地人会新社がこの盛夏と初秋に演劇を贈る。一つは、毎夏恒例の「この子たちの夏」、もう一つは「テレーズとローラン」である。
◎「この子たちの夏」(構成・演出 木村光一、舞台監督 井川学)
8月13日(土)1300および1700、14日(日)1400。世田谷パブリックシアターで。問い合わせ 03ー3478ー2189。
出演:13日;一路真輝、かとうかず子、島田歌穂、西山水木、根岸季衣、原日出子。
14日;かとうかず子、古村比呂、島田歌穂、高橋紀恵、床嶋佳子、原日出子。
★被爆者の遺稿、書簡など資料の中から「母と子」の題材に絞って選んだ原稿を、女優たちが読み上げる朗読劇。私は過去2回観たが、被爆・被曝の集団的記憶を風化させないために何年かに一度観ることにしている。
◎「テレーズとローラン -あるいは愛の終わり、愛の始まり」(原作 エミール・ゾラ、作・演出 谷賢一)
9月9日(金)~19日(月)。 池袋の東京芸術劇場シアターウエスト。問い合わせ 03ー5912ー0840。
出演:木場勝己、奥村佳恵、銀粉蝶、浜田学。
★原作はゾラ『テレーズ・ラカン』。肉欲の果ての、殺人果ての殺人、後悔と恐怖、すれ違う愛の形。欲と利己主義から溢れ出す「究極の愛」とは。これは是非とも観たい。
☆地人会新社 03ー3354ー8361。
2016年8月11日木曜日
2016年8月8日月曜日
ブエノスアイレスで労働者が反マクリ大規模抗議デモ
マクリ新自由主義右翼政権が支配するアルヘンティーナで8月7日、生活苦、政治的圧迫感、弾圧に抗議する労働者ら市民が、労働者の守護聖人「聖カジェターノ」の日に因み、聖カジェターノ教会から、大統領政庁(カサ・ロサーダ)前の五月広場までブエノスアイレスを15km行進、同広場で抗議集会を開いた。
共催した「決起するバリオ(地区)」(BDP)、「階級闘争派」(CCC=トゥリプレ・セ)、「人民経済労働者連盟」(CTEP=セテップ)の発表では、10万人が参加した。
参加者は、「平和、パン、土地、住宅、働き口」と書かれた巨大な横断幕を先頭に、さまざまな訴えや要求を書いたプラカード、旗、チェ・ゲバラ像などを掲げ行進した。
人々はメディアのインタビューに対し、年金生活者の苦しさ、若者の失業の深刻さ、マクリ政権のペロン派左翼弾圧などで抗議の声を挙げた。ある高齢の労働者は、「反政府の世論がこれだけ拡がっていることを行動で見えるように示さねば」と、デモ行進の意義を強調した。
マクリ政権の司法当局からクリスティーナ・フェルナンデス前大統領が公金横領罪などで追及されているが、「市民連立」党首エリサ・カリオー下院議員は7日、ダニエル・シオーリ前ブエノスアイレス州知事が知事時代に公金を横領した可能性があると公言。新たな汚職問題として浮上しつつある。
シオーリはフェルナンデス前大統領の後継候補として昨年の大統領選挙にペロン派キルチネル路線から出馬。第1回投票で1位になったが、決選でペロン派右翼を取り込んだ前ブエノスアイレス市長マウリシオ・マクリに敗れた。
マクリは5日、リオ五輪開会式出席時、リオデジャネイロでテメル伯大統領代行、カルテス・パラグアイ大統領と会談、南部共同市場(メルコスール)輪番制議長にベネスエラが就任するのを阻止する方針で一致した。
これに対し、ベネスエラのデルシー・ロドリゲス外相は「3国同盟の陰謀は許さない」と非難、カラカスの外務省にメルコスール旗を掲げ「議長国就任」を演出した。だが就任に賛成しているのはウルグアイだけで、就任は認められていない。
亜伯パラグアイ3国は、加盟国に認められている拒否権をベネスエラから剥奪することも話し合った。ベネスエラが議長国になるのに反対する理由は、同国が域内関税取り決めに完全には参加していないこと、同国の人権や言論の自由が「危機に瀕している」ことなど。
だがブラジルは、ヂウマ・ルセフ合憲大統領を弾劾する「制度的クーデター」の真っ最中で、その首謀者の一人がテメル代行だ。またパラグアイでは2012年にフェルナンド・ルーゴ合憲大統領を、カルテスの政権党コロラード党が「国会クーデター」で追放している。さらにマクリは「パナマ文書」醜聞に関与、公務員大量馘首や左翼弾圧で評判が芳しくない。
こんな時、加盟国でないエクアドールのラファエル・コレア大統領は、「メルコスールにはアルファベット順に議長国が決まる制度があり、ウルグアイの次はベネスエラに決まっている」と述べ、反対する3国に疑問を呈した。
