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2017年2月19日日曜日

 ガイアナ開催のカリコム首脳会議が「単一市場・経済」設立で合意。ハバナで3月、キューバと関税自由化決定へ

 カリブ共同体(カリコム)は2月16~17両日、ガイアナの首都ジョージタウンで第28回首脳会議を開催。デイヴィド・グランジャー同国大統領を議長に諸問題を討議し、「カリコム単一市場・経済」(CSME)の早期設立で合意した。

 今会議には、2月7日就任したばかりのアイチ(ハイチ)のジョヴネル・モイーズ大統領が初出席、外交デビューした。首脳は他に6カ国首相が出席、あとは外相らが出席した。

 グランジャー議長は、「加盟15カ国・地域の総面積は240万km2だが、相互に隔たっていて交通が不便であり、天変地異が頻繁に起き、インフラ整備もままならない。米英をはじめとする対外関係も堅固ではない」と状況を総括。観光立国だけでは経済が立ち行かないことや、カリブ地域の団結強化の必要性を強調した。

 ハバナで3月、カリコム・クーバ関税協定をめぐる外相会議が開かれ、クーバがカリコム産品349品目、カリコムが玖86品目の関税をそれぞれ自由化することも明らかにされた。

 グレナダのケイス・ミチェル首相が7月から次期議長になることも決まった。

▼ラ米短信  ◎米政府がベネスエラに内政干渉強化

 米国務省は2月18日、ベネスエラ政府に対し、野党極右指導者レオポルド・ロペス受刑囚の釈放を求めた。共和党右翼でフロリダ州選出の玖系上院議員マルコ・ルビオの進言などを受け、ドナルド・トランプ大統領はベネスエラ締め付け政策を決めている。

 ロペスは2014年2月にカラカスなどで始まったグアリンバ(街頭暴力)を教唆した罪などで、禁錮14年の実刑に服役中。米政府、ロペス支援者、多くのメディアはロペスを「良心の囚人」、「政治囚」などと呼んでいる。だが、刑事犯罪関与については全く触れていない。このため「虚偽ニュース」の様相を呈している。

 カラカスでは18日、街頭暴力で殺された43人の遺族や800人の負傷者の家族らと支援者多数が行進。代表者は、3年前の暴力事件に関与したロペスの実刑14年は軽すぎると抗議した。ニコラース・マドゥーロ大統領は犠牲者遺族らの立場を支持、間接的ながら米国務省への意思表示をした。この日、ロペス支援者も別途、釈放要求行動を展開した。

 一方、タレク・エルアイサミ副大統領を「ヒズボラの代理人」と伝える電脳メディアがある。これも確固たる証拠を明確に提示していない。

 「ポスト真実」期と呼ばれる現代、反真実、フェイクニュースが飛び交っている。基盤には反知性がある。マスメディアの保守化、政府付随化などが「反真実」状況を促進している。

▼ラ米短信  ◎エクアドール大統領選挙始まる

 エクアドール(赤道国)で2月19日、正副大統領、国会議員137人、アンデス議会議員5人を選ぶ総選挙が始まった。結果はJST(日本時間)20日昼前に判明する見通し。 

 

2015年7月6日月曜日

バルバドスでの第36回カリコム首脳会議終わる

 バルバドスの首都ブリッジタウンで7月2~4日開かれた第36回カリブ共同体(カリコム)年次首脳会議の最終声明が5日、バルバドス政府から発表された。

 声明は出席者名を並べただけで、会議の議題や討議内容に触れておらず、かなりの対立があったことを窺わせる。

2015年7月3日金曜日

カリブ共同体がブリッジタウンで首脳会議開く

 カリブ共同体(カリコム)は7月2日、バルバドスの首都ブリッジタウンで第36回年次首脳会議を開いた。4日まで、経済問題と、「持続可能な開発」について討議する。

 現在、域内の政治問題は、ベネスエラと領土紛争が持ち上がっている加盟国ガイアナを支持するか否かだ。だが最重要の協賛国で、カリブ石油連帯機構(ペトロカリーベ)を通じてカリブ地域に強大な影響力を持つベネスエラに配慮し、会議はこの領土問題に直接的には触れない構えだ。

 2日、べネスエラのホルヘ・アレアサ副大統領がブリッジタウン入りしており、ガイアナ首脳との話し合いも予想される。

2015年4月10日金曜日

オバマ米大統領がカリブ共同体首脳と会合

 バラク・オバーマ米大統領は4月9日、キングストンでジャマイカ首相パーシア・シンプソンミラーと会談した。会談後、大統領は、「クーバを<テロリズム支援国家指定>から近々外す」と述べた。

 オバーマは首相との会談後、カリブ共同体(カリコム)首脳陣と会合し、「カリブエネルギー安保」構想を説明し、参加するよう呼びかけた。

 また、「公害をもたらさないエネルギー」開発用に米政府が2000万ドルを出し、民間企業と公共団体に投資を促す計画も打ち出した。

 大統領は9日、第7回米州首脳会議が開かれるパナマ市に到着した。同市には既にラウール・カストロ玖国家評議会議長、エンリケ・ペニャ=ニエト墨大統領が到着済みだった。

2015年3月1日日曜日

カリコム首脳会議が食糧増産を決め閉会

 カリブ共同体(カリコム)はバハマの首都ナッソーで2月27日首脳会議を終えた。域内の飢餓を無くすため食糧増産計画で協力し合うことや、機構事務局の財政改善などを決めた。

