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2018年5月4日金曜日

 「世界報道の自由の日」にアルゼンチンで「責任編集と職業ジャーナリズム重視」、「虚偽ニュース拒否」を訴え▼記者殺害頻発するラ米で進歩主義退潮、大企業のメディア独占で「富裕支配層の報道の自由に傾斜」との指摘▼日本では注目度低い「報道の自由日」▼5月3日は朝日新聞阪神支局襲撃事件発生日でもある

 ユネスコ「世界報道の自由の日」の5月3日、亜国ジャーナリズム企業協会(ADEPA)加盟の約200のメディアは電子版で、「このニュースは責任ある編集に基づく」という点を明確に表明し、「社会メディアの虚偽ニュースを拒否しよう」と呼び掛けるた。
 また、「#職業ジャーナズムはシ(良し)」、「#虚偽ニュースはノ(駄目)」と発信することを決め、一斉に発信した。
 クラリン、ラ・ナシオン、インフォバーエ、ぺルフィール、ラ・ガセータ、ラ・ボス・デ・インテリオール、TNなど、アルゼンチンの主要メディアが参加している。

 この「報道の自由の日」は1993年5月3日、ナミビア首都ウィントフクで開かれたユネスコ主催「アフリカ独立メディア促進セミナー」での決定を受け、翌94年に施行。今年は第25回となる。

 「国境のない記者団」の判断による「2018年報道の自由度順位」(世界約190カ国対象)によれば、LAC(ラ米・カリブ地域)では、ジャマイカが上位6位、コスタ・リカが10位に入った。下位10位では、社会主義キューバが最下位から9番目につけた。

 そのキューバでは玖ジャーナリスト協会(UPEC)が会合を開き、ラ米では2017年にジャーナリスト37人が殺害されたと報告した。
 キューバで最後にジャーナリストが殺されたのは、革命戦争中の1958年5月13日、反乱軍が立て籠もるマエストラ山脈でフィデル・カストロ最高司令らを取材し、ハバナから空路出国しようとしていたエクアドール(赤道国)人カルロス・バスティーダスがバティスタ政権の秘密警察に逮捕され、拷問されてから射殺された事件、と指摘された。

 ラ米ジャーナリスト連盟(FLAP)はハバナで、「進歩主義政権退潮、ジャーナリスト殺害頻発、富の分配の不公平拡大が<報道の不正義>を生み、そのような状況が<報道の自由>を富裕支配層と帝国主義に都合の良いものと解釈されている」と批判した。
 さらに、「多国籍大企業によるメディア独占」状況を非難。社会メディアが「政治運動」を展開し、「イデオロギー的攻勢をかけている」と指摘した。
 米国に関しては、「キューバは長年、米国による反革命宣伝ラ・テ放送に晒されてきた」との言及があった。

 記者殺しが最悪状態にあるメキシコでは、ジャーナリスト団体などがこの日、国会で成立済みの「社会伝達法」を施行しないよう、エンリケ・ペニャ=ニエト大統領に訴えた。
 メキシコでは2017年にジャーナリスト12人が殺された。今年はすでに3人が犠牲になっており、最近では3月ベラクルース州内でレオバルド・バスケス記者が自宅玄関で射殺された。

 エクアドールのレニーン・モレーノ大統領は「報道の自由を守る」と述べ、先ごろコロンビアゲリラ残党に殺害された同国エル・コメルシオ紙取材班3人を悼んだ。

 米国ではマイク・ポンぺオ国務長官が「自由なジャーナリズムを促進し守る」と述べた。だが、トランプ現政権下で虚偽ニュースなどが跋扈、充満し、言論の自由が脅かされている、との指摘が数多くある。

 LACの「自由度順位」はCR、ウルグアイ、スリナム、チリ、亜国、ガイアナ、ドミ二カ共和国、ハイチ、エル・サルバドール、ペルー、ニカラグア、パナマ、赤道国、ブラジル、パラグアイ、ボリビア、グアテマラ、コロンビア、ベネズエラ、メキシコ、キューバ、の順。

 日本では「報道の自由の日」は「憲法記念日」と重なり、注目度が低い。政府・官界と国会政権党議員らの虚偽言動が充満 、司法の意志薄弱が目立つ日本の「報道の自由度」は、先進工業国では極めて低い。そんな権力の状況が虚偽情報を日本社会に蔓延させ、言論封じの悪しき傾向が顕著になっている。
 日本のジャーナリストやメディアが「報道の自由の日」をもっと重視することを期待したい。

    5月3日は、朝日新聞阪神支局襲撃事件(1987年)発生の日である。小尻知博記者が29歳の若い人生を銃弾に奪われ、犬飼兵衛記者(今年1月死去)が重傷を負った凶悪な言論封殺事件だった。事件はいまだに未解明だ。
 この日本のジャーナリズムとしては、この事件と「報道自由の日」を結び付けて考えるべきだろう。