共催した「決起するバリオ(地区)」(BDP)、「階級闘争派」(CCC=トゥリプレ・セ)、「人民経済労働者連盟」(CTEP=セテップ)の発表では、10万人が参加した。
参加者は、「平和、パン、土地、住宅、働き口」と書かれた巨大な横断幕を先頭に、さまざまな訴えや要求を書いたプラカード、旗、チェ・ゲバラ像などを掲げ行進した。
人々はメディアのインタビューに対し、年金生活者の苦しさ、若者の失業の深刻さ、マクリ政権のペロン派左翼弾圧などで抗議の声を挙げた。ある高齢の労働者は、「反政府の世論がこれだけ拡がっていることを行動で見えるように示さねば」と、デモ行進の意義を強調した。
マクリ政権の司法当局からクリスティーナ・フェルナンデス前大統領が公金横領罪などで追及されているが、「市民連立」党首エリサ・カリオー下院議員は7日、ダニエル・シオーリ前ブエノスアイレス州知事が知事時代に公金を横領した可能性があると公言。新たな汚職問題として浮上しつつある。
シオーリはフェルナンデス前大統領の後継候補として昨年の大統領選挙にペロン派キルチネル路線から出馬。第1回投票で1位になったが、決選でペロン派右翼を取り込んだ前ブエノスアイレス市長マウリシオ・マクリに敗れた。
マクリは5日、リオ五輪開会式出席時、リオデジャネイロでテメル伯大統領代行、カルテス・パラグアイ大統領と会談、南部共同市場(メルコスール)輪番制議長にベネスエラが就任するのを阻止する方針で一致した。
これに対し、ベネスエラのデルシー・ロドリゲス外相は「3国同盟の陰謀は許さない」と非難、カラカスの外務省にメルコスール旗を掲げ「議長国就任」を演出した。だが就任に賛成しているのはウルグアイだけで、就任は認められていない。
亜伯パラグアイ3国は、加盟国に認められている拒否権をベネスエラから剥奪することも話し合った。ベネスエラが議長国になるのに反対する理由は、同国が域内関税取り決めに完全には参加していないこと、同国の人権や言論の自由が「危機に瀕している」ことなど。
だがブラジルは、ヂウマ・ルセフ合憲大統領を弾劾する「制度的クーデター」の真っ最中で、その首謀者の一人がテメル代行だ。またパラグアイでは2012年にフェルナンド・ルーゴ合憲大統領を、カルテスの政権党コロラード党が「国会クーデター」で追放している。さらにマクリは「パナマ文書」醜聞に関与、公務員大量馘首や左翼弾圧で評判が芳しくない。
こんな時、加盟国でないエクアドールのラファエル・コレア大統領は、「メルコスールにはアルファベット順に議長国が決まる制度があり、ウルグアイの次はベネスエラに決まっている」と述べ、反対する3国に疑問を呈した。
2016年8月6日土曜日
キューバ中部で「良質油の油田発見」と豪社が発表
クーバ中部北海岸地方で4年前から油田探査を続けてきた豪石油会社MEOは8月4日、マタンサス、ビージャクラーラ両州にまたがる「第9開発地域」に良質の油田があることがわかった、と発表した。深さ2000~3500mの地中にあり、埋蔵量は80億バレル。
玖政府は2日、ハバナのホセ・マルティ国際空港の改造工事の請負に関し仏企業と交渉中、と明らかにした。
▼ラ米短信 ウルグアイ国防相エレウテリオ・フェルナンデス=ウイドブロ(74)が8月5日、モンテビデオの国軍病院で肺の病のため死去した。
ゲリラ組織「民族解放運動-トゥパマロス」(MLN-T)創設者の一人で、1970年代、ゲリラ司令として戦った。1999~2011年、政党「拡大戦線」(FA)所属の上院議員を務め、ホセ・ムヒーカ前大統領のFA政権で国防相になった。タバレー・バスケス現FA政権でも国防相に留任していた。ムヒーカとはゲリラ時代からの盟友だった。
▼ラ米短信 ジョン・ケリー米国務長官は8月4日、亜国を訪問、マウリシオ・マクリ大統領に、亜国軍政期にブエノスアイレスの米大使館と国務省の間で遣り取りされた公電など外交文書4000点を手渡した。
今年3月、バラク・オバーマ大統領が訪亜した折、亜国軍政期の解禁された米外交文書を引き渡すことが決まった。今回の4000点は2002年に解禁された文書が中心。引き渡しは今後も続く。
ケリー長官はまた、マクリ政権が決めたシリア難民3000人の受け入れ計画に米国が協力することを明らかにした。
