2018年4月26日木曜日

 ボリビアのコチャバンバ郊外で列国議会同盟議長会議開く▼エボ・モラレス大統領は南米諸国連合(ウナスール)のボイコット6カ国に団結を呼び掛け▼FARC幹部逮捕でコロンビア和平陰る 

 ボリビア・コチャバンバ州サンベニートで4月25日、列国議会同盟の第12回議会議長会議が26日までの日程で開会した。加盟178カ国議会のうち43カ国が参加、「あなたの声が聞き入れられるために働こう」を標語に、「政治における暴力」について話し合う。

 同国のエボ・モラレス大統領は開会演説で、今会議が新築されたばかりの南米諸国連合(ウナスール、12カ国加盟)議会の議事堂で最初に開かれた国際会議であることを強調。同連合加盟諸国に向けて、「南米域内にはイデオロギーや政治の違いがあるが、違いを尊重しつつ団結し、南米市民から世界市民になろうではないか」と呼び掛けた。

 それというのも、加盟国の半数に当たる亜パラグアイ伯智コロンビア秘の6カ国が、イデオロギー的相違に基づく対立からウナスール行事ボイコットを表明したからだ。このような状態が長引けば、せっかく完成した議事堂も意味が薄れてしまう。

 ボリビア国会のガブリエーラ・モンターニョ議長によると、約50各国の議会の議長は女性。ボリビアでは国会議員は男女半々であり、同議長は「この点でボリビアは先進的だ」と自賛した。

 参加43カ国のうち議長が出席しているのは、ウルグアイ、コスタ・リカ、ロシア、フィジーや、アンゴラ、ジンバブウェ、赤道ギニア、ニジェール、レソト、ボツワナ、ウガンダなどアフリカ諸国などだという。
 南米のボイコット6カ国議会は欠席。ウナスールの「分裂」は、地域を超えた国際会議にも影響を及ぼしている。

▼コロンビア和平に陰り

 コロンビア和平(2016年11月)でゲリラ組織「コロンビア革命軍」(FARC)は政党「人民革命代替勢力」(FARC)になった。同党は3月11日の国会議員選挙に初めて参加したが、全体で5万票程度しか獲得できず、選挙民の信頼が薄いことが印象付けられた。
 だが和平合意により選挙結果とは別にFARCは、上下両院で5議席ずつ与えられることになっている。新議会は7月20日開会するが、FARCは5人ずつ計10人の議員名簿を選管に提出していた。

 ところが政府当局は、FARC下院議員名簿筆頭のヘスース・サントゥリッチ元司令を4月9日ボゴタで逮捕、米国に身柄を送ろうとしている。麻薬取引容疑で元司令を手配していた米政府の要請に従った措置。元司令は拘置所で断食、半月たち衰弱しているという。

 和平交渉のFARC代表だった大幹部で上院議員名簿筆頭のイバン・マルケス政治顧問は24日、上院議席に着かないと表明した。理由は、政府側が和平合意より米国を優先、元司令を逮捕、身柄を引渡そうとしていること。
 サントゥリッチ逮捕とマルケス拒否で、残る8人のFARC議員内定者に動揺が広がるのは避けられない。
 和平合意で16年にノーベル平和賞を受賞したJMサントス・コロンビア大統領は、中立的、仲介者的立場を捨て、米国やラ米保守・右翼勢力寄りに傾斜している。大きな問題は、ここにある。