パナマ前大統領リカルド・マルティネリ(66)被告が6月11日、米国からパナマに送還された。大統領任期を終えた直後の2015年、米国に逃亡したが、パナマ政府からの手配要請に応じた米当局は17年6月逮捕し、マイアミで拘禁していた。
マルティネリはスーパー店チェーンなどを経営していた富豪。大統領任期中、批判的な政治家、ジャーナリストら約150人の言動をスパイする仕組みを公金で構築、「スパイ罪」で起訴された。公金横領罪でも起訴されている。
パナマ政府は、米国にいるマルティネリの息子2人の身柄引き渡しも求めている。2人は、ブラジル大手建設会社オデブレシ(オデブレヒト)から5000万ドルを収賄した容疑がかけられている。
退陣後の起訴を恐れたマルティネリは、法で禁じられている連続2選を求めて出馬しようと謀ったが、反対が多く、叶わなかった。
▼ニカラグアで平和集会
オルテガ政権打倒を狙う暴力事件の停止を求める市民数千人は6月10日、首都マナグア中心部の革命広場で「和解と平和」を訴えた。
政権は、対話仲介者のカトリック司教会議(CEN)から提示された和解案に16日までに回答するよう迫られている。
▼コロンビア大統領選挙決選は保守・右翼候補優勢か
6月17日の決選は保守・右翼陣営のイバン・ドゥケ、中道・左翼陣営のグスタボ・ペトロの闘いだが、「ラ米地政学戦略研究所」(CELAG)は6月11日、支持率を発表。ドゥケ45・5%、ペトロ40%、浮動票など14・5%で、ドゥケ有利と見ている。
その他7種類の支持率調査結果の平均値は、ドゥケ51%、ペトロ37%で、ドゥケが
圧倒的な優勢を維持している。投票率は54%程度と予想されている。
2018年6月12日火曜日
2017年6月13日火曜日
パナマが台湾と断交、中国と国交樹立▼マルティネリ前パナマ大統領がマイアミで逮捕さる▼ベネズエラ最高裁が検事総長の訴えを却下▼デルシーVEN外相はペルー大統領提案を内政干渉と糾弾
パナマのフアン・バレーラ大統領は6月13日、中国と国交を樹立した、と発表した。この日北京で、イサベル・サンマロ副大統領兼外相と王毅外相が国交樹立協定に調印した。パナマと台湾の外交関係は消滅した。
バレーラ大統領は、世界最大の人口を持ち世界第2の経済大国である中国と国交がなかったのは虚構だったが、それを正した、と述べた。王毅外相は、パナマが「一帯一路」に参加するのを歓迎すうと述べた。
これで台湾が外交関係を維持するのは20カ国になった。うち11カ国はLAC(ラ米・カリブ)地域にある。中国系企業はニカラグアで運河を建設中だが、パナマ運河を持つパナマと国交を樹立したことで、中国は存在感を一層増した。
中国はパナマ運河利用国として米国に次いで世界2位。同運河カリブ海側のコロン自由貿易地域での物資供給国としては第1位だ。中米ではコスタ・リカが中国と国交を維持しており、次はニカラグアになる公算が少なからずあると見られている。
一方、国際刑事警察機構(インターポール)は12日、パナマ前大統領リカルド・マルティネリをマイアミで逮捕し、身柄を収監した。マルティネリは13日出廷する。パナマ政府は身柄引渡しを要求している。マルティネリは法的追及を逃れ15年初めからマイアミに住んでいた。
パナマ政府は、違法情報収集および公金横領で国際手配していた。マルティネリは2014年まで5年間政権にあった期間に、政敵ら約150人の電話や電郵(eメイル)を傍受していた。公金横領など腐敗容疑をかけられている。
▼ラ米短信 ◎ベネスエラ最高裁が「制憲議会無効」の訴えを却下。
ベネスエラ最高裁選挙法廷は6月12日、ルイサ・オルテガ検事総長による制憲議会(ANC)開設決定の無効化を求める訴えを却下した。オルテガは3月末からニコラース・マドゥーロ大統領の法的措置にしばしば異議を唱えてきた。
政府および政権党PSUVにはオルテガ更迭を求める声が高まっている。一方、反政府勢力の中核である保守・右翼野党連合MUDは、オルテガを支持している。
デルシー・ロドリゲス外相は13日、PPクチンスキ秘大統領がマドリードでベネスエラへの6カ国による仲裁を提案したことについて、内政干渉として糾弾。同大統領に「ベネスエラに伸ばしたその忌まわしい手を引け」と、警告のメッセージを発した。
バレーラ大統領は、世界最大の人口を持ち世界第2の経済大国である中国と国交がなかったのは虚構だったが、それを正した、と述べた。王毅外相は、パナマが「一帯一路」に参加するのを歓迎すうと述べた。
これで台湾が外交関係を維持するのは20カ国になった。うち11カ国はLAC(ラ米・カリブ)地域にある。中国系企業はニカラグアで運河を建設中だが、パナマ運河を持つパナマと国交を樹立したことで、中国は存在感を一層増した。
中国はパナマ運河利用国として米国に次いで世界2位。同運河カリブ海側のコロン自由貿易地域での物資供給国としては第1位だ。中米ではコスタ・リカが中国と国交を維持しており、次はニカラグアになる公算が少なからずあると見られている。
一方、国際刑事警察機構(インターポール)は12日、パナマ前大統領リカルド・マルティネリをマイアミで逮捕し、身柄を収監した。マルティネリは13日出廷する。パナマ政府は身柄引渡しを要求している。マルティネリは法的追及を逃れ15年初めからマイアミに住んでいた。
パナマ政府は、違法情報収集および公金横領で国際手配していた。マルティネリは2014年まで5年間政権にあった期間に、政敵ら約150人の電話や電郵(eメイル)を傍受していた。公金横領など腐敗容疑をかけられている。
▼ラ米短信 ◎ベネスエラ最高裁が「制憲議会無効」の訴えを却下。
ベネスエラ最高裁選挙法廷は6月12日、ルイサ・オルテガ検事総長による制憲議会(ANC)開設決定の無効化を求める訴えを却下した。オルテガは3月末からニコラース・マドゥーロ大統領の法的措置にしばしば異議を唱えてきた。
政府および政権党PSUVにはオルテガ更迭を求める声が高まっている。一方、反政府勢力の中核である保守・右翼野党連合MUDは、オルテガを支持している。
デルシー・ロドリゲス外相は13日、PPクチンスキ秘大統領がマドリードでベネスエラへの6カ国による仲裁を提案したことについて、内政干渉として糾弾。同大統領に「ベネスエラに伸ばしたその忌まわしい手を引け」と、警告のメッセージを発した。
2017年5月30日火曜日
知り過ぎた男:パナマの元最高実力者マヌエル・ノリエガ将軍(83)が死去。依然解明されていない米軍侵攻の犠牲者数▼メキシコ先住民族が大統領候補を擁立▼韓国輸出入銀行がニカラグアに支店開設へ▼FARCがハバナを引き揚げる
パナマ軍政最後の実力者だったマヌエル・ノリエガ退役将軍(83)が5月29日、首都パナマ市のサントトマース病院で死去した。将軍は今年3月8日、同病院で脳腫瘍の除去手術を受けたが、その後、脳内出血となり、入院を続け、数日来、危篤となっていた。
娘サンドラは、「痛ましい時を迎えた」と一言述べた。フアン=カルロス・バレーラ大統領は談話を発表、「パナマ史の一章が閉じられた」と語った。
ノリエガは1983年、パナマ軍を率いて最高指導者になり、政敵を排除、権勢を謳歌したが、米国のブッシュ父親政権に挑発され敵対。89年12月20日、ブッシュはパナマに大規模な軍事侵攻作戦を仕掛け、3000~8000人のパナマ人を殺したとされる。
ノリエガはパナマ市の法王庁大使館に保護を求めたが、90年1月初め、法王庁はノリエガの身柄を米軍に引き渡した。そ日のうちにノリエガはマイアミに護送され、やがて裁判で麻薬犯罪関与により20年の禁錮刑に処せられた。
出所と同時に身柄をフランスに送られ、資金洗浄罪で1年余り服役した。2011年12月、ほぼ22年ぶりにパナマに送還されて帰国。政敵暗殺や叛乱兵士虐殺などで禁錮60年を言い渡され、パナマ運河沿いのエル・レナセール刑務所で服役していた。
今年1月27日、法廷で無罪を主張。翌28日、娘サンドラ宅で自宅軟禁処分になった。持病の糖尿病などで、健康が衰弱していたためだ。そして3月、脳腫瘍で入院、帰らぬ人となった。