長官は亜国外相との共同記者会見で、ベネスエラ情勢に触れ、「米国はベネスエラ当事者間の対話を深く懸念している」と述べた。長官は5日のリオ五輪開会式に出席する。
一方、亜国法廷は4日、「五月広場の母たちの会」のエベ・デ・ボナフィニ会長を「公金横流し」の疑いで逮捕することを決定。逮捕状執行者が同会本部に向かったが、会長を支持する大群衆に阻止された。
同会は、ペロン派の前政権下で労働者向けの住宅建設計画に携わっていたが、その建設資金を「不正流用」した容疑が会長にかけられている。
▼ラ米短信 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は8月5日、原油価格安定化のため、石油出国機構(OPEC)加盟国と、非加盟産油国との会合を提案する、と明らかにした。
一方、デルシー・ロドリゲスVEN外相は4日、ケリー長官のブエノスアイレスでのVENに関する発言について、「無礼な内政干渉」と糾弾した。
玖政府は2日、ハバナのホセ・マルティ国際空港の改造工事の請負に関し仏企業と交渉中、と明らかにした。
▼ラ米短信 ウルグアイ国防相エレウテリオ・フェルナンデス=ウイドブロ(74)が8月5日、モンテビデオの国軍病院で肺の病のため死去した。
ゲリラ組織「民族解放運動-トゥパマロス」(MLN-T)創設者の一人で、1970年代、ゲリラ司令として戦った。1999~2011年、政党「拡大戦線」(FA)所属の上院議員を務め、ホセ・ムヒーカ前大統領のFA政権で国防相になった。タバレー・バスケス現FA政権でも国防相に留任していた。ムヒーカとはゲリラ時代からの盟友だった。
▼ラ米短信 ジョン・ケリー米国務長官は8月4日、亜国を訪問、マウリシオ・マクリ大統領に、亜国軍政期にブエノスアイレスの米大使館と国務省の間で遣り取りされた公電など外交文書4000点を手渡した。
今年3月、バラク・オバーマ大統領が訪亜した折、亜国軍政期の解禁された米外交文書を引き渡すことが決まった。今回の4000点は2002年に解禁された文書が中心。引き渡しは今後も続く。
ケリー長官はまた、マクリ政権が決めたシリア難民3000人の受け入れ計画に米国が協力することを明らかにした。
長官は亜国外相との共同記者会見で、ベネスエラ情勢に触れ、「米国はベネスエラ当事者間の対話を深く懸念している」と述べた。長官は5日のリオ五輪開会式に出席する。
一方、亜国法廷は4日、「五月広場の母たちの会」のエベ・デ・ボナフィニ会長を「公金横流し」の疑いで逮捕することを決定。逮捕状執行者が同会本部に向かったが、会長を支持する大群衆に阻止された。
同会は、ペロン派の前政権下で労働者向けの住宅建設計画に携わっていたが、その建設資金を「不正流用」した容疑が会長にかけられている。
▼ラ米短信 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は8月5日、原油価格安定化のため、石油出国機構(OPEC)加盟国と、非加盟産油国との会合を提案する、と明らかにした。
一方、デルシー・ロドリゲスVEN外相は4日、ケリー長官のブエノスアイレスでのVENに関する発言について、「無礼な内政干渉」と糾弾した。
2016年8月5日金曜日
オルテガ・ニカラグア大統領の後継者は夫人ムリージョ
ニカラグアでは11月6日、次期大統領選挙が実施される。出馬登録は8月1~2日で、6人の出馬が決まったが、連続3選を狙うダニエル・オルテガ現大統領(70)が副大統領候補に据えたのは何と、妻ロサリオ・ムリージョ(65)だった。
他の5候補は泡沫的候補であり、オルテガ組の当選は固い。オルテガは1986~90年、サンディニスタ革命政権の大統領を務めたが、90年の選挙に敗れて野に下り、2006年の選挙で返り咲いた。
2007年1月から2期10年を務めつつあり、来年からは連続3期、通算4期目の任期に入る。オルテガが夫人を副大統領候補にしたのは、自らの健康不良によるところが大きい。当面の後継者を妻に決めたことになる。
ムリージョは異色の詩人で、1969年にサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)に参加。オルテガと再婚、2007年に大統領夫人となってから権力の半分を握ってきた。今回、「女性国民の代表として副大統領候補になる」と宣言した。