    因みに、スペイン語でジャーナリズムは「ペリオディズモ」、ジャーナリストは「ペリオディスタ」という。

2017年3月20日月曜日

  伊高浩昭の最近のジャーナリズム活動。最多の主題は「フィデル・カストロ死去」▼パナマ第3水路を超大型船1000隻通航

◎伊高浩昭の最近の執筆記事など

★月刊誌「LATINA」
▼2017年4月号(3月20日発行) 「ラ米乱反射」連載第132回
「米州南北間の歴史的矛盾が爆発  トランプ米政権に翻弄されるメキシコ」 6ページ、写真4枚使用

▽書評:『パナマ-歴史と地図で旅が10倍おもしろくなる』松井恵子著、三冬社、1500円

▼同3月号(2月20日発行) 同131回
「ラ米最後の内戦終結を目指し本格交渉開始  キトでコロンビア政府とゲリラ・民族解放軍」

▽書評:『ホセ・ムヒカ  日本人に伝えたい本当のメッセージ』萩一晶著、朝日選書、780円

▼同2月号(1月20日発行) 同130回
「対応はトランプ米新政権の出方次第  革命の父フィデル・カストロが逝ったキューバ」

▽書評:『第三帝国』ロベルト・ボラーニョ著、柳原孝敦訳、白水社、3600円

▼同1月号(2016年12月20日発行) 同129回
「アイスランド人は<新世界一番乗り>を主張  コロンブス到達の地バハマに目立たぬ銅像」(ルポルタージュ)

▽書評:『マラス  暴力に支配される少年たち』工藤律子著、集英社、1800円

▼共同通信加盟各紙(2016年11月27日)
「フィデル・カストロ死去  緊急識者評論」

▼毎日新聞(11月27日)
「フィデル・カストロ死去についての論評」

▼毎日新聞社「エコノミスト」誌(12月13日号)
「フィデル・カストロ死去解説」

▼キューバ映画「オリソンテス(水平線)」冊子(11月)
「常に<革命の祖国>と共に」(アリシア・アロンソの半生についての解説)

▼週刊金曜日(2017年1月20日号)
解説「トランプ対策練るキューバ プーチン氏と油田開発に期待」

▽書評:(12月9日号)『マラス』(前出)
「中米の恐るべき青少年暴力団を取材したルポルタージュの傑作」

▼ラジオJWAVE青木理番組(12月2日)
「フィデル・カストロ死去論評」

▼NGOレコム機関冊子「そんりさ」(2017年2月4日号)「ラ米百景」連載第61回
「フィデル・カストロを書いて糾弾されたジャーナリスト」

▼NGOキューバ友好円卓会議機関冊子「サルー」(3月8日号)
「フィデル・カストロの<英雄の生涯>」(長文評伝)

▼講演(1月25日夜、NGOピースボート高田馬場本部)
「フィデル・カストロの死とキューバ」

▼シンポジウム(2月6日午後、早稲田大学ラ米研究所主催、小野梓記念講堂)
「今 キューバを考える」=カストロ亡き、トランプ有りの=


▼ラ米短信  ◎パナマ運河第3水路を超大型船1000隻が通航

 パナマ運河庁(ACP)は3月18日、昨年6月開通した運河閘門式第3水路を超大型船1000隻が同日までに通航したと発表した。コンテナ船、自動車運搬船、穀物運搬船、石油タンカー、液化天然ガス(LNG)タンカー、石油液化ガス(LPG)タンカーなど。

 4月、乗客4000人の超大型旅客船が通航する予定。第3水路の閘門間の水路の規模は、全長366m、幅49m、喫水15m。
 
 

2016年11月23日水曜日

LATINA12月号乱反射は「キューバ映画人インタビュー」

◎最近の伊高浩昭執筆記事

★月刊誌LATINA

▼2016年12月号 「ラ米乱反射」連載第128回 「キューバ人は参加型社会主義に懸ける  映画人ロランド・アルミランテ語る」

 阪本順治監督、オダギリジョー主演の日玖合作映画「エルネスト」で監督補を務めたキューバ映画人に東京とハバナでインタビューした。この映画は来年のチェ・ゲバラ歿後50周年直前に封切られる。

書評:『子どもと共に生きる  ペルーの「解放の神学」者が歩んだ道』 アレハンドロ・クシアノビッチ著、五十川大輔編訳、現代企画室 2800円

▼11月号 「ラ米乱反射」連載第127回 「メキシコ人学生43人失踪事件から丸2年  <国家テロ>ゆえ解明しない政府」

 2014年9月23日発生した「アヨツィナパ事件」の経緯と真相を描く

書評:『インディオの気まぐれな魂』 エドゥアルド・ヴィヴェイロス=デ・カストロ著、近藤宏・里見龍樹共訳、水声社、2500円

▼10月号 「ラ米乱反射」連載第126回 「ブラジルに正統性なき政権出現  五輪宴の後、<クーデター>が完成」

 腐敗にまみれた政治屋テメルは早速日本を訪れた。

書評:『サバイバー  池袋の路上から生還した人身取引被害者』 マルセーラ・ロアイサ著、常盤未央子・岩崎由美子共訳、ころから 1800円

★週刊読書人 11月18日号 書評『子どもと共に生きる』(上記)