ノリエガは東西冷戦さなか、有力将校として米諜報機関CIAの有給協力者となり、CIA長官だったブッシュとも知り合っていた。1968年から80年代初めまでの最高指導者は、運河返還条約を勝ち取ったオマール・トリホス将軍だった。ノリエガは、CIAと組んでトリホス暗殺に関与したとの見方が有力だ。
ブッシュが、弱いパナマを赤子の手をひねるように侵略し殺戮し破壊した一つの理由は、1999年12月31日の返還後も非常時には運河を米軍支配下に置くため、ノリエガ後の文民政権に、それを特権として呑ませるためだった。またパナマを従順にするため、国軍を潰し、国家警察隊に縮小させた。
だがCIA筋は、息子ブッシュ(後の米大統領)に極めて都合の悪い証拠をノリエガが握っていたことも侵略理由と指摘する。ブッシュ父子にとってノリエガは「知り過ぎた男」だった。
米軍侵攻による死者数や、多くの遺体の在り処は依然わかっていない。バレーラ大統領は、米軍侵攻後、四半世紀も経ってから大統領として初めて、死者数の確認をはじめ真実究明に努めると公約した。
ノリエガは死んだが、多くのパナマ人の悼み、苦しみ、痛みは癒えていない。
▼ラ米短信 ◎メヒコ先住民族が始めて大統領候補を擁立
メヒコの全国先住民理事会(CNI)とサパティスタ民族解放軍(EZLN)は5月28日、全国から先住民らの代議員848人が出席して会合、ナウア民族の女性マリーアデヘスース・パトゥリシオ=マルティネス(57)を、来年7月の大統領選挙の候補に選んだ。
2014年の選挙法改正で、無所属・諸派候補も出馬できるようになった。EZLNは早くから「我々の大統領候補は女性」と公言していた。
▼ラ米短信 ◎韓国輸出入銀行が中米支店開設へ
ニカラグア財務省は5月29日、韓国輸出入銀行が首都マナグアを中米支店開設地に選んだ、と発表した。開店時期は明らかにされていない。ニカラグアは、パナマからグアテマラまでの中米7か国の中央部に位置する。
▼ラ米短信 ◎FARCがハバナを去る
コロンビア革命軍(FARC)の和平交渉首席代表を務めたイバン・マルケス司令は5月28日、ラウール・カストロ玖国家評議会議長に別れを告げ、コロンビアに引き揚げた。
マルケスらFARC交渉団は2012年11月からハバナを拠点とし、サントス・コロンビア政権と和平交渉を続けた。交渉は昨年11月の和平最終合意調印で決着。現在、FARCの武装解除が続けられている。
娘サンドラは、「痛ましい時を迎えた」と一言述べた。フアン=カルロス・バレーラ大統領は談話を発表、「パナマ史の一章が閉じられた」と語った。
ノリエガは1983年、パナマ軍を率いて最高指導者になり、政敵を排除、権勢を謳歌したが、米国のブッシュ父親政権に挑発され敵対。89年12月20日、ブッシュはパナマに大規模な軍事侵攻作戦を仕掛け、3000~8000人のパナマ人を殺したとされる。
ノリエガはパナマ市の法王庁大使館に保護を求めたが、90年1月初め、法王庁はノリエガの身柄を米軍に引き渡した。そ日のうちにノリエガはマイアミに護送され、やがて裁判で麻薬犯罪関与により20年の禁錮刑に処せられた。
出所と同時に身柄をフランスに送られ、資金洗浄罪で1年余り服役した。2011年12月、ほぼ22年ぶりにパナマに送還されて帰国。政敵暗殺や叛乱兵士虐殺などで禁錮60年を言い渡され、パナマ運河沿いのエル・レナセール刑務所で服役していた。
今年1月27日、法廷で無罪を主張。翌28日、娘サンドラ宅で自宅軟禁処分になった。持病の糖尿病などで、健康が衰弱していたためだ。そして3月、脳腫瘍で入院、帰らぬ人となった。
ノリエガは東西冷戦さなか、有力将校として米諜報機関CIAの有給協力者となり、CIA長官だったブッシュとも知り合っていた。1968年から80年代初めまでの最高指導者は、運河返還条約を勝ち取ったオマール・トリホス将軍だった。ノリエガは、CIAと組んでトリホス暗殺に関与したとの見方が有力だ。
ブッシュが、弱いパナマを赤子の手をひねるように侵略し殺戮し破壊した一つの理由は、1999年12月31日の返還後も非常時には運河を米軍支配下に置くため、ノリエガ後の文民政権に、それを特権として呑ませるためだった。またパナマを従順にするため、国軍を潰し、国家警察隊に縮小させた。
だがCIA筋は、息子ブッシュ(後の米大統領)に極めて都合の悪い証拠をノリエガが握っていたことも侵略理由と指摘する。ブッシュ父子にとってノリエガは「知り過ぎた男」だった。
米軍侵攻による死者数や、多くの遺体の在り処は依然わかっていない。バレーラ大統領は、米軍侵攻後、四半世紀も経ってから大統領として初めて、死者数の確認をはじめ真実究明に努めると公約した。
ノリエガは死んだが、多くのパナマ人の悼み、苦しみ、痛みは癒えていない。
▼ラ米短信 ◎メヒコ先住民族が始めて大統領候補を擁立
メヒコの全国先住民理事会(CNI)とサパティスタ民族解放軍(EZLN)は5月28日、全国から先住民らの代議員848人が出席して会合、ナウア民族の女性マリーアデヘスース・パトゥリシオ=マルティネス(57)を、来年7月の大統領選挙の候補に選んだ。
2014年の選挙法改正で、無所属・諸派候補も出馬できるようになった。EZLNは早くから「我々の大統領候補は女性」と公言していた。
▼ラ米短信 ◎韓国輸出入銀行が中米支店開設へ
ニカラグア財務省は5月29日、韓国輸出入銀行が首都マナグアを中米支店開設地に選んだ、と発表した。開店時期は明らかにされていない。ニカラグアは、パナマからグアテマラまでの中米7か国の中央部に位置する。
▼ラ米短信 ◎FARCがハバナを去る
コロンビア革命軍(FARC)の和平交渉首席代表を務めたイバン・マルケス司令は5月28日、ラウール・カストロ玖国家評議会議長に別れを告げ、コロンビアに引き揚げた。
マルケスらFARC交渉団は2012年11月からハバナを拠点とし、サントス・コロンビア政権と和平交渉を続けた。交渉は昨年11月の和平最終合意調印で決着。現在、FARCの武装解除が続けられている。
2017年1月6日金曜日
19世紀創刊のパナマ伝統紙が廃刊を当面免れる
1867年創刊でラ米で最も古い新聞の一つであるパナマの「ラ・エストゥレージャ・デ・パナマ」(パナマの星)および、同じ経営母体の下にある「エル・シグロ」(世紀)紙が廃刊の危機を当面免れた。
両紙は、レバノン系パナマ人実業家アブドゥル・ワケド氏が経営する企業集団「グルーポ・ワケド」傘下にある。「パナマの星」紙は2006年にワケド財閥に買収された。
事の起こりは、麻薬資金洗浄の疑いで米財務省の「特別麻薬取引関与指定」(SDNT)を08年4月受けていたワケドが昨年6月、両紙発行に必要な資金繰りをこの1月6日をもって禁止すると同省から言い渡されたこと。
両紙は5日、最終号の編集に携わっていた。だが事態を憂慮したパナマ政府と議会が米側に善処を求めたことから、財務省は5日、禁止発効日を7月13日まで延期した。これにより両紙は半年余りの延命が可能になった。
米政府はパナマ市の大使館を通じてパナマ側に、両紙が存続し続ける最良の方法は身売りし、ワケドグループを離れること、と勧告している。
ワケド財閥は、両紙のほか、商業施設、銀行、不動産、コロン自由貿易地域内の免税店などを所有している。
米財務省は、ワケドの甥ニダル・ワケドも資金洗浄でSDNT名簿に加えており、フロリダ州の法廷は出頭をニダルに命じている。ニダルは去年5月コロンビアで逮捕され、身柄引き渡しの対象になっている。
パナマと米国の有識者は、両紙廃刊の危機を「民主の危機」と捉え、両紙存続を支持している。
▼ラ米短信 ◎FARC集結に備え、宿泊所建設へ
コロンビアのJMサントス大統領は1月5日、メタ州メセ―タスにある和平実施「監視・検証」本部で記者会見し、FARC要員の集結地として全国に19地域および17地点を設けたと前置きし、同地域の広さは平均11平方km、地点を合わせ全体で約300平方kmになると明らかにした。
また17地区には、FARC要員の宿泊施設を建設するとし、既に関係業者と契約していると述べた。FARC要員一日一人当たりの食費は1万6000ペソで、食糧・食材として渡し、要員が自炊することになるという。
大統領は、すでに帰順した要員2500人が健康保険制度に組み込まれ、医療手当を受けていると語った。