内外でたちまち批判非難が渦巻きだし、ビクトル・ティノコ元副外相は、「サンディニスタ革命が1979年に倒したソモサ家3代42年間の独裁の再来」と酷評している。
ティノコはFSLN分派の左翼党「サンディニスタ改進運動」(MRS)の国会議員だったが、7月29日、国会から追放された。
ラ米では、亜国の1973年大統領選挙でフアン・ペロンと夫人イサベルが正副大統領に当選、74年ペロンが死去しイサベルが大統領に昇格した。また21世紀になってからペロン派のネストル・キルチネル大統領に続いて、妻のクリスティーナ・フェルナンデスが2期大統領を務めた。
パナマでは、故アルヌルフォ・アリアス大統領の妻ミレイヤ・モスコーソが大統領になった例がある。グアテマラとオンドゥーラスでは大統領経験者の妻が大統領選挙に出馬し、落選している。
別件だが2日、ニカラグア湖を小舟で渡ろうとしていたアフリカ人不法移民8人が水死した。米国行きを目指し、コスタ・リカから密入国したアフリカ人一行に属していた。
▼ラ米短信 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は8月1日、最高裁に国会が非合法か否かの判断を求める、と明らかにした。野党連合MUDが多数派の国会は7月、選管から当選資格を剥奪された自派の3人を議員として認定、議場に入れた。
大統領はこれを違法行為と指摘、最高裁が非合法と判断すれば、国庫からの国会運営予算は打ち切る、と警告した。
一方、大統領罷免国民投票実施を求めているMUDは、大統領発言を「国民投票実施を避けるための時間稼ぎ」と非難している。
他の5候補は泡沫的候補であり、オルテガ組の当選は固い。オルテガは1986~90年、サンディニスタ革命政権の大統領を務めたが、90年の選挙に敗れて野に下り、2006年の選挙で返り咲いた。
2007年1月から2期10年を務めつつあり、来年からは連続3期、通算4期目の任期に入る。オルテガが夫人を副大統領候補にしたのは、自らの健康不良によるところが大きい。当面の後継者を妻に決めたことになる。
ムリージョは異色の詩人で、1969年にサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)に参加。オルテガと再婚、2007年に大統領夫人となってから権力の半分を握ってきた。今回、「女性国民の代表として副大統領候補になる」と宣言した。
内外でたちまち批判非難が渦巻きだし、ビクトル・ティノコ元副外相は、「サンディニスタ革命が1979年に倒したソモサ家3代42年間の独裁の再来」と酷評している。
ティノコはFSLN分派の左翼党「サンディニスタ改進運動」(MRS)の国会議員だったが、7月29日、国会から追放された。
ラ米では、亜国の1973年大統領選挙でフアン・ペロンと夫人イサベルが正副大統領に当選、74年ペロンが死去しイサベルが大統領に昇格した。また21世紀になってからペロン派のネストル・キルチネル大統領に続いて、妻のクリスティーナ・フェルナンデスが2期大統領を務めた。
パナマでは、故アルヌルフォ・アリアス大統領の妻ミレイヤ・モスコーソが大統領になった例がある。グアテマラとオンドゥーラスでは大統領経験者の妻が大統領選挙に出馬し、落選している。
別件だが2日、ニカラグア湖を小舟で渡ろうとしていたアフリカ人不法移民8人が水死した。米国行きを目指し、コスタ・リカから密入国したアフリカ人一行に属していた。
▼ラ米短信 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は8月1日、最高裁に国会が非合法か否かの判断を求める、と明らかにした。野党連合MUDが多数派の国会は7月、選管から当選資格を剥奪された自派の3人を議員として認定、議場に入れた。
大統領はこれを違法行為と指摘、最高裁が非合法と判断すれば、国庫からの国会運営予算は打ち切る、と警告した。
一方、大統領罷免国民投票実施を求めているMUDは、大統領発言を「国民投票実施を避けるための時間稼ぎ」と非難している。
2016年8月3日水曜日
ペルーのマントックが児童労働問題で会合