★週刊金曜日 11月11日号 書評『子どもと共に生きる』(上記)

★NGOレコム機関冊子そんりさ10月29日号(VOL158) 「ラ米百景」連載第60回 「現代に繋がる過去の悲惨な事件」
 70年前にブラジル日系社会で起きた「臣道連盟事件」(勝ち組・負け組事件)に触れる

★映画「ホライズン」(オリソンテス=水平線)冊子 「常に<革命の祖国>と共に」(アリシア・アロンソとのインタビューを踏まえた解説的記事)
 
 この映画は、クーババレエ界の永遠のプリマドンナ、アリシア・アロンソの半生を描いた2015年クーバ・スイス合作(アイリーン・ホーファー監督、71分)。11月12日から東京都写真美術館ホール(03-3280-0099)、角川シネマ新宿(03-5361-7878)などで公開


 

2016年8月23日火曜日

ジャーナリストの理想型、反骨の、むのたけじ逝く

 私は若い日に、日本と外国の先人ジャーナリストたちから薫陶され影響を受けた。そんな日本人の一人が、むのたけじ(武野武治)だった。8月21日、101歳で死去した。

 私は学生時代、著書『雪と足と』を読み、存在を知った。戦争に抵抗しなかった朝日新聞を敗戦の日に辞め、秋田県横手市で家族と「たいまつ新聞」を発行していた。その苦労・苦闘と喜びの日々が、この本に綴られていた。

 私は、自分のジャーナリストとしての将来像の一部分にむのたけじを入れた。さまざまな理想型のモンタージュが将来像だった。

 ジャーナリストになって四半世紀経ったころ、1990年代前半のある日、私は横手の自宅にむのたけじを訪ね、インタビューした。人間を描くシリーズに登場してもらったのだ。その時の記事がすぐには見つからないため、ここに紹介できないが、印象深い会見だった。

 私は冒頭、学生時代に著書を読んだ時からむのたけじを知っていたことを話した。「ほう、そうでしたか」と嬉しそうに応じてくれたのを記憶している。当時、75歳ぐらいだったはずだ。

 3~4年前のことだが、神田神保町の東京堂でむのたけじの講演会があり、私は参加し、質疑応答もした。その時のメモは、ブログに書いたはずだ。

 私の理想型の基になった内外ジャーナリストは、これで全員が鬼籍に入ってしまった。101歳、むのたけじの反骨の記者人生は、エベレスト山の頂を窮めたようなものだ。

 生前、会えたことを感謝している。御本人と、ジャーナリズムという共通の職業に対してである。
 
 

2016年8月22日月曜日

伊高浩昭記事:LATINAは「米軍パナマ侵攻事件真実究明」

◎最近の伊高浩昭執筆記事など

★月刊「LATINA」誌9月号(8月)20日刊 連載企画「ラ米乱反射」第125回

「パナマ政府が米軍侵攻の実態究明に委員会設置  苦節27年、犠牲者遺族の執念ついに実る」

 1989年12月、ブッシュ米政権がパナマに大規模な軍事侵攻を仕掛け、非公式集計で4000~8000人のパナマ人が殺害されたとされる一大虐殺事件の遺族代表へのインタビューを柱とするルポルタージュ。米軍侵攻場面など写真9点も掲載。

☆同誌書評;アリエル・ドルフマン著『南に向かい、北を求めて』(飯島みどり訳、岩波書店、4700円)

★「週刊金曜日」誌8月19日付 「きんようぶんか」欄 書評

 「南北両米と英西両語の狭間で<二言語人>として葛藤した半生」:アリエル・ドルフマン著『南に向かい、北を求めて』(同上)

★「週刊読書人」紙8月19日付 書評

「著者の人生分けたチリ軍事クーデター  英西両語の内なる苦闘を秘めた半生の記」(同上)

★TBSラジオ「荻上チキ・セッション22」8月18日2245~2345出演

「ブラジル日系社会で70年前に起きた<勝ち組・負け組>事件の真相」

 暗殺に参加した唯一の生存者らへの電話インタビューも含むトーク番組。(私にとっても極めて興味深かった。)

★月刊「LATINA」誌8月号(7月20日刊) 連載企画「ラ米乱反射」第124回

「軍部の支持固め危機乗り切り図るベネズエラ政権  野党勢力は大統領罷免国民投票を目指す」(現地ルポルタージュ)  

2016年8月1日月曜日

隅田川 花火 浴衣 都知事選 鳥越俊太郎

 隅田川の花火大会を7月28日、浅草・花川戸側の川端で観た。かつては「川開き」と呼ばれていたが、近年、この言葉を聞かない。本所生まれ、浅草育ちの私が最初に川開きを観た記憶は、幼稚園児か小学1年生のころ、家族と両国橋か蔵前橋の中央で、大群衆にもまれながら観た情景だ。

 敗戦の破壊の跡が依然生々しかった時代である。世をはかなんだ人の土佐衛門が隅田川を流れ下る光景を、子供ながら乾いた心でしばしば観ていた。花火大会と隅田公園の桜は大きな慰めだった。