監視・検証拠点は24カ所で、監視員は全国対象58人、地域対象264人、地区対象225人。監視団の自動車は93台、監視団の安全保障用に76台が、それぞれ用意されている。
和平実施は、コロンビア政府、FARC、国連の3者が一体となって遂行。国連監視団は450人で、うち280人は既に入国している。
一方、国連は5日、入国済みのポルトガル人監視団員ら4人を解任した。FARC主力はコロンビア北東端のグアヒーラ州コネホに
居るが、同地での大晦日のFARC祝賀パーティーで同4人が女性ゲリラと踊ったのを咎められたため。
そのビデオが流されたため、事実が明らかになった。コロンビア政府は「監視団の中立性が脅かされる」と抗議。これを受けて国連は4人を処分した。4人は出国する。
両紙は、レバノン系パナマ人実業家アブドゥル・ワケド氏が経営する企業集団「グルーポ・ワケド」傘下にある。「パナマの星」紙は2006年にワケド財閥に買収された。
事の起こりは、麻薬資金洗浄の疑いで米財務省の「特別麻薬取引関与指定」(SDNT)を08年4月受けていたワケドが昨年6月、両紙発行に必要な資金繰りをこの1月6日をもって禁止すると同省から言い渡されたこと。
両紙は5日、最終号の編集に携わっていた。だが事態を憂慮したパナマ政府と議会が米側に善処を求めたことから、財務省は5日、禁止発効日を7月13日まで延期した。これにより両紙は半年余りの延命が可能になった。
米政府はパナマ市の大使館を通じてパナマ側に、両紙が存続し続ける最良の方法は身売りし、ワケドグループを離れること、と勧告している。
ワケド財閥は、両紙のほか、商業施設、銀行、不動産、コロン自由貿易地域内の免税店などを所有している。
米財務省は、ワケドの甥ニダル・ワケドも資金洗浄でSDNT名簿に加えており、フロリダ州の法廷は出頭をニダルに命じている。ニダルは去年5月コロンビアで逮捕され、身柄引き渡しの対象になっている。
パナマと米国の有識者は、両紙廃刊の危機を「民主の危機」と捉え、両紙存続を支持している。
▼ラ米短信 ◎FARC集結に備え、宿泊所建設へ
コロンビアのJMサントス大統領は1月5日、メタ州メセ―タスにある和平実施「監視・検証」本部で記者会見し、FARC要員の集結地として全国に19地域および17地点を設けたと前置きし、同地域の広さは平均11平方km、地点を合わせ全体で約300平方kmになると明らかにした。
また17地区には、FARC要員の宿泊施設を建設するとし、既に関係業者と契約していると述べた。FARC要員一日一人当たりの食費は1万6000ペソで、食糧・食材として渡し、要員が自炊することになるという。
大統領は、すでに帰順した要員2500人が健康保険制度に組み込まれ、医療手当を受けていると語った。
監視・検証拠点は24カ所で、監視員は全国対象58人、地域対象264人、地区対象225人。監視団の自動車は93台、監視団の安全保障用に76台が、それぞれ用意されている。
和平実施は、コロンビア政府、FARC、国連の3者が一体となって遂行。国連監視団は450人で、うち280人は既に入国している。
一方、国連は5日、入国済みのポルトガル人監視団員ら4人を解任した。FARC主力はコロンビア北東端のグアヒーラ州コネホに
居るが、同地での大晦日のFARC祝賀パーティーで同4人が女性ゲリラと踊ったのを咎められたため。
そのビデオが流されたため、事実が明らかになった。コロンビア政府は「監視団の中立性が脅かされる」と抗議。これを受けて国連は4人を処分した。4人は出国する。
2016年12月21日水曜日
米軍のパナマ軍事侵攻から27年、いまだ不明の死者数
パナマは12月20日、米軍侵攻27周年記念日を迎えた。「1989年12月20日犠牲者家族・友人協会」(AFAC)をはじめ関係団体、人権団体などが、一部犠牲者の墓のある「平和墓苑」、最大の犠牲者が出たエル・ショリージョ地区など米軍侵攻の縁の地で追悼式典や「悲しみの行進」を実施した。
AFACのトゥリニダー・アジョーラ会長(60)は、「遺族が黙らないのは、肉親たちがどのようにして殺され、遺体がどこにあるのかがわからないからだ」と語った。米軍侵攻で殺されたパナマ人は2000~8000人と推計に幅があり、定かでない。破壊されひら地にされてしまったエル・チョリージョ地区は、被爆地になぞらえて「ヒロシマ」と呼ばれている。
遺族らは12月20日を「国喪の日」に制定するよう政府に働きかけてきたが、政府は依然、承諾していない。フアン=カルロス・バレーラ大統領の政府はこの日、「平和墓苑」で式典を催した。
バレーラ政権下で今年7月設立された「1989年12月委員会」のフアン・プラネルス委員長(AMラ・アンティグア・カトリック大学長)は20日、米政府が約束通り、侵攻関係文書などを我々に提供するよう求め、約束が実施されるか否かを監視する、と述べた。また、侵攻時に米軍が持ち去ったパナマ公的機関の文書類を返還するよう要求した。
米国のジョン・フーリー駐巴大使は今年2月、赴任に際して、米政府は事件を見直す用意があると述べ、資料提供などに触れていた。同大使は委員会に対し、トランプ次期政権が外交上の正式な約束をほごにすることはありえない、と伝えたという。
米州諸国機構(OEA)の米州人権委員会(CIDH)は今月9日ワシントンで、侵攻事件被害者から証言を聴取した。パナマでは、被害者賠償などに道が開かれる兆しとも受け止められている。
ジョージ・ブッシュ(父親)政権は、海兵隊など4軍部隊2万6000人を投入してパナマを急襲。破壊、殺戮、機密文書奪取などを恣(ほしいまま)にした。90年1月初め、パナマ最高指導者だったマヌエル・ノリエガ国防軍司令官をマイアミに強制連行し、麻薬取引関与罪で禁錮20年の実刑に処した。これも主権と国際法を完全に無視した暴挙だった。
ブッシュがなぜ残忍なパナマ侵略を決行したかには、さまざまな見方がある。第一は、1999年末のパナマ運河返還まで10年の時点で、必要とあらば米国はいつでも運河管理権を握ることができる、ことを内外に示すという狙いだ。
米政府が鳴り物入りで「米国とパナマ民主の敵」に仕立てたノリエガを打倒し連行する狙いもあったが、連行のために大軍を投入し残虐行為に出る必要はなかったはずだ。
CIA元要員筋情報では、息子ブッシュがパナマで放蕩していた証拠写真などを探し破壊する目的もあったという。父親は息子を、いずれ米大統領に仕立て上げたかったかららしい。来るべき戦争に備え、新型兵器を試し、旧兵器類を消費し、奇襲作戦の演習をする意味もあった。90年の湾岸戦争では、パナマで実験されたステルス爆撃が投入された。
上記委員会は、死者数、米軍侵攻の理由などを調査、バレーラ政権の任期末までに報告を出す。
侵攻事件に関して書籍が刊行されてきた。社会学者オルメド・ベル―チェの『侵攻の真実』、クラウディオ・カストロ『パナマ侵攻』、詩人ホセ・ブランコ『死の蛍』、元パナマ駐在クーバ大使ラサロ・モラ『パナマ1989ね12月 我々に忘れる権利はない』、FJスクリアレフスキ『始まった侵攻』、フアン・モルガン『無益な傷跡』、ペドロ・プラード『夢の反対側』などがある。
AFACのトゥリニダー・アジョーラ会長(60)は、「遺族が黙らないのは、肉親たちがどのようにして殺され、遺体がどこにあるのかがわからないからだ」と語った。米軍侵攻で殺されたパナマ人は2000~8000人と推計に幅があり、定かでない。破壊されひら地にされてしまったエル・チョリージョ地区は、被爆地になぞらえて「ヒロシマ」と呼ばれている。
遺族らは12月20日を「国喪の日」に制定するよう政府に働きかけてきたが、政府は依然、承諾していない。フアン=カルロス・バレーラ大統領の政府はこの日、「平和墓苑」で式典を催した。
バレーラ政権下で今年7月設立された「1989年12月委員会」のフアン・プラネルス委員長(AMラ・アンティグア・カトリック大学長)は20日、米政府が約束通り、侵攻関係文書などを我々に提供するよう求め、約束が実施されるか否かを監視する、と述べた。また、侵攻時に米軍が持ち去ったパナマ公的機関の文書類を返還するよう要求した。
米国のジョン・フーリー駐巴大使は今年2月、赴任に際して、米政府は事件を見直す用意があると述べ、資料提供などに触れていた。同大使は委員会に対し、トランプ次期政権が外交上の正式な約束をほごにすることはありえない、と伝えたという。