ペルーで、児童労働問題を当事者の青少年が中心になって考え、人権や法的庇護改善に取り組んでいる団体「マントック」(Manthoc=キリスト教労働者子弟青少年労働者運動)の創設者および地域指導者の若者2人を迎えた集会が8月2日夜、東京高田馬場NGOピースボート本部で開かれた。
「児童労働を考える~働く子どもによる、働く子どものための運動」と題されたこの会合には50人が参加。1976年10月マントックを創設したカトリック司祭アレハンドロ・クシアノビッチ(80)、アマソニア・ロレート州都イキートス代表トミー・ラウラテ(17)、リマ首都圏リマック地区代表アニー・オリバレス(16)が語った。
若者2人は「ペルー政府は子どもの労働を認めたがらない。私たちは認めさせようと長年闘ってきた」と、法的闘争を語り、クシアノビッチ司祭が、国連国際労働機関(ILO)規約などを挙げて補足説明を加えた。
司祭は、「ラ米諸国に見られる傾向は、子どもの就労可能年齢を引き上げ、刑法適用年齢を引き下げること」と言い、内務省(警察)の取締りが強化されつつある状況を指摘した。
司祭はまた、「子どもが働くのは基本的には、父母や家庭の貧富状態に関係なく、自立するための権利なのだ」と強調した。
トミーは弁護士、アニーは政治学者を志している。将来、それぞれの道の専門家としてマントックの活動を支えるためだ。この団体は、巣立っていった多くの社会人によっても支えられている。
同行しているリマ在住の写真家、義井豊は「かつて永山則夫死刑囚が刑務所内でマントックの存在を知り、著書の印税などを贈ることを決めた」と、継続されている「永山則夫基金」との関係を説明した。
司祭は会合終了後、「今日<解放の神学>は廃れてしまった」と嘆いた。司祭はリマック教会司祭だったグスタボ・グティエレスとともに1960年代から80年代にかけて同神学を実践、著書が故(もと)でローマ法王庁から処分されたことがある。
「今日<性的少数者解放>、<先住民解放>、<環境破壊からの解放>など、<解放>が細分化し、かつてのような人間の生き方や社会状況を全体的に捉える<解放の神学>は行き場を失ってしまった。時代が新自由主義隆盛下で物質主義が支配的になっているのと大いに関係がある」と、司祭は語った。
クシアノビッチ司祭の2006年の著書『子どもと共に生きる』の新刊日本語訳(現代企画室)も紹介された。一行は3日、次の会合地京都に向かった。
「児童労働を考える~働く子どもによる、働く子どものための運動」と題されたこの会合には50人が参加。1976年10月マントックを創設したカトリック司祭アレハンドロ・クシアノビッチ(80)、アマソニア・ロレート州都イキートス代表トミー・ラウラテ(17)、リマ首都圏リマック地区代表アニー・オリバレス(16)が語った。
若者2人は「ペルー政府は子どもの労働を認めたがらない。私たちは認めさせようと長年闘ってきた」と、法的闘争を語り、クシアノビッチ司祭が、国連国際労働機関(ILO)規約などを挙げて補足説明を加えた。
司祭は、「ラ米諸国に見られる傾向は、子どもの就労可能年齢を引き上げ、刑法適用年齢を引き下げること」と言い、内務省(警察)の取締りが強化されつつある状況を指摘した。
司祭はまた、「子どもが働くのは基本的には、父母や家庭の貧富状態に関係なく、自立するための権利なのだ」と強調した。
トミーは弁護士、アニーは政治学者を志している。将来、それぞれの道の専門家としてマントックの活動を支えるためだ。この団体は、巣立っていった多くの社会人によっても支えられている。
同行しているリマ在住の写真家、義井豊は「かつて永山則夫死刑囚が刑務所内でマントックの存在を知り、著書の印税などを贈ることを決めた」と、継続されている「永山則夫基金」との関係を説明した。
司祭は会合終了後、「今日<解放の神学>は廃れてしまった」と嘆いた。司祭はリマック教会司祭だったグスタボ・グティエレスとともに1960年代から80年代にかけて同神学を実践、著書が故(もと)でローマ法王庁から処分されたことがある。
「今日<性的少数者解放>、<先住民解放>、<環境破壊からの解放>など、<解放>が細分化し、かつてのような人間の生き方や社会状況を全体的に捉える<解放の神学>は行き場を失ってしまった。時代が新自由主義隆盛下で物質主義が支配的になっているのと大いに関係がある」と、司祭は語った。