 浅草は、異邦人を含む浴衣姿の若い男女で群れていた。貸浴衣屋が大繁盛だと聞いた。そんな時代になっているのだ。

 帰りは、鶯谷駅までの裏道を久々に歩いた。交差点で、高齢の共産党員たちが、「ジャーナリストと共に都政へ」と、ぎりぎりまで闘っていた。これには頭が下がった。

 きょう31日、結果が出た。政府に繋がる官僚知事が新たに一人増えるのがなくなったのは良かった。女性知事が東京に生まれたこと自体は好ましい。だが当選者は「化粧」でなく、真に大化けして、一流の都知事になれるだろうか。もう何十年か、優れた都知事は出ていない。彼女が保守・守旧派になびく恐れがないわけではあるまい。なにせ自民党員なのだ。

 76歳の疲れた肉体に鞭打って出馬した鳥越俊太郎の勇気に拍手を送る。だが知識人、特にジャーナリストの弱さが出過ぎた。知識人は馬鹿芝居ができないから、選挙では迫力に欠ける。

 ジャーナリストは「中立」、「客観性」を重んじ、相撲の行司のように常に自分を対立者の間に置こうとする。いつしか直截的な言い方ができなくなり、自身の意見を失い、優柔不断となり、判断を避け、逃げる傾向に陥る。それでいて気位は高く、理屈ぽい。

 文学は説明したら死んでしまう。つまらないものに堕す。鳥越は演説に説明が多すぎた。本領を発揮できないまま、おしゃべり言葉以外に実力が不明なポピュリストに勝利を持って行かれた。

 日本人有権者の多くは、非政治的で、反知性も少なくない。そんな風土で進歩主義の知識人が勝つには、相当に線が太く、泥臭い人でないと難しい。4年後は、そんな知識人に出馬してほしいものだ。

 それにしても民放テレビの特定候補偏向支援宣伝はひどすぎた。公示前から宣伝、これが今回の勝敗に大きく影響を及ぼしいたのは疑いない。テレビ報道の質が根腐れして久しいが、今選挙で腐臭が一気に拡がった。

 民進党も末期症状だ。知事選前日に代表が辞意を打ち出すとは、これはもう政治家ではない。「鳥越候補が振るわないのも退陣要求圧力に含まれていた」というから、民進党は選挙勝利を早々と諦めていたわけだ。情けない。

 週刊誌のネガティヴ宣伝運動は言わずもがな、何をか言わんやだ。


 

2016年7月1日金曜日

6月の主な伊高浩昭執筆記事

◎最近の主な伊高浩昭執筆記事(6月)

★「週刊金曜日」6月3日号書評 『新版 現代ブラジル事典』(新評論、3500円)--「ルセフ大統領をお払い箱にした真相」

★「世界」7月号(6月8日) 論評「<バナナ共和国>に成り下がったブラジル  事実上のクーデターでルセフ大統領弾劾へ」

★「LATINA」7月号(6月20日) 「ラ米乱反射 連載第123回: <バナナ共和国>に成り下がったブラジル  <制度的クーデター>で大統領を窮地に追い込む」

☆同誌書評 『マヤ文明を知る事典』(青山和夫著、東京堂出版、2800円)

★「週刊読書人」(6月24日号) 書評:『教皇フランシスコ』(オースティン・アイヴァリー著、宮崎修二訳、明石書店)--「カトリック教会の<救世主>  異教間に理解の橋を懸け、国際情勢に積極関与」

2016年5月24日火曜日

LATINA乱反射は「キューバ共産党大会とオバマ訪問」

◎最近の伊高浩昭執筆記事

★月刊誌LATINA6月号(ラティーナ社) 「ラ米乱反射」連載第122回
「キューバ共産党の任務は<体制防衛>と第7回大会が確認  <ハーメルンの笛吹男>を演じたオバーマ米大統領」

☆同誌「特別報告」 「心豊かな清貧政治家ホセ・ムヒーカ、日本をゆく」

★月刊誌「世界」6月号(岩波書店) 「世界一、心豊かな大統領 来日言行録  ホセ・ムヒカ大いに語る」

★週刊紙「週刊読書人」5月20日付 書評  工藤律子著『ルポ: 雇用なしで生きる  スペイン発「もう一つの生き方」への挑戦』(岩波書店、2000円)

2016年4月25日月曜日

伊高浩昭執筆LATINA誌記事は「アルゼンチン政変40周年」

◎最近の伊高浩昭執筆記事など

★月刊誌LATINA5月号(4月20日刊)

「ラ米乱反射」連載第121回 「軍事政変40周年の亜国をオバーマ米大統領が訪問  人権に冷淡な経営者大統領マクリと意気投合」=ノーベル平和賞のアドルフォ・ペレス=エスキベルの発言も紹介する=