米州諸国機構(OEA)の米州人権委員会(CIDH)は今月9日ワシントンで、侵攻事件被害者から証言を聴取した。パナマでは、被害者賠償などに道が開かれる兆しとも受け止められている。
ジョージ・ブッシュ(父親)政権は、海兵隊など4軍部隊2万6000人を投入してパナマを急襲。破壊、殺戮、機密文書奪取などを恣(ほしいまま)にした。90年1月初め、パナマ最高指導者だったマヌエル・ノリエガ国防軍司令官をマイアミに強制連行し、麻薬取引関与罪で禁錮20年の実刑に処した。これも主権と国際法を完全に無視した暴挙だった。
ブッシュがなぜ残忍なパナマ侵略を決行したかには、さまざまな見方がある。第一は、1999年末のパナマ運河返還まで10年の時点で、必要とあらば米国はいつでも運河管理権を握ることができる、ことを内外に示すという狙いだ。
米政府が鳴り物入りで「米国とパナマ民主の敵」に仕立てたノリエガを打倒し連行する狙いもあったが、連行のために大軍を投入し残虐行為に出る必要はなかったはずだ。
CIA元要員筋情報では、息子ブッシュがパナマで放蕩していた証拠写真などを探し破壊する目的もあったという。父親は息子を、いずれ米大統領に仕立て上げたかったかららしい。来るべき戦争に備え、新型兵器を試し、旧兵器類を消費し、奇襲作戦の演習をする意味もあった。90年の湾岸戦争では、パナマで実験されたステルス爆撃が投入された。
上記委員会は、死者数、米軍侵攻の理由などを調査、バレーラ政権の任期末までに報告を出す。
侵攻事件に関して書籍が刊行されてきた。社会学者オルメド・ベル―チェの『侵攻の真実』、クラウディオ・カストロ『パナマ侵攻』、詩人ホセ・ブランコ『死の蛍』、元パナマ駐在クーバ大使ラサロ・モラ『パナマ1989ね12月 我々に忘れる権利はない』、FJスクリアレフスキ『始まった侵攻』、フアン・モルガン『無益な傷跡』、ペドロ・プラード『夢の反対側』などがある。
2016年7月21日木曜日
パナマ政府が米軍侵攻の真実究明のため委員会設置
パナマ政府は7月19日、「12月20日特別委員会」設置を決め、パナマ市で20日、委員会が発足した。1989年12月20日、ブッシュ米政権による大規模軍事侵攻の犠牲者数を確認するなど、史実を明らかにするのが目的。
フアン=マヌエル・バレーラ大統領は2014年の米軍侵攻25周年記念日に、パナマ大統領として初めて最大被害地であるパナマ市内のエル・チョリージョ地区を訪れ、犠牲者の遺族らに真相究明を約束した。
政府は2015年1月から人権団体や国連と協議、設立に漕ぎつけた。委員会は、フアン・プラネル委員長(私立サンタマリーア・ラアンティグア大学長)ら5委員で構成される。
委員会は、犠牲者数確認、人権蹂躙確認、国喪日制定、記念碑建立、記憶博物館建設などについて協議し、作業を進める。任期はバレーラ大統領の残る任期の2年間。必要ならば延長も可能。今年12月の記念日に最初の報告書を発表する。
侵攻の犠牲者は、公式発表でパナマ兵314人、同市民200人、米兵23人が死亡したとされてきた。だが5000~8000人が殺されたとの非公式推計がある。委員会はまず犠牲者遺族によるの「唯一登録記録」を作成、犠牲者数を正確に割り出す。
プラネル委員長は、「米政府にパナマ侵攻に関する機密文書の公開を求める」と述べ、パナマ外務省は外交支援を約束した。委員長は「犠牲者遺族らが侵攻時の記憶を鮮明に維持しているのに励まされた。四半世紀以上も隠されてきた史実を明らかにしよう」と語った。
「犠牲者遺族・友人の会」のトゥリニダー・アヨーラ会長は、侵攻時にパナマ軍士官だった夫を殺された。「長い闘争の結果ここまで来た。正義を勝ち取った。さらなる闘いは痛ましいが、結論を出すまで進む。委員会が形式的なものになってはならない」と述べた。
委員会発足の式典を主催したイサベル・サンロマン副大統領兼外相は、「真実を知らずに和解はない。パナマは傷を癒し、国民和解に向かう」と語った。
委員会を、国連開発計画(PUND)、国連高等弁務官事務所などが支援する。
▼ラ米短信 玖米両国は7月20日、国交再開1周年を迎えた。玖外務省のホセフィーナ・ビダル米国局長は、「オバーマ大統領任期中に、後戻りできないほどの前進が必要だ。米国がクーバ支配の野望を捨てない限り、真正常化はありえない」と述べた。
玖政府はたとえば、米国の対玖謀略マルティ放送の打ち切りを求めてきたが、米側は「玖人権状況改善のため必要な手段」とのべ、廃止に応じない。
一方、米財務省は20日、米フェデラル・エクスプレス社に対玖貨物便運航を認可した。運航開始は来年1月15日。
▼ラ米短信 ニカラグアで7月19日、ソモサ独裁を倒したサンディニスタ革命(1979年)の37周年記念日行事が催された。ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領、エル・サルバドールのサルバドール・サンチェス=セレーン大統領、クーバのミゲル・ディアスカネル第1副議長ら外国代表団も出席した。
この日公表された最新の次期大統領候補支持率調査結果では、ダニエル・オルテガ現大統領が44%。8%が「オルテガ以外の候補」、26%が「誰も支持しない」、22%が無回答だった。
大統領選挙は11月6日実施される。任期は5年。オルテガは連続3選を目指している。
一方、オルテガが推進している「ニカラグア大運河」建設工事だが、施工会社HKND(香港本社)が予定していた「2019年12月の運河試験通航」は遅れる見通しになった、と伝えられる。
フアン=マヌエル・バレーラ大統領は2014年の米軍侵攻25周年記念日に、パナマ大統領として初めて最大被害地であるパナマ市内のエル・チョリージョ地区を訪れ、犠牲者の遺族らに真相究明を約束した。
政府は2015年1月から人権団体や国連と協議、設立に漕ぎつけた。委員会は、フアン・プラネル委員長(私立サンタマリーア・ラアンティグア大学長)ら5委員で構成される。
委員会は、犠牲者数確認、人権蹂躙確認、国喪日制定、記念碑建立、記憶博物館建設などについて協議し、作業を進める。任期はバレーラ大統領の残る任期の2年間。必要ならば延長も可能。今年12月の記念日に最初の報告書を発表する。
侵攻の犠牲者は、公式発表でパナマ兵314人、同市民200人、米兵23人が死亡したとされてきた。だが5000~8000人が殺されたとの非公式推計がある。委員会はまず犠牲者遺族によるの「唯一登録記録」を作成、犠牲者数を正確に割り出す。
プラネル委員長は、「米政府にパナマ侵攻に関する機密文書の公開を求める」と述べ、パナマ外務省は外交支援を約束した。委員長は「犠牲者遺族らが侵攻時の記憶を鮮明に維持しているのに励まされた。四半世紀以上も隠されてきた史実を明らかにしよう」と語った。
「犠牲者遺族・友人の会」のトゥリニダー・アヨーラ会長は、侵攻時にパナマ軍士官だった夫を殺された。「長い闘争の結果ここまで来た。正義を勝ち取った。さらなる闘いは痛ましいが、結論を出すまで進む。委員会が形式的なものになってはならない」と述べた。
委員会発足の式典を主催したイサベル・サンロマン副大統領兼外相は、「真実を知らずに和解はない。パナマは傷を癒し、国民和解に向かう」と語った。
委員会を、国連開発計画(PUND)、国連高等弁務官事務所などが支援する。
▼ラ米短信 玖米両国は7月20日、国交再開1周年を迎えた。玖外務省のホセフィーナ・ビダル米国局長は、「オバーマ大統領任期中に、後戻りできないほどの前進が必要だ。米国がクーバ支配の野望を捨てない限り、真正常化はありえない」と述べた。
玖政府はたとえば、米国の対玖謀略マルティ放送の打ち切りを求めてきたが、米側は「玖人権状況改善のため必要な手段」とのべ、廃止に応じない。
一方、米財務省は20日、米フェデラル・エクスプレス社に対玖貨物便運航を認可した。運航開始は来年1月15日。
▼ラ米短信 ニカラグアで7月19日、ソモサ独裁を倒したサンディニスタ革命(1979年)の37周年記念日行事が催された。ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領、エル・サルバドールのサルバドール・サンチェス=セレーン大統領、クーバのミゲル・ディアスカネル第1副議長ら外国代表団も出席した。