クシアノビッチ司祭の2006年の著書『子どもと共に生きる』の新刊日本語訳(現代企画室)も紹介された。一行は3日、次の会合地京都に向かった。
2016年8月2日火曜日
ブラジル上院のルセフ大統領弾劾裁判日程固まる
ブラジル国会上院弾劾特別委員会は8月1日、ヂウマ・ルセフ大統領弾劾審議を2日再開、3日審議し、4日採決する、と発表した。委員会審議は5月12日から中断していた。
委員会採決結果は5日(リオ五輪開会日)、上院本会議に報告される。本会議は9日、定数81の過半数41で可決できる。可決されれば最高裁が最終弾劾法廷を開廷、29日から5日間の日程で証人喚問などを行なう。
本会議は9月2日の最終日までに大統領弾劾を決める。弾劾には、定数の3分の2の54議席以上の賛成が必要。
7月31日にはリオデジャネイロ、サンパウロを始め全国18都市で弾劾反対、賛成両派のデモ行進が実施された。全国で計5万人が参加した。
有産層主導の弾劾賛成派は、国際メディア五輪取材陣の群がるリオで海岸を行進。これに引きずられて「大統領弾劾賛成派がデモ」と、この日、弾劾反対派も行進していた事実を全く報じない日本メディアもあった。
▼ラ米短信 ベネスエラ国家選挙理事会(CNE=選管)は8月1日、反政府野党連合MUDが提出していた大統領罷免国民投票実施申請に必要な有権者の1%(20万人)の署名の正しさが確認された、と発表した。
罷免賛成派は次いで、選管が指定する期日内に有権者の20%(400万人万人)の署名を集めて国民投票実施請求をせねばならない。選管は1日段階では、新たな署名収集・提出日を指定しなかった。
最近の世論調査では、ニコラース・マドゥーロ大統領の不支持率は73%、退陣要求賛成は64%に達している。
▼ラ米短信 ニカラグア国会は7月29日、野党議員16、同補欠12人の計28人の資格を取り消した。同28人は野党連合「民主のための国民連合」(CND)に所属していた。
CNDは、「独立自由党」(PLI)と、「サンディニスタ改新運動」(MRS)の連合。MRSは、「サンディニスタ民族解放戦線」(FSLM)のダニエル・オルテガ大統領に反対するサンディニスタ分派。資格を奪われた28人中4人はMRS党員だった。
今年5月、オルテガと通じるペドロ・レジェスという政治経験の乏しい人物がPLI党首の座に着き、エドゥアルド・モンテアレーグレ党首らを追放。レジェスは選管に議員資格剥奪を求めた。
憲法は、議員議席と所属政党の一体化を謳っており、政党を追いだされた議員らは無所属を宣言した。無所属ならば、議員資格喪失を免れうると考えたからだ。
ところが選管は、MRS党員を含むCND議員・補欠の資格停止を決め、これを国会に勧告した。国会は28人の追放を決めた。
背景には、11月6日実施の次期大統領選挙がある。オルテガは連続3選を狙うが、万が一に備えて対立候補を出馬前に潰すため、今回の強引な措置に出た。モンテアレーグレは過去にも出馬したことがあり、知名度は高い。
大統領出馬登録は8月2日締切りとなる。オルテガは政権党FSLNと16小党派の選挙連合「ニカラグア勝利団結連合」(AUNT)を組み、選挙母体として7月登録した。オルテガは「キリスト教、社会主義、連帯」を政治精神として掲げている。
28日追放後、内外で「オルテガは事実上の一党支配体制を築き、独裁を恒久化しようとしている」などの非難が出ている。
ニカラグアの公共対外累積債務は6月末、49億2430万ドル(GDP比37%)に達した。国外からの出稼ぎ者の送金は今年上半期6億ドルで、前年同期比4・7%増し。
送金額の55%は米国から、21%は隣国コスタ・リカ(CR)から。ニカラグア人口630万人の2割前後は米国、CRなどに住む。2015年の海外からの送金額は12億ドルだった。
進行中の「ニカラグア大運河」建設事業は、選挙期間中、政府はタブー扱いしている。資金確保の遅れに加え、環境汚染を招いていると反対する世論や、土地収用を拒否する農民ら地主が少なくなく、運河完成に疑問符がついているからだ。
委員会採決結果は5日(リオ五輪開会日)、上院本会議に報告される。本会議は9日、定数81の過半数41で可決できる。可決されれば最高裁が最終弾劾法廷を開廷、29日から5日間の日程で証人喚問などを行なう。