書評:『カストロとフランコ 冷戦期外交の舞台裏』 細田晴子著、ちくま新書 820円

★週刊金曜日4月22日号「きんようぶんか」 書評:『教皇フランシスコ キリストとともに燃えて』 オースティン・アイヴァリー著、宮崎修二訳、明石書店

★毎日新聞社週刊経済誌「エコノミスト」4月26日号(4月19日刊)「フラッシュ」: 「ペルー大統領選 父がハンディのケイコ氏 決選投票は苦戦必至か」

★NGO機関冊子「そんりさ」4月21日号(Vol.156) 「ラ米百景」連載第59回 「天野芳太郎の思い出」

★ラジオJWAVE金曜日(4月8日)青木理番組の「ブレイクスルー」出演 「ブラジル情勢とリオ五輪」を語る

☆掲載予告:月刊誌「世界」(岩波書店)6月号(5月8日刊) 「ホセ・ムヒーカ来日発言録」
☆掲載予告:LATNA誌「ラ米乱反射」6月号(5月20日刊) 「オバーマ訪玖と第7回クーバ共産党大会分析」

2016年3月31日木曜日

LATINA:「メキシコでDHローレンスと喧嘩したSモーム」

◎3月の伊高浩昭執筆記事など

★月刊誌「LATINA」4月号(3月20日刊)「ラ米乱反射」連載第120回

「メキシコでDHローレンスと喧嘩したSモーム  第1次大戦期にサモアでスパイ活動」

【文学散歩。昨年末に訪れたサモアで、100年前この島でスパイ活動した英国人作家サマーセット・モームに思いを馳せた。
モームはメキシコでは同国人作家DHローレンスと馬が合わず、互いに扱き下ろす関係になった。】

☆書評:エルナン・コルテス著『コルテス報告書簡』(伊藤昌輝訳、法政大学出版局、7400円)

【500年前アステカ王国を倒した征服者がスペイン国王に書き送った厖大な書簡から、当時の様子が生き生きとわかる】

★月刊誌「世界」4月号(3月8日刊、岩波書店)

論文「半世紀におよぶ内戦終結の黎明を迎えるコロンビア  政府とゲリラ組織が和平協定調印へ」

★毎日新聞国際ニュース面「Bオバーマ米大統領クーバ訪問」記事関連

3月22日付朝刊「一口談話」、23日付朝刊「解説談話」

★「週刊読書人」3月18日号

書評:『コルテス報告書簡』「混血メキシコ誕生の残酷な歳月を綴る  時空超えた異文化理解に貢献する労訳」

★映画「エスコバル 楽園の掟」(3月12日公開)
配給会社トランスフォーマー制作館内配布冊子:「麻薬王エスコバル  ロビン・フッドとゴッドファーザーを自認した<錬金術師>」

★月刊「映画秘宝」4月号(3月20日刊)「麻薬王エスコバル」解説記事

★トークショー:映画「麻薬王エスコバル」をめぐって(3月9日、セルバンテス文化センター)

2016年3月12日土曜日

東電福島原発放射能惨事5年、ラテンアメリカでも大きく報道

 ラ米諸国のメディアは3月10~11日、東日本大震災と東電福島原発惨事を一斉に報じた。メヒコのTV局テレビサは東京発で「日本、地震と津波の犠牲者に1分間黙祷」と題してニュースを伝えた。また、福島県浪江発で、「原発事故周辺を体験するトゥリズモ・ネグロ(黒い観光)」について伝えている。

 原発が稼働しているアルヘンティーナのクラリン紙は、「5年経っても被災地域は再建終わらず」の見出しで報じた。同国のアンビト紙ウェブ版は、日本での原発再開、大津地裁の原発稼働差し止め判決、脱原発が日本世論の主流、などを伝えた。やはり原発のあるブラジルのRTPニュースは、「福島原発危機:5年経っても未解決」と伝えた。

 故ウーゴ・チャベス前大統領が原発導入決定を福島事故直後に取り消したベネスエラのエル・ウニベルサル紙は、「5周年:日本は津波と福島の傷跡に直面」の見出しで報じた。国営ベネスエラ通信は、「日本は5年前、同国史上最大の地震に見舞われた」と振り返った。ベネスエラのウェブ・パノラマは、「5年経っても福島では恐怖が依然疼いている」と書いた。

 ソ連援助で原発建設に着手したがソ連消滅で建設を打ち切ったクーバの共産党機関紙グランマは、「福島原発事故責任者の怠慢を糾弾」の見出しで、東電元幹部らが起訴されたことを伝えた。

 太平洋のはるか対岸にある地震国チレのウェブ紙「テラ」は、「日本は5周年を厳粛に迎えた」の見出しで、日本にとって第2次世界大戦後最悪の悲劇、福島原発事故の現場一帯の問題は未解決、と伝えている。

 オンドゥーラスのプレンサ紙は、「原発論争」と題し、「日本政府の原発再開への執着にも拘わら世論は脱原発が多数」と報じている。

 コロンビアの週刊誌セマーナは、「福島:天変地異5周年」と題し、「放射能による癌発生が出ている」と報じた。ペルーのエル・コメルシオ紙は、「5年前のきょう、何が起きたのか」と、大震災と放射能流出事故を回顧した。