この日公表された最新の次期大統領候補支持率調査結果では、ダニエル・オルテガ現大統領が44%。8%が「オルテガ以外の候補」、26%が「誰も支持しない」、22%が無回答だった。
大統領選挙は11月6日実施される。任期は5年。オルテガは連続3選を目指している。
一方、オルテガが推進している「ニカラグア大運河」建設工事だが、施工会社HKND(香港本社)が予定していた「2019年12月の運河試験通航」は遅れる見通しになった、と伝えられる。
2016年6月30日木曜日
~「波路はるかに」~ パナマ市チョリージョ地区
◎2016・06「波路遥かに」~最終回~ 「パナマ市チョリージョ地区」
パナマ運河第3水路が6月26日開通した。20世紀後半、この運河を通航できない大型タンカー、コンテナ船、軍艦などが待ち望んでいた日だった。この日、ピースボート船内で、「パナマとパナマ運河の歴史」について講演した。
カラカスから乗船していたパナマ先住民(エンベラ人)の娘で20歳の大学生であるミリッツァ・フラコを壇上に迎え、感想を尋ねると、「パナマ人として開通を誇りに思う。パナマ市にいないのが残念。しかし生まれて初めての大型旅客船での航海も得難い体験です」と上手に答えた。
パナマ市には翌日行き、運河の太平洋側出口東岸に隣接する低所得者居住地区チョリージョを取材した。1989年12月20日のブッシュ父親政権による米軍大規模侵攻の最大の被害地で、いまだに侵攻による死傷者数はわかっていない。
フアン・バレーラ大統領は昨年、侵攻26周年を機に調査を約束。その調査委員会が近く発足する。同大統領の残る2年の任期中にどこまで解明できるか、それが当面のすべてだ。
「米軍パナマ侵攻死者遺族・友人の会」の代表者と、その娘に会った。代表者トゥリニダー・アヨロの夫、娘パウラ・ロドリゲスの父は軍人で、侵攻時、米軍に殺された。「調査で事実関係が判明し、賠償問題が出てくるはずですが、何よりも私たちが望むのは、米政府による公式な謝罪です」と母娘は口をそろえた。
侵攻時の爆撃で住まいを焼かれながら生き延びた女性は、恐怖の体験を生々しく語り、「すべてを失ったか、私と家族は全員、奇蹟的に命を失わずに済んだ」と述べた。地区のファティマ教会では、侵攻後の破壊の後を写した貴重な写真を見た。
この取材の後、運河東岸奥のトクーメン空港から久々に出発、トロント経由で帰国の途に就いた。今回は17日間、船内13日間の短い船旅だった。
パナマ運河第3水路が6月26日開通した。20世紀後半、この運河を通航できない大型タンカー、コンテナ船、軍艦などが待ち望んでいた日だった。この日、ピースボート船内で、「パナマとパナマ運河の歴史」について講演した。
カラカスから乗船していたパナマ先住民(エンベラ人)の娘で20歳の大学生であるミリッツァ・フラコを壇上に迎え、感想を尋ねると、「パナマ人として開通を誇りに思う。パナマ市にいないのが残念。しかし生まれて初めての大型旅客船での航海も得難い体験です」と上手に答えた。
パナマ市には翌日行き、運河の太平洋側出口東岸に隣接する低所得者居住地区チョリージョを取材した。1989年12月20日のブッシュ父親政権による米軍大規模侵攻の最大の被害地で、いまだに侵攻による死傷者数はわかっていない。
フアン・バレーラ大統領は昨年、侵攻26周年を機に調査を約束。その調査委員会が近く発足する。同大統領の残る2年の任期中にどこまで解明できるか、それが当面のすべてだ。
「米軍パナマ侵攻死者遺族・友人の会」の代表者と、その娘に会った。代表者トゥリニダー・アヨロの夫、娘パウラ・ロドリゲスの父は軍人で、侵攻時、米軍に殺された。「調査で事実関係が判明し、賠償問題が出てくるはずですが、何よりも私たちが望むのは、米政府による公式な謝罪です」と母娘は口をそろえた。
侵攻時の爆撃で住まいを焼かれながら生き延びた女性は、恐怖の体験を生々しく語り、「すべてを失ったか、私と家族は全員、奇蹟的に命を失わずに済んだ」と述べた。地区のファティマ教会では、侵攻後の破壊の後を写した貴重な写真を見た。
この取材の後、運河東岸奥のトクーメン空港から久々に出発、トロント経由で帰国の途に就いた。今回は17日間、船内13日間の短い船旅だった。
2016年4月26日火曜日
6月27日にパナマ運河第3水路の営業通航開始へ
パナマ運河庁(ACP)は4月25日、建設工事がほど終わっている同運河第3水路の通航式を6月26日実施と確認、翌27日から営業通航を始める、と発表した。
通航式にカリブ海側コロン市クリストーバル港方面から太平洋側のパナマ市バルボア港方面にかけて最初に通航する船は、4月29日、抽選で決める。日本郵船の液化石油ガス(LPG)運搬船「リンデン・プライド」号に決まる可能性があるという。
第3水路を通航する船舶は、「新パナマ運河最大限度」(ネオパナマックス)である、船幅49m、全長366m、喫水12・5m以内でなければならない。
ACPは2015年度の現行パナマ運河通航実績上位15カ国を初通航船抽選会に招いている。北米から米加、ラ米から智秘コロンビア赤墨グアテマラ巴ベネスエラ、欧州から西蘭、アジアから中日韓。同通航実績は米中智日の順だった。
パナマ政府は通航式に世界70カ国首脳を招待している。バラク・オバーマ米大統領、習近平中国主席、ラ米諸国首脳らが出席すると回答済み。「パナマ文書」問題との関連で出席に難色を示す首脳もいるという。
第3水路の建設工事は2007年に開始された。スペインの建設会社サシルを中心とする西伊巴企業連合が想定建設費の半値で落札したが、中途で資金不足に陥り、ACPと対立。当初、現行運河開通100周年の14年8月15日開通の目標が延期を重ねた。
費用も最終的に54億ドルに達した。ACPが見込んでいた額とほぼ同じだった。新水路を加えたパナマ運河は、世界の海運の6%を担い、年間通航料10億ドルをパナマにもたらすと見られている。
サシル社が新水路建設に貢献したスペインは、6月26日にやり直し総選挙を実施する予定で、国王も暫定首相も出席しない見通し。
▼ラ米短信 ブラジル上院は4月25日、このほど設置された弾劾審議特別委員会がまとめる見通しの弾劾裁判開始決議案を5月12日、本会議で採択する方針を決めた。
本会議採択は定数81の過半数(41議席)で可能。可決されれば、ヂウマ・ルセフ大統領は最大180日間、職務を離れなければならない。その間、弾劾裁判開始の是非をめぐって審議がなされ、最終的に弾劾裁判開始か否かが決まる。
大統領離職中は、副大統領が職務を代行する。だが、そのミシェル・テメル副大統領にも、ルセフと同じ弾劾理由の嫌疑がかけられている。
通航式にカリブ海側コロン市クリストーバル港方面から太平洋側のパナマ市バルボア港方面にかけて最初に通航する船は、4月29日、抽選で決める。日本郵船の液化石油ガス(LPG)運搬船「リンデン・プライド」号に決まる可能性があるという。
第3水路を通航する船舶は、「新パナマ運河最大限度」(ネオパナマックス)である、船幅49m、全長366m、喫水12・5m以内でなければならない。
ACPは2015年度の現行パナマ運河通航実績上位15カ国を初通航船抽選会に招いている。北米から米加、ラ米から智秘コロンビア赤墨グアテマラ巴ベネスエラ、欧州から西蘭、アジアから中日韓。同通航実績は米中智日の順だった。
パナマ政府は通航式に世界70カ国首脳を招待している。バラク・オバーマ米大統領、習近平中国主席、ラ米諸国首脳らが出席すると回答済み。「パナマ文書」問題との関連で出席に難色を示す首脳もいるという。
第3水路の建設工事は2007年に開始された。スペインの建設会社サシルを中心とする西伊巴企業連合が想定建設費の半値で落札したが、中途で資金不足に陥り、ACPと対立。当初、現行運河開通100周年の14年8月15日開通の目標が延期を重ねた。
費用も最終的に54億ドルに達した。ACPが見込んでいた額とほぼ同じだった。新水路を加えたパナマ運河は、世界の海運の6%を担い、年間通航料10億ドルをパナマにもたらすと見られている。
サシル社が新水路建設に貢献したスペインは、6月26日にやり直し総選挙を実施する予定で、国王も暫定首相も出席しない見通し。
▼ラ米短信 ブラジル上院は4月25日、このほど設置された弾劾審議特別委員会がまとめる見通しの弾劾裁判開始決議案を5月12日、本会議で採択する方針を決めた。
本会議採択は定数81の過半数(41議席)で可能。可決されれば、ヂウマ・ルセフ大統領は最大180日間、職務を離れなければならない。その間、弾劾裁判開始の是非をめぐって審議がなされ、最終的に弾劾裁判開始か否かが決まる。
大統領離職中は、副大統領が職務を代行する。だが、そのミシェル・テメル副大統領にも、ルセフと同じ弾劾理由の嫌疑がかけられている。
2016年4月4日月曜日
マクリ大統領も絡む脱税天国事件でパナマ政府が捜査開始
パナマ政府は4月3日、パナマ市にある「モサック・フォンセカ弁護士事務所」が運営する特殊会社の電脳が侵入され「パナマ文書」と名付けられた厖大な機密文書が盗まれて暴露された事件の捜査を開始した。文書内容は、南ドイツ新聞および「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ) 加盟のメディアが3日一斉に報じた。
流出したのは、過去数十年に亘りファイルされていた1150万点に及ぶ文書類で、世界約200カ国・地域の21万4000企業、72カ国の現職・元職書国家元首・政府首班、富裕有名人多数が顧客などとして絡んでいる。
パナマのJCバレーラ大統領は、パナマが脱税天国提供国名簿に入っていたのを屈辱とし、金融取引の「完全透明化」に努め、名簿からのパナマ削除を勝ち取った。それだけに今回の事件は強烈な打撃となった。
顧客名簿には、アルヘンティーナのマウリシオ・マクリ大統領、ロシアのウラディーミル・プーチン大統領、「世界一のサッカー選手」リオネル・メッシ(亜国人)、欧州サッカー連盟前会長ミシェル・プラティーニ(仏人)、スペイン人映画監督ペドロ・アルモドーバルらが関係する法人も含まれている。
亜国では3日、政府寄りの新聞「ラ・ナシオン」と、TV「13チャネル」が「パナマ文書」事件を報じた。マクリ大統領は同日、ブラジルでの投資を目的とする同族会社「フレグ商事」に父、兄弟と共に重役として参加していた事実を認めた。同社はバハマに置かれていた。
マクリは、「たまたま重役陣に名を連ねていただけで、資本に参加しなかったし配当金も受け取っていない」と釈明した。同商事は、マクリがブエノスアイレス市長になっていた2009年に営業を終えた。マクリは07~08年に米国などの銀行に口座を持っていたとも明かしている。
去る1日ワシントンでマクリは、核物資・兵器安保首脳会議出席の折、安倍首相と会談。亜国側報道によると、安倍は「亜国が自由経済を伴う新しい時代を推進しているのは日本にとっても喜ばしい」と述べ、マクリは気を良くした、という。
また日本側は、亜国が希望するOECD(経済協力開発機構)加盟と、2018年のG20首脳会議の亜国開催を支持した、と報じられている。「パナマ文書」事件で、日本側のマクリの印象が多少変化するのを否めまい。
問題を複雑にしているのは、上記弁護士事務所の幹部所員である弁護士ランモー・フォンセカが、バレーラ大統領の顧問であることだ。
流出したのは、過去数十年に亘りファイルされていた1150万点に及ぶ文書類で、世界約200カ国・地域の21万4000企業、72カ国の現職・元職書国家元首・政府首班、富裕有名人多数が顧客などとして絡んでいる。
パナマのJCバレーラ大統領は、パナマが脱税天国提供国名簿に入っていたのを屈辱とし、金融取引の「完全透明化」に努め、名簿からのパナマ削除を勝ち取った。それだけに今回の事件は強烈な打撃となった。
顧客名簿には、アルヘンティーナのマウリシオ・マクリ大統領、ロシアのウラディーミル・プーチン大統領、「世界一のサッカー選手」リオネル・メッシ(亜国人)、欧州サッカー連盟前会長ミシェル・プラティーニ(仏人)、スペイン人映画監督ペドロ・アルモドーバルらが関係する法人も含まれている。
亜国では3日、政府寄りの新聞「ラ・ナシオン」と、TV「13チャネル」が「パナマ文書」事件を報じた。マクリ大統領は同日、ブラジルでの投資を目的とする同族会社「フレグ商事」に父、兄弟と共に重役として参加していた事実を認めた。同社はバハマに置かれていた。
マクリは、「たまたま重役陣に名を連ねていただけで、資本に参加しなかったし配当金も受け取っていない」と釈明した。同商事は、マクリがブエノスアイレス市長になっていた2009年に営業を終えた。マクリは07~08年に米国などの銀行に口座を持っていたとも明かしている。
去る1日ワシントンでマクリは、核物資・兵器安保首脳会議出席の折、安倍首相と会談。亜国側報道によると、安倍は「亜国が自由経済を伴う新しい時代を推進しているのは日本にとっても喜ばしい」と述べ、マクリは気を良くした、という。
また日本側は、亜国が希望するOECD(経済協力開発機構)加盟と、2018年のG20首脳会議の亜国開催を支持した、と報じられている。「パナマ文書」事件で、日本側のマクリの印象が多少変化するのを否めまい。
問題を複雑にしているのは、上記弁護士事務所の幹部所員である弁護士ランモー・フォンセカが、バレーラ大統領の顧問であることだ。
2016年3月28日月曜日
建設中のパナマ運河第3水路は6月26日開通へ
パナマ運河庁(ACP)のホルヘ・キハーノ長官は3月27日、建設工事中の同運河第3水路は6月26日に開通する、と発表した。
当初は、現行運河開通100周年の2014年8月15日に通航開始の予定だったが、工事期間が大幅に延び、2年近く遅れて開通することになった。
▼【ラ米短信】アルゼンチン政府は3月27日、ラ米多国籍国テレビ放送「テレスール(南部テレビ)」から脱退する、と発表した。
このTV放送局は、故ウーゴ・チャベス前ベネスエラ大統領の肝煎りで2005年に開局、その10周年を去年迎えていた。
チャベスは、強力な米TV網に対抗し、ラ米独自の視点から取材、報道するメディアとしてテレスール開設を友邦に働きかけ、実現させた。ベネスエラ、クーバ、ニカラグア、エクアドール、ボリビア、ウルグアイが加盟している。亜国は16%出資していた。
当初は、現行運河開通100周年の2014年8月15日に通航開始の予定だったが、工事期間が大幅に延び、2年近く遅れて開通することになった。
▼【ラ米短信】アルゼンチン政府は3月27日、ラ米多国籍国テレビ放送「テレスール(南部テレビ)」から脱退する、と発表した。
このTV放送局は、故ウーゴ・チャベス前ベネスエラ大統領の肝煎りで2005年に開局、その10周年を去年迎えていた。
チャベスは、強力な米TV網に対抗し、ラ米独自の視点から取材、報道するメディアとしてテレスール開設を友邦に働きかけ、実現させた。ベネスエラ、クーバ、ニカラグア、エクアドール、ボリビア、ウルグアイが加盟している。亜国は16%出資していた。
2015年12月23日水曜日
パナマ最高裁がR・マルティネリ前大統領の逮捕を命ず
パナマ最高裁は12月21日、国外逃亡中のリカルド・マルティネリ前大統領の逮捕を命じた。マルティネリは大統領在任中に犯した公金横領5件、政治家、ジャーナリストら150人の電話盗聴などの容疑で起訴され、検察から禁錮21年を求刑されている。
マルティネリは「スペル99」という国内最大のスペルメルカード網の経営者で超富裕者だが、金銭に汚いと指摘されてきた。今年1月出国し、マイアミに滞在中。12月11日の公判に出廷しなかったため、最高裁は逮捕命令を出した。
5年の在任中の4年間マルティネリは、逃亡中だったコロンビア元国家情報局(DAS)長官マリーア・デルピラルを匿っていた。マルティネリは思想的には右翼で、コロンビア極右のアルバロ・ウリーベ前大統領と親しかった。
パナマでは昨年、フアン・バレーラ大統領が就任、デルピラルは今年コロンビアに追放され、禁錮14年の実刑に処せられた。
マルティネリは「スペル99」という国内最大のスペルメルカード網の経営者で超富裕者だが、金銭に汚いと指摘されてきた。今年1月出国し、マイアミに滞在中。12月11日の公判に出廷しなかったため、最高裁は逮捕命令を出した。