本会議は9月2日の最終日までに大統領弾劾を決める。弾劾には、定数の3分の2の54議席以上の賛成が必要。
7月31日にはリオデジャネイロ、サンパウロを始め全国18都市で弾劾反対、賛成両派のデモ行進が実施された。全国で計5万人が参加した。
有産層主導の弾劾賛成派は、国際メディア五輪取材陣の群がるリオで海岸を行進。これに引きずられて「大統領弾劾賛成派がデモ」と、この日、弾劾反対派も行進していた事実を全く報じない日本メディアもあった。
▼ラ米短信 ベネスエラ国家選挙理事会(CNE=選管)は8月1日、反政府野党連合MUDが提出していた大統領罷免国民投票実施申請に必要な有権者の1%(20万人)の署名の正しさが確認された、と発表した。
罷免賛成派は次いで、選管が指定する期日内に有権者の20%(400万人万人)の署名を集めて国民投票実施請求をせねばならない。選管は1日段階では、新たな署名収集・提出日を指定しなかった。
最近の世論調査では、ニコラース・マドゥーロ大統領の不支持率は73%、退陣要求賛成は64%に達している。
▼ラ米短信 ニカラグア国会は7月29日、野党議員16、同補欠12人の計28人の資格を取り消した。同28人は野党連合「民主のための国民連合」(CND)に所属していた。
CNDは、「独立自由党」(PLI)と、「サンディニスタ改新運動」(MRS)の連合。MRSは、「サンディニスタ民族解放戦線」(FSLM)のダニエル・オルテガ大統領に反対するサンディニスタ分派。資格を奪われた28人中4人はMRS党員だった。
今年5月、オルテガと通じるペドロ・レジェスという政治経験の乏しい人物がPLI党首の座に着き、エドゥアルド・モンテアレーグレ党首らを追放。レジェスは選管に議員資格剥奪を求めた。
憲法は、議員議席と所属政党の一体化を謳っており、政党を追いだされた議員らは無所属を宣言した。無所属ならば、議員資格喪失を免れうると考えたからだ。
ところが選管は、MRS党員を含むCND議員・補欠の資格停止を決め、これを国会に勧告した。国会は28人の追放を決めた。
背景には、11月6日実施の次期大統領選挙がある。オルテガは連続3選を狙うが、万が一に備えて対立候補を出馬前に潰すため、今回の強引な措置に出た。モンテアレーグレは過去にも出馬したことがあり、知名度は高い。
大統領出馬登録は8月2日締切りとなる。オルテガは政権党FSLNと16小党派の選挙連合「ニカラグア勝利団結連合」(AUNT)を組み、選挙母体として7月登録した。オルテガは「キリスト教、社会主義、連帯」を政治精神として掲げている。
28日追放後、内外で「オルテガは事実上の一党支配体制を築き、独裁を恒久化しようとしている」などの非難が出ている。
ニカラグアの公共対外累積債務は6月末、49億2430万ドル(GDP比37%)に達した。国外からの出稼ぎ者の送金は今年上半期6億ドルで、前年同期比4・7%増し。
送金額の55%は米国から、21%は隣国コスタ・リカ(CR)から。ニカラグア人口630万人の2割前後は米国、CRなどに住む。2015年の海外からの送金額は12億ドルだった。
進行中の「ニカラグア大運河」建設事業は、選挙期間中、政府はタブー扱いしている。資金確保の遅れに加え、環境汚染を招いていると反対する世論や、土地収用を拒否する農民ら地主が少なくなく、運河完成に疑問符がついているからだ。
2016年8月1日月曜日
隅田川 花火 浴衣 都知事選 鳥越俊太郎
隅田川の花火大会を7月28日、浅草・花川戸側の川端で観た。かつては「川開き」と呼ばれていたが、近年、この言葉を聞かない。本所生まれ、浅草育ちの私が最初に川開きを観た記憶は、幼稚園児か小学1年生のころ、家族と両国橋か蔵前橋の中央で、大群衆にもまれながら観た情景だ。
敗戦の破壊の跡が依然生々しかった時代である。世をはかなんだ人の土佐衛門が隅田川を流れ下る光景を、子供ながら乾いた心でしばしば観ていた。花火大会と隅田公園の桜は大きな慰めだった。
浅草は、異邦人を含む浴衣姿の若い男女で群れていた。貸浴衣屋が大繁盛だと聞いた。そんな時代になっているのだ。
帰りは、鶯谷駅までの裏道を久々に歩いた。交差点で、高齢の共産党員たちが、「ジャーナリストと共に都政へ」と、ぎりぎりまで闘っていた。これには頭が下がった。
きょう31日、結果が出た。政府に繋がる官僚知事が新たに一人増えるのがなくなったのは良かった。女性知事が東京に生まれたこと自体は好ましい。だが当選者は「化粧」でなく、真に大化けして、一流の都知事になれるだろうか。もう何十年か、優れた都知事は出ていない。彼女が保守・守旧派になびく恐れがないわけではあるまい。なにせ自民党員なのだ。
76歳の疲れた肉体に鞭打って出馬した鳥越俊太郎の勇気に拍手を送る。だが知識人、特にジャーナリストの弱さが出過ぎた。知識人は馬鹿芝居ができないから、選挙では迫力に欠ける。
ジャーナリストは「中立」、「客観性」を重んじ、相撲の行司のように常に自分を対立者の間に置こうとする。いつしか直截的な言い方ができなくなり、自身の意見を失い、優柔不断となり、判断を避け、逃げる傾向に陥る。それでいて気位は高く、理屈ぽい。
文学は説明したら死んでしまう。つまらないものに堕す。鳥越は演説に説明が多すぎた。本領を発揮できないまま、おしゃべり言葉以外に実力が不明なポピュリストに勝利を持って行かれた。
日本人有権者の多くは、非政治的で、反知性も少なくない。そんな風土で進歩主義の知識人が勝つには、相当に線が太く、泥臭い人でないと難しい。4年後は、そんな知識人に出馬してほしいものだ。
それにしても民放テレビの特定候補偏向支援宣伝はひどすぎた。公示前から宣伝、これが今回の勝敗に大きく影響を及ぼしいたのは疑いない。テレビ報道の質が根腐れして久しいが、今選挙で腐臭が一気に拡がった。
民進党も末期症状だ。知事選前日に代表が辞意を打ち出すとは、これはもう政治家ではない。「鳥越候補が振るわないのも退陣要求圧力に含まれていた」というから、民進党は選挙勝利を早々と諦めていたわけだ。情けない。
週刊誌のネガティヴ宣伝運動は言わずもがな、何をか言わんやだ。
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敗戦の破壊の跡が依然生々しかった時代である。世をはかなんだ人の土佐衛門が隅田川を流れ下る光景を、子供ながら乾いた心でしばしば観ていた。花火大会と隅田公園の桜は大きな慰めだった。
浅草は、異邦人を含む浴衣姿の若い男女で群れていた。貸浴衣屋が大繁盛だと聞いた。そんな時代になっているのだ。
帰りは、鶯谷駅までの裏道を久々に歩いた。交差点で、高齢の共産党員たちが、「ジャーナリストと共に都政へ」と、ぎりぎりまで闘っていた。これには頭が下がった。
きょう31日、結果が出た。政府に繋がる官僚知事が新たに一人増えるのがなくなったのは良かった。女性知事が東京に生まれたこと自体は好ましい。だが当選者は「化粧」でなく、真に大化けして、一流の都知事になれるだろうか。もう何十年か、優れた都知事は出ていない。彼女が保守・守旧派になびく恐れがないわけではあるまい。なにせ自民党員なのだ。
76歳の疲れた肉体に鞭打って出馬した鳥越俊太郎の勇気に拍手を送る。だが知識人、特にジャーナリストの弱さが出過ぎた。知識人は馬鹿芝居ができないから、選挙では迫力に欠ける。
ジャーナリストは「中立」、「客観性」を重んじ、相撲の行司のように常に自分を対立者の間に置こうとする。いつしか直截的な言い方ができなくなり、自身の意見を失い、優柔不断となり、判断を避け、逃げる傾向に陥る。それでいて気位は高く、理屈ぽい。
文学は説明したら死んでしまう。つまらないものに堕す。鳥越は演説に説明が多すぎた。本領を発揮できないまま、おしゃべり言葉以外に実力が不明なポピュリストに勝利を持って行かれた。
日本人有権者の多くは、非政治的で、反知性も少なくない。そんな風土で進歩主義の知識人が勝つには、相当に線が太く、泥臭い人でないと難しい。4年後は、そんな知識人に出馬してほしいものだ。
それにしても民放テレビの特定候補偏向支援宣伝はひどすぎた。公示前から宣伝、これが今回の勝敗に大きく影響を及ぼしいたのは疑いない。テレビ報道の質が根腐れして久しいが、今選挙で腐臭が一気に拡がった。
民進党も末期症状だ。知事選前日に代表が辞意を打ち出すとは、これはもう政治家ではない。「鳥越候補が振るわないのも退陣要求圧力に含まれていた」というから、民進党は選挙勝利を早々と諦めていたわけだ。情けない。
週刊誌のネガティヴ宣伝運動は言わずもがな、何をか言わんやだ。
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