 ペルーのラ・レプーブリカ紙は、「黙示録的惨事から5年」と書き、その間、日本の被災地から漁船2隻、地名標識、サッカーボール、大型オートバイの5点の物体が米国のハワイ、アラスカ、加州、およびカナダに漂着したことを報じた。

 メヒコのウェブ「アリステギ」ニュースは、ローマ滞在中の管直人元首相が「事故を起こした福島原発施設は日本と世界にとって脅威だ、と語った」と伝えた。またウェブ「ペリオディコ・ソカロ」(ソカロ新聞)は、「福島・幻の村・見えない人々」として現地ルポを紹介している。エクセルシオール紙は、「日本は回復から依然遠い」と報じた。

 このほか、ウェブ「経済アメリカ」は「福島から5年、日本政府は原発に固執」、同「メルカード」は「福島は5年経っても放射能と戦っている」、同「ラ・グラン・エポカ(大時代)」は「福島原発事故はどんな結果を招いたか」の見出しで伝えている。

 「福島核惨事は5年経っても終わらない」と題したウェブ解説記事もある。 

 
 

2016年3月8日火曜日

月刊誌「世界」掲載:伊高浩昭執筆「コロンビア内戦終結へ」

 ◎伊高浩昭執筆論文 「半世紀におよぶ内戦終結の黎明を迎えるコロンビア  政府とゲリラ組織が和平協定調印へ」
 
★本日3月8日発売の月刊誌「世界」(岩波書店)4月号に掲載。

☆内容:1960年に始まったコロンビア政府と共産ゲリラとの内戦は、サントス政権とゲリラFARC(コロンビア革命軍)が2015年9月23日ハバナで、JMサントス大統領と、FARCのティモチェンコ最高司令が16年3月23日を目処に和平協定に調印することで歴史的合意に達した。

☆両者の間での和平交渉は2012年10月からハバナで始まった。3年間の粘り強い交渉の結果、合意に達したのだった。仲立ちした諸国、とりわけクーバのラウール・カストロ国家評議会議長の貢献が大きい。

☆論文は「まえがき」、「内戦の推移」、「和平交渉の機運」、「ハバナ合意」、「国家体質変える歴史的試み」で構成される。極めて複雑な合意事項を詳述してある。米玖国交再開や最近の南米「右旋回」との関連づけもしてある。

☆もう一つのゲリラ組織ELN(民族解放軍)との和平交渉の展望も為されている。

☆3月23日まで2週間と迫っており、協定調印が24日以降に延期される可能性もあるが、双方は早期調印で一致している。

★ラ米情勢、とりわけコロンビア内戦に関心のある読者には、ぜひ読んでいただきたい。
 

2016年2月25日木曜日

LATINA3月号・伊高執筆乱反射は「ペルー大統領選」

◎最近の伊高浩昭執筆記事

★月刊誌LATINA3月号(2月20日刊)

「ラ米乱反射」連載第119回 「ペルー次期大統領の最有力候補はケイコ・フジモリ  元国家警察長官マルコ・ミヤシロが政策顧問」(現地リマでの取材を踏まえた4月大統領選挙展望、および80~90年代のペルーの治安状況)

映画評:「エスコバル 楽園の掟」(アンドレイ・ディステファノ監督)=3月12日シネマサンシャイン池袋などで公開=

書評:「文学会議」(セサル・アイラ著、柳原孝敦訳、新潮社)

★月刊誌「映画秘宝」4月号:「パブロ・エスコバル:暴力でのし上がった稀代の無法者 罪滅ぼしか? 貧しい人々に<善>施す」

★映画「エスコバル 楽園の掟」冊子:「麻薬王パブロ・エスコバル  ロビン・フッドとゴッドファーザーを自認した<錬金術師>」

2016年1月24日日曜日

都内の会合でチェ・ゲバラやラ米を語る

 天気予報で降雪の可能性が伝えられた1月23日は確かに寒く、雪に備えて外出した。東京都練馬区光が丘という、同区副都心での会合に招かれた。チェ・ゲバラやラ米情勢を語るためだった。

 参加者は、思った通り年配の知識人ばかりだった。新聞記者上がりのフリージャーナリスト、フリーライター、元企業駐在員、中国研究者、最近訪玖した人、幅広い興味を持つ人、たちだった。最高齢者は91歳の女性だった。

 チェについては印象論としてある程度知ってはいても、クーバやラ米についてはよく知らない人ばかりと見受けられた。このため、基本的な話をしてから、質疑応答に切り換えた。

 中東研究者からは、「チェとISの共通点」についての指摘がなされた。イスラムの若者たちがISになびき馳せ参じる様相は、クーバ革命後、チェに憧れてゲリラ戦に走った若者たちと似ている、という捉え方だ。

 なるほど、そのような分析が今、中東研究者らの間ではなされているのか。これは、私にとっては「初耳」だった。チェの著作の多くはアラビア語に訳されて書店や図書館に並んでいるという。チェがアラブ諸国でも人気があるのは充分想像できる。