 加盟国のジャマイカは24日、大麻を条件付きで合法化した。首脳会議では、大麻消費の合法化を含む法的規制も話し合われた。

 会議はまた、ゴルペ(クーデター)の陰謀を打ち砕いたベネスエラのマドゥーロ政権への支持、玖米国交正常化合意への支持を表明した。

 ドミニカ共和国(RD)の加盟は、同国内でのハイチ人の地位をめぐる問題が未解決として、またも延期された。

2014年7月30日水曜日

安倍首相歴訪に覆いかぶさる「中国の影」

 ラ米・カリブ諸国歴訪中の安倍首相は7月28日、トゥリニダード・トバゴ(TT)訪問を終え、コロンビアの首都ボゴタに到着した。TTでは首都ポートオブスペインで、TTおよびカリブ共同体(カリコム)首脳らと首脳会議を開き、個別会談した。だが、カリコム首脳14人のうち5人が欠席するなど、盛り上がりはいま一つだった。

 TTのカムラ・パサードビセッサー首相との27日の会談で安倍は、東京にTT大使館を開設するよう要請した。これに対しTT首相は外務省と検討すると応じながら、投資受け入れなどを扱う経済代表部をまず開設する可能性に触れた。それが将来的に大使館に格上げされる場合、TTだけでなくカリコム代表部の機能を備えることになる、説明した。

 安倍は27日、カリコム輪番制議長国アンティグア・バーブーダのガストン・ブラウン首相、およびTTと並ぶカリコム大国ジャマイカのポーシア・シンプソンミラー首相とも会談した。ブラウン首相は、安倍首相とカリコム首脳の会合が開かれた28日には、カラカスでのチャベス生誕60周年記念行事に出席している。

 安倍は28日のカリコムとの首脳会議の後、バルバドス、ドミニカ、グレナダ、セントキッツネーヴィスの首相、ガイアナおよびハイチの大統領とそれぞれ個別会談を行なった。

 ジャマイカ・オブザーバー紙は29日、「TT日本国交樹立50周年とカリコム日本友好年」を記念した首脳会議と、会議の意義を認めながらも、27日には「この首脳会議には中国の巨大な影が差している」と指摘していた。

 安倍首相はカリコムとの首脳会議で、「力や威嚇による一方的な現状変更の試みがある」と暗に中国を批判した。まさに同紙の指摘通りだった。

 会議では、日本による経済援助、防災協力、地球温暖化対策協力などが決まった。

 また「ラテンポースト」は29日、中国の習近平主席が7月半ばのBRICS首脳会議で発表された金融機関に巨額の出資をすることや、ラ米のインフラ整備援助200億ドル供出を約束した事実を挙げて、安倍訪問が中国の外交成果を覆すのは難しい、と論評した。

 カリコム加盟14カ国のうち6カ国は台湾と外交関係を維持しているが、安倍が要請した国連安保理非常任理事国選挙での日本支持について、同6カ国は応じやすい、と見るメディアもある。

 一方、英紙フィナンシャル・タイムズは28日、「地球を駆け巡る安倍晋三は中国に取りつかれた世界に日本を売り込んでいる」と題した香港発の解説記事を掲げた。「就任後18ヶ月間に47カ国を訪問した安倍は、世界のどの首脳と比べても桁外れに外遊が多い」と指摘。「安倍は習主席の後を追いかけている」と、23日に主席のラ米歴訪が終わった直後の25日に安倍が歴訪を開始した事実を皮肉っている。
 

 同紙はまた、2011年の東電福島原発の放射能漏れ重大事故の後ゆえに、「安倍は石油と天然ガスの供給源を探す必要に迫られている」と述べた。
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 安倍首相一行は28日夜、ボゴタの軍事空港に到着し、マリーア・オルギン外相に迎えられた。29日にはフアン・サントス大統領と会談する。

 有力紙エル・ティエンポは、「安倍首相が中韓両国を訪問していないのは、両国との緊張関係を見れば不思議はない」と論評した。また安倍が、「2008年のコロンビア・日本友好100周年」に首相経験者としてコロンビアを訪れた、と紹介している。

2014年3月15日土曜日

カリブ共同体が、大麻合法化検討委員会を設置

 カリブ共同体・共同市場(カリコム)は3月11、12両日、セントヴィンセント&グラナディーンの首都キングスタウンで首脳会議を開いた。輪番制議長の同国首相ラルフ・ゴンサルヴェスが会議議長を務めた。

 会議は、大麻を医療用使用および「嗜好品としての少量使用」を合法化するか否かを検討する委員会の設置を決めた。委員会は7月にアンティグア&バーブーダの首都セントジョンズで開かれる次回首脳会議に報告書を提出する。

 会議はまた、ラ・ドミニカーナ(RD)に対し、隣国アイチ(ハイチ)出身の居住労働者を退去させた問題の解決策として立法化を急ぐよう要請した。RDはカリコム加盟を望んでいるが、アイチ人問題が未解決のため、カリコムは加盟手続きを凍結している。

 加盟国には、旧宗主国に対し奴隷貿易、奴隷酷使の賠償金支払いを求めるべきだとする意見が根強くある。今会議でも話し合われたが、進展はなかった。
 

2013年7月5日金曜日

カリコムが設立条約40周年に首脳会議開催


 トゥリニダード&トバゴ(TT)の首都ポートオブスペインで7月4日、カリコム(カリブ共同体・共同市場)の第34回首脳会議が開かれた。1973年のこの日、カリコムを創設する条約がTTのチャグアラアスで調印された。その40周年記念日に因む。

 会議は6日までで、「戦略的5カ年計画」などを話し合う。バルバドスのオーウェン・アーサー首相は、「我々加盟小国群は共に泳ぎ渡るか、ばらばらに泳いで溺れるか、のいずれかだ」と述べ、団結を呼びかけた。

 カリコムには英連邦12カ国、ハイチ、スリナムの計14カ国と、英領モンセラトが加盟している。