぬ汚い戦術に出た。
ルセフ勝利で、2003年にルイス・ルーラ大統領によって始まったPT政権は、来年15年から19年までさらに4年続くことになった。弱肉強食の新自由主義経済路線に社会政策と進歩主義外交を加えた「ポスト・ネオリベラリズモ」ないし「改良型新自由主義」がまだ必要だと有権者の過半数が判断した。
元大統領タンクレード・ネヴェスの孫アエシオは新自由主義路線で、富裕層、中産上層、大手メディア、大企業、大土地所有者、米企業から支持されていた。
ルセフ再選で、ラ米の左翼ないし中道左翼の政治の潮流は維持強化された。
一方、同日実施のウルグアイ大統領選挙は予想通り、政権党・拡大戦線(FA)のタバレー・バスケス前大統領(44%)と、国民党(PN)のルイス・ラカージェ(32%)が、11月30日実施の決選に臨むことになった。