 最近の南米情勢の「右旋回」も話題になった。私は22日東京で来日中のウルグアイの政治学者オスカル・ボティネリ(71)とラ米・南米情勢を語り合ったばかりだったが、その一部を伝えておいた。

 ポプリズモ(人民主義)は、貧困大衆層に恩恵を施し見返りに票をもらい、政権を維持する。だが施しの基となる国家・政府資産が乏しくなると、ポプリズモは勢いを失う。

 富裕層、中産層など伝統的支配階層は、ポプリズモを「大衆迎合主義」と受け止め、否定的に捉える。だが貧困大衆層にはありがたい人民主義である。

 冬の日暮れは早い。降雪前にと早めに帰路に就いた。だが雪は降らなかった。
 

2016年1月21日木曜日

LATINA「乱反射」はNレオノフ著「ラウール・カストロ伝」解読

◎最近の伊高浩昭執筆記事

★月刊誌LATINA2月号(1月20日刊)

「ラ米乱反射」連載第118回 
ニコラーイ・レオノフ著「ラウール・カストロ 革命の中の人」を読む  圧巻はソ連・キューバ関係秘史の記述

書評:「アルゼンチンのユダヤ人ー食から見た暮らしと文化-」 (宇田川彩著、風響社、800円)

☆NGO機関冊子「そんりさ」Vol.155 (1月16日刊)

連載「ラ米百景」第58回  「日本政府の<違憲性>を告発した日本人移住女性」

2016年1月1日金曜日

読者への挨拶と、2016年ラ米情勢展望

 2016年元日に際し、このブログ「現代ラテンアメリカ情勢」を善意をもって読む読者の皆さんに「謹賀新年」と挨拶の言葉を送ります。

 今年のラ米は荒れ模様です。1月5日に新国会が始まるベネスエラでは、政権と、野党が圧倒的多数を握る国会に「ねじれ」が生じ、激しい鬩ぎ合いが続くでしょう。憲法で保障された大統領罷免の是非を問う国民投票もありうるでしょう。

 アルヘンティーナのマクリ保守・右翼政権は、ペロン派前政権が12年間に亘って積み重ねてきた行政の実績を大急ぎで潰しにかかっています。国論は二分され、先鋭化していくでしょう。

 コロンビアは3月23日の内戦終結合意実現を目指して、政府とFARCが相互停戦、武装解除など最後の難題の交渉に取り組みます。ハバナでの交渉を注視します。

 ブラジルは、ヂウマ・ルセフ大統領弾劾の動きがカーニヴァル明けの2月、国会でどう展開していくかが最大の焦点です。

 ボリビアは、エボ・モラレス大統領の4選出馬を可能にするための改憲国民投票が2月21日実施されます。否定されれば、2020年まで続くモラレス政権は勢いが陰るでしょう。

 エクアドールのコレア政権は、南米諸国の保守化・右傾化を横目に、日和見主義的施政を一層鮮明にするでしょう。そのくらい慎重な舵取りが必要になっているわけです。

 ペルーでは4月10日、大統領選挙が実施されます。ケイコ・フジモリが決選に進出し当選するか否かが焦点です。

 チレは、銅収益の10%を軍備に回す「銅収益指定法」の廃止が成るかどうかです。新憲法制定の動きがどこまで進むかも重要です。

 パナマでは、今年半ばの運河第3水路開通が待たれます。ニカラグアは2014年12月に建設工事が始まった「大運河」の「実現可能性」がどこまで形をとるかが関心の的です。

 グアテマラでは1月14日、喜劇役者出身のジミー・モラレス大統領が就任します。伝統的支配勢力の傀儡になりそうなのが懸念されています。

 メヒコは、大統領夫人の邸宅腐敗疑惑、真相解明が進まない学生43人強制失踪事件、麻薬王脱走などで威厳を失ったEPN大統領の下で、経済不調も手伝って、施政は混迷の度を深めていきそうです。

 ハイチは、大統領選挙の不正が繰り返され、決選が無期限延期されたまま越年しました。米国の事実上の植民地支配下にあり、心ある市民には苦しく厳しい日々が続くでしょう。

 クーバは4月16日、第7回共産党大会を開きます。党中枢人事と中期的政策に関心が集まっています。Bオバーマ米大統領の訪玖があるでしょう。

 南米右傾化を歓迎する米国では11月、次期大統領が決まります。ラ米は、それを待っています。米植民地プエルト・リコの将来が決まるのも新新政権の下ででしょう。

2015年12月20日日曜日

LATINA誌「ラ米乱反射」はアルゼンチン右傾化分析

◎最近の伊高浩昭執筆記事

★月刊LATINA誌1月号(2015年12月20日刊)

☆「ラ米乱反射」連載第117回 「亜国右旋回、マクリ新自由主義政権が誕生  ベネズエラ国会でも保守・右翼が多数派に」

☆書評:立石博高編著『概説 近代スペイン文化史 18世紀から現代まで』(ミネルヴァ書房、3200円)

☆松枝愛執筆書評:伊高浩昭著『われらのアメリカ万華鏡』(立教大学ラテンアメリカ研究所刊行、非売品)

2015年12月14日月曜日

~波路はるかに~最終回

 PBオーシャンドゥリーム号での船路は12月6日に終わった。実は、横浜に帰着したら、パソコンが通じなくなっていた。長旅の疲れをいいことに故障を1週間放置していた。だから、このブログを更新できなかった。その間、南米政治の右旋回の長物を雑誌用に書き、雑誌社編集部で処理した。

 昨夜(12日夜)、PB船が停泊中の横浜港大桟橋に戻って、船内での水案(船上講師・エンターテナー)忘年会に出た。懐かしい顔ぶれが半分、残り半分は知らない若い世代で、計40人。PB幹部たちとしばし歓談した。

 88回航海を終えたばかりのパシオン田村美和子航海PBディレクターらも勢揃いしていた。横浜と名古屋での船内見学会を終えてから下船し、90回航海乗り組みのPB仲間に船を託すという。最後まで御苦労さまだ。

 この水案会で、パソコン故障放置を咎められた。急遽手を尽くして奇蹟的に復旧させた。だから今、この記事を書くことができた。

 今回の船旅で、本ブログの読者が何人かできたかもしれない。その人たちに感謝しつつ、ら米情勢の愛読者になってほしいと願う。

 もう今日になってしまったが、14日から新規まき直し、せっせと記事を書き、毎日更新する。 

 

2015年11月17日火曜日

「波路はるかに2015」第2回

~2015波路はるかに~第2回

 PBオーシャンドゥリーム号は明後日、タヒチのパペーテに着く。仏領ポリネシアの首都で、人口は18万人。タヒチ島の面積は東京都の半分弱。熱帯の猛暑が甲板を覆っている。

 船は、南回帰線と赤道の間を走っている。太陽と地球の緯度が重なっているため、太陽は南中しっぱなしで、人の影は足元に小さく丸くあるだけで、日中は影のない情景が醸し出される。因みに、に太陽の緯度は「赤緯」と言うらしい。

 船の侵入に平和を脅かされたトビウオの群れが、飛び逃げる。銀色の木の葉が紺碧の波の上を舞う。時折、海鳥が上空を過ぎる。島が、そう遠くない距離にあるのだろう。

 先日、疲れた黒色の海鳥が一羽、船で翼を休めていた。船は一晩に250kmも走る。運ばれた鳥は、帰るべき島から遠ざかってしまう。哀れ! だが鳥の生死は自然に任せるだけだ。助けてはいけない。野生なのだから。

 カヤオで出てから一連のラ米講座を終え、タヒチ講座に入っている。今日はタヒチとポール・ゴーギャンの関係を話した。明日は、タヒチ舞踊の先生ココさんと対談する。

 ラ米ではハイチ大統領選決戦に進出する2候補が決まった。亜国決戦は22日だ。12月6日にはベネスエラ国会議員選挙がある。風雲急を告げている。201501116 伊高浩昭

2015年11月9日月曜日

「波路はるかに2015」第1回

「波路はるかに2015」 第1回 リマ市およびカヤオ港にて    伊高浩昭

 日本時間(JST)11月4日~ペルー時間4日にかけて丸一日、メヒコ市経由で19500kmを飛んでリマ市のホルヘ・チャベス国際空港に着いた。昔は荒れ地に空港ビルがそびえ立つだけのこじんまりした空港だったが、21世紀に入ってからのペルー経済のいびつな隆盛を反映して、すっかり現代化している。タクシーの客引きが群がる光景は相変わらずだが、車の床に穴の開いたタクシーはもはや見当たらない。5日未明0130ごろ、カヤオ港に停泊中のピースボート「オーシャンドゥリーム」号に入った。これが私の動くホテルである。

  カヤオで下船する、リマ在住の写真家義井豊の送別宴に駆け込み参加し、仮眠をとる。明けた朝、義井豊とリマ中心街のアルマス広場に行き、某有力紙政治部長にインタビューする。来年4月の大統領選挙の展望を訊いた。政治部長は主な候補の品定めをしてくれたが、もちろんオフ・ザ・レコードだった。発言者の特定に繋がるようなことを一切書かずに、発言内容を報じること。これは守らねばならない。

 次いで、治安関係の元高官にインタビューした。過去の対ゲリラ戦、現在の治安状況、大統領選挙展望などを訊いた。来年12月には、リマの日本大使公邸占拠事件発生20周年となる。この事件も振り返り、質疑した。

 晩春のリマは涼しかった。フンボルト寒流の影響が際立っている。油断すれば風邪をひく。PB船は6日夜、カヤオを出港、西方彼方のタヒチに向かう。2週間の航海だ。7日は安息日、8日午前、日本内外のニュースを船客たちに報告した。安倍参戦法、「マイナンバー制度」、TPP大筋合意、辺野古埋め立て予備工事強行に関心が集まった。明日は、クーバとUSAMERICA(ウサメリカ=USA=米国)の国交再開の歴史的経緯について語る。

 船上も涼しいが、数日後には夏らしい暑さが甦る、と船長は予想している。船からのパソコン交信は電波事情次第だ。これが素早く届くのを期待する。