5年の在任中の4年間マルティネリは、逃亡中だったコロンビア元国家情報局(DAS)長官マリーア・デルピラルを匿っていた。マルティネリは思想的には右翼で、コロンビア極右のアルバロ・ウリーベ前大統領と親しかった。
パナマでは昨年、フアン・バレーラ大統領が就任、デルピラルは今年コロンビアに追放され、禁錮14年の実刑に処せられた。
2015年12月22日火曜日
パナマ運河第3水路開通は来年前半の見通し
パナマ運河第3水路の建設工事が遅れている。パナマ運河庁(ACP)は2016年1月15日の開通を予定していたが、開通は同年4~6月の第2・4半期になるもようだ。
ACPのホルヘ・キハーノ長官は12月18日、第3水路太平洋岸の閘門の一つの上部に亀裂が見つかり、その修復工事が来年1月半ばまでかかると明らかにした。第3水路の通航試験は来年4月に予定され、その後6月までに、開通する運びという。
工事はイタリア企業が率いる企業連合が2007年9月に開始、96%は終わっているという。その過程では工事資金不足で企業連合とACPが対立する事態があり、工期が遅れる原因となった。
ACPは当初、現行運河開通100周年の2014年8月15日に第3水路の開通を予定していたが、再三延期され、今では「来年前半」となっている。
一方、近隣のニカラグアでは「ニカラグア大運河」の建設工事が2014年12月から始まっている。その開通は2020年代前半になる模様だが、完成すれば第3水路を備えたパナマ運河の競争相手になると目されている。
ACPのホルヘ・キハーノ長官は12月18日、第3水路太平洋岸の閘門の一つの上部に亀裂が見つかり、その修復工事が来年1月半ばまでかかると明らかにした。第3水路の通航試験は来年4月に予定され、その後6月までに、開通する運びという。
工事はイタリア企業が率いる企業連合が2007年9月に開始、96%は終わっているという。その過程では工事資金不足で企業連合とACPが対立する事態があり、工期が遅れる原因となった。
ACPは当初、現行運河開通100周年の2014年8月15日に第3水路の開通を予定していたが、再三延期され、今では「来年前半」となっている。
一方、近隣のニカラグアでは「ニカラグア大運河」の建設工事が2014年12月から始まっている。その開通は2020年代前半になる模様だが、完成すれば第3水路を備えたパナマ運河の競争相手になると目されている。
2015年8月16日日曜日
アラブ首長国連邦とパナマ間に直行便運航へ
アラブ首長国連邦(UAE)のエミレイト航空が来年2月1日から、ドゥバイ-パナマ市間に途中無着陸往復直行便を毎日運航することになった。8月12日発表された。
航続距離は1万3821km。現在の最長路線は豪州クアンタス航空が運航するシドニー-ダラス便だが、ドゥバイ-パナマ市便は、これを上回り世界最長路線となるという。
昨年11月、パナマのイサベル・サンマロ副大統領がUAEを訪問した際、新路線開設について話し合われた。
エミレイト航空はB777-200LR機(客席266、貨物搭載量15トン)を使用する。ドゥバイ発はEK251便、その折り返し便でパナマ市発はEK252便となる。
航続距離は1万3821km。現在の最長路線は豪州クアンタス航空が運航するシドニー-ダラス便だが、ドゥバイ-パナマ市便は、これを上回り世界最長路線となるという。
昨年11月、パナマのイサベル・サンマロ副大統領がUAEを訪問した際、新路線開設について話し合われた。
エミレイト航空はB777-200LR機(客席266、貨物搭載量15トン)を使用する。ドゥバイ発はEK251便、その折り返し便でパナマ市発はEK252便となる。
2015年6月26日金曜日
パナマのマヌエル・ノリエガ受刑囚が獄中から謝罪
パナマ元軍政首班マヌエル・ノリエガ退役将軍(81)は6月24日、刑務所内でテレメトロTV取材に応じ、軍政期の行状を国内関係者に謝罪するメンサヘ(メッセージ)を読み上げた。
ノリエガは1983年軍政首班となったが、85年9月、部下を使って政敵ウーゴ・スパダフォラを暗殺するなど、暴虐に関与した。メンサヘは、「私、上司、部下にる行状の犠牲者の関係者全員に詫びる」という趣旨。
ノリエガの最大の上司だったオマール・トリホス将軍は81年に、ヘリコプター事故を装った爆殺で暗殺されたが、政敵は、ノリエガを「(CIAの)共犯者」と指摘していた。
米政府のパナマ政策、CIAの策謀、ブッシュ父親、その息子(後の大統領)のパナマにおける行状などを「知りすぎていた」とされるノリエガは、89年12月、ブッシュ父親大統領が命じた大規模な米軍侵略によって打倒され、90年1月初めマイアミに連行された。
この米軍侵攻で、貧困層を中心にパナマ人3000~8000人が殺されたと推定されるが、調査が実施されていないため、正確な死者数、負傷者数は不明のままだ。現在は、調査を求める声が被害者遺族らから高まっている。
ノリエガは米国で「麻薬取引」罪により禁錮20年の刑に服役した後、フランスの刑務所に送られ短期間服役してから、2011年12月パナマに送還された。
パナマでは、スパダフォラ暗殺などの事件で60年の禁錮刑に服している。終身刑を上回る重刑だ。
今回の謝罪は、高齢なうえ糖尿病などを患っているため、恩赦で釈放され静かに余生を送りたい意思の表れ、と解釈されている。
ノリエガと関係の深かった実業家リカルド・マルティネリ前大統領は25日、ノリエガの謝罪は誠実なものだとし、恩赦を与えるのが妥当と受け取れる見解を示した。
ノリエガは1983年軍政首班となったが、85年9月、部下を使って政敵ウーゴ・スパダフォラを暗殺するなど、暴虐に関与した。メンサヘは、「私、上司、部下にる行状の犠牲者の関係者全員に詫びる」という趣旨。
ノリエガの最大の上司だったオマール・トリホス将軍は81年に、ヘリコプター事故を装った爆殺で暗殺されたが、政敵は、ノリエガを「(CIAの)共犯者」と指摘していた。
米政府のパナマ政策、CIAの策謀、ブッシュ父親、その息子(後の大統領)のパナマにおける行状などを「知りすぎていた」とされるノリエガは、89年12月、ブッシュ父親大統領が命じた大規模な米軍侵略によって打倒され、90年1月初めマイアミに連行された。
この米軍侵攻で、貧困層を中心にパナマ人3000~8000人が殺されたと推定されるが、調査が実施されていないため、正確な死者数、負傷者数は不明のままだ。現在は、調査を求める声が被害者遺族らから高まっている。
ノリエガは米国で「麻薬取引」罪により禁錮20年の刑に服役した後、フランスの刑務所に送られ短期間服役してから、2011年12月パナマに送還された。
パナマでは、スパダフォラ暗殺などの事件で60年の禁錮刑に服している。終身刑を上回る重刑だ。
今回の謝罪は、高齢なうえ糖尿病などを患っているため、恩赦で釈放され静かに余生を送りたい意思の表れ、と解釈されている。
ノリエガと関係の深かった実業家リカルド・マルティネリ前大統領は25日、ノリエガの謝罪は誠実なものだとし、恩赦を与えるのが妥当と受け取れる見解を示した。
2015年5月13日水曜日
パナマ中等教育で「対米関係史」が必須科目に
パナマ政府官報は5月12日、「パナマ・米国関係史」を公立・私立ともに中等学校の必須科目とすることを定めた新法を記載した。
教師は、歴史学を修めた者に限られる。
教師は、歴史学を修めた者に限られる。
2015年1月20日火曜日
ニカラグア運河ができればパナマ運河の需要30%奪われる
パナマ運河庁(ACP)のホルヘ・キハーノ長官は1月19日国会での報告で、ニカラグア運河が開通すれば、パナマ運河は年間通航需要の30%を奪われる可能性があると述べた。
長官は、パナマ運河建設には5億5000万m3の土砂を掘る必要があったとし、ニカラグア運河は推計55億m3を掘らねばならないと指摘した。
長官は、パナマ運河建設には5億5000万m3の土砂を掘る必要があったとし、ニカラグア運河は推計55億m3を掘らねばならないと指摘した。
2014年12月27日土曜日
ニカラグア運河はパナマ運河の市場3割奪う、と予測
パナマ運河庁(ACP)のホルヘ・キハーノ長官は12月26日記者会見し、このほど建設工事が始まったニカラグア運河について、「総工費は700億ドルに達する可能性がある。完成すれば、パナマ運河の市場を3割奪うことになろう」と指摘した。
長官は続けて、「だからこそ我が方は新しいサービスを提供せねばならない」として、建設中の第3閘門式水路のカリブ海側出口コロサルに巨大なコンテナ港を建設することを明らかにした。総工費6億ドルで、工期18カ月。
第3水路の工事は85%済んだ、とも明らかにした。長官はスエズ運河拡張工事にも触れ、「来年完了する。スエズ拡張でパナマ運河は市場を3%奪われる」と述べた。
長官は続けて、「だからこそ我が方は新しいサービスを提供せねばならない」として、建設中の第3閘門式水路のカリブ海側出口コロサルに巨大なコンテナ港を建設することを明らかにした。総工費6億ドルで、工期18カ月。
第3水路の工事は85%済んだ、とも明らかにした。長官はスエズ運河拡張工事にも触れ、「来年完了する。スエズ拡張でパナマ運河は市場を3%奪われる」と述べた。
2014年12月21日日曜日
米軍侵攻25周年に際しパナマ政府が調査開始へ
パナマは12月20日、米軍軍事侵攻25周年記念日を迎え、パナマ市内のエル・チョリージョ地区を中心に追悼行事が催された。米軍に殺害された市民らの遺族は中心街から、パナマ運河に近い同地区まで行進し、式典に臨んだ。黒服姿で歩くことから「黒い行進」と呼ばれる。同地区では米軍の爆撃で多数の市民が殺された。
フアン=カルロス・バレーラ大統領は同地区に建立されている犠牲者追悼碑に花輪を捧げ、黙祷した。1990年の記念日以来、大統領が追悼行事に参列したのは初めて。
米国のジョージ・ブッシュ(父)大統領は、「米国の秘密を知りすぎた男」マヌエル・ノリエガ将軍を米国に連行し、米国に都合の悪い機密資料などを破壊するため侵攻した。侵攻作戦には皮肉にも「正当な大義」と、正反対の名前が被せられた。
これまでの大まかな調査では、侵攻で殺されたパナマ人は5000~8000人とされる。政府は正式に調査したことがなく、犠牲者数は依然不明。
遺族会のトゥリニダー・アヨラ代表は、バレーラ大統領に、12月20日を「国喪の日」に指定すること、犠牲者・不明者数確定、米国への賠償・謝罪要求、記念館開設などを訴えた。
大統領は調査委員会を設置し、アヨラ代表の要請のすべてを調査項目に含めると約束した。委員長には、イサベル・デサンマロ副大統領兼外相が就任する。
ノリエガ将軍は1990年初め米軍によってマイアミに連行され、麻薬取引罪などで禁錮20年に処せされた後、フランスで2年間収監され、帰国後はパナマで暗殺命令罪などで長期刑に服している。
フアン=カルロス・バレーラ大統領は同地区に建立されている犠牲者追悼碑に花輪を捧げ、黙祷した。1990年の記念日以来、大統領が追悼行事に参列したのは初めて。
米国のジョージ・ブッシュ(父)大統領は、「米国の秘密を知りすぎた男」マヌエル・ノリエガ将軍を米国に連行し、米国に都合の悪い機密資料などを破壊するため侵攻した。侵攻作戦には皮肉にも「正当な大義」と、正反対の名前が被せられた。
これまでの大まかな調査では、侵攻で殺されたパナマ人は5000~8000人とされる。政府は正式に調査したことがなく、犠牲者数は依然不明。
遺族会のトゥリニダー・アヨラ代表は、バレーラ大統領に、12月20日を「国喪の日」に指定すること、犠牲者・不明者数確定、米国への賠償・謝罪要求、記念館開設などを訴えた。
大統領は調査委員会を設置し、アヨラ代表の要請のすべてを調査項目に含めると約束した。委員長には、イサベル・デサンマロ副大統領兼外相が就任する。
ノリエガ将軍は1990年初め米軍によってマイアミに連行され、麻薬取引罪などで禁錮20年に処せされた後、フランスで2年間収監され、帰国後はパナマで暗殺命令罪などで長期刑に服している。
2014年11月7日金曜日
パナマ運河第3水路の最後の閘門一式が到着へ
パナマ運河庁は11月6日、閘門式第3水路の建設工事は80%強進んでいる、と明らかにした。完成は来年末で、2016年1月15日開通を予定している。
同水路に用いられる閘門一式は、イタリアのトゥリエステ港から中国の特殊貨物船で運ばれており、運河のカリブ海側に11日到着する。これをもって閘門は全て到着したことになる。
建設工事の遅れは、資金不足と閘門建設の遅れが原因。当初、第3水路開通は、パナマ運河開通100周年の今年8月15日に予定されていた。
同水路に用いられる閘門一式は、イタリアのトゥリエステ港から中国の特殊貨物船で運ばれており、運河のカリブ海側に11日到着する。これをもって閘門は全て到着したことになる。
建設工事の遅れは、資金不足と閘門建設の遅れが原因。当初、第3水路開通は、パナマ運河開通100周年の今年8月15日に予定されていた。
2014年9月26日金曜日
マクリ亜国大統領らの絡む「脱税天国」事件捜査をパナマ政府が開始
パナマ政府は4月3日、パナマ市にあるモサック・フォンセカ弁護士事務所の電脳網が侵入され「パナマ文書」と名付けられた機密文書が同日の報道で暴かれた事件の捜査に協力すると表明、同日、捜査を開始した。
同文書は過去数10年に亘る1150万点に及ぶ膨大な量で、世界200カ国・地域にまたがる21万4000企業、現職・元職の国家元首・政府首班72人らが絡んだ脱税天国事件を記している。
パナマのJCバレーラ大統領は、パナマが脱税関与国名簿に載っていたのを屈辱とし、金融取引の「完全透明化」を優先政策に掲げ、同名簿からのパナマ除外を勝ち取った。それだけに大統領にとって、今回の暴露は極めて不都合な出来事だ。
弁護士事務所から電脳で盗奪された機密文書は3日、「国際調査報道ジャーナリスト協会」(ICIJ)加盟のメディアによって一斉に報じられた。ウラディーミル・プーチン露大統領、マウリシオ・マクリ亜大統領、「世界一のサッカー選手」リオネル・メッシ(亜国人)、欧州サッカー連盟前会長ミシェル・プラティーニ(仏)、スペイン人映画監督ペドロ・アルモドーバルら数多くの著名富裕層の関与が指摘されている。
マクリ亜国大統領は3日、父や兄弟と共に家族会社「フレグ商事」の重役を務めていた事実を認めたが、「たまたま重役になっただけで、資本参加せず配当金も受け取っていない」と釈明した。同社はマクリがブエノスアイレス市長だった2009年まで存続した。
マクリは、07~08年に米国内に銀行口座を持ち、他国にも持っていたと明かしている。マクリは去る1日、ワシントンでの核物資・兵器安保首脳会議で、安倍首相と会談している。今回の事件暴露で、日本側のマクリを見るめも多少変化するはずだ。
同文書は過去数10年に亘る1150万点に及ぶ膨大な量で、世界200カ国・地域にまたがる21万4000企業、現職・元職の国家元首・政府首班72人らが絡んだ脱税天国事件を記している。
パナマのJCバレーラ大統領は、パナマが脱税関与国名簿に載っていたのを屈辱とし、金融取引の「完全透明化」を優先政策に掲げ、同名簿からのパナマ除外を勝ち取った。それだけに大統領にとって、今回の暴露は極めて不都合な出来事だ。
弁護士事務所から電脳で盗奪された機密文書は3日、「国際調査報道ジャーナリスト協会」(ICIJ)加盟のメディアによって一斉に報じられた。ウラディーミル・プーチン露大統領、マウリシオ・マクリ亜大統領、「世界一のサッカー選手」リオネル・メッシ(亜国人)、欧州サッカー連盟前会長ミシェル・プラティーニ(仏)、スペイン人映画監督ペドロ・アルモドーバルら数多くの著名富裕層の関与が指摘されている。
マクリ亜国大統領は3日、父や兄弟と共に家族会社「フレグ商事」の重役を務めていた事実を認めたが、「たまたま重役になっただけで、資本参加せず配当金も受け取っていない」と釈明した。同社はマクリがブエノスアイレス市長だった2009年まで存続した。
マクリは、07~08年に米国内に銀行口座を持ち、他国にも持っていたと明かしている。マクリは去る1日、ワシントンでの核物資・兵器安保首脳会議で、安倍首相と会談している。今回の事件暴露で、日本側のマクリを見るめも多少変化するはずだ